Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューCzecho No Republic(WEB Rooftop7月)

軽快なリズムと共に響く足音、
母なる大地を背に、ダイナソーの足取りでCzecho No Republicは歩みを進める!

2012.07.05

今作は『Maminka』から来てますよっていう匂いを残したかった

 

――アルバム発売おめでとうございます! 結成から僅か2年でありながら、Czecho No Republicはバンドキャリアとしては此処までとても順調ですね。

武井:そうですね、客観的に見たらCDもコンスタントに出してるし。

――ご自身でも満足していますか?

武井:うーん…満足してるかどうかは分かんないですけど、まぁCDを出したいときに出せてとか。そういう状況としてはいいかな。

――さらに前作『Maminka』が多方面から高評価を受けることとなりましたが、それはいかがでしたか?

武井:嬉しかったですね。こういう感じで始まったバンドだったので、「いいのかな?」という不安と共にやっていたんです。だから、こういう風にわかりやすい評価をしていただけたのはラッキーでした。

――今作は、『Maminka』とは方向性そのものは大きくは変わってはいないですが、そういった点も含めて、制作時にテーマ等はあったのでしょうか?

武井:いっぱいありました。最初の頃は、もっと広い感じのふわっとしたのをやろうかなとか考えていたし。でも、とりあえず『Maminka』からがっつり変えるというのはちょっと違うんじゃないかなと。

――前作のインタビューでは「次は大陸的なイメージ」と発言されていましたよね。

武井:そうそうそう。大陸的なのものを今後はやりたいと思っていました。リフがループして引っ張ってみたいな。でもそれをやるには今の技術ではまだ足りないし。あとは、せっかく『Maminka』で分かりやすく評価していただけたのに、そういう意味で裏切ってしまう可能性があるので、『Maminka』から来てますよっていう匂いを残したかったんです。だから同じラインにしました。

――しばらくはこのラインに乗っていきそうですか?

武井:でも、決めるのは嫌になってきました。暗い曲も結構あるし、大陸的なのもあるし。それに3作目って、一番自由な立ち位置なのかなって思うんで。自由でありリスキーでもあるんですけど。まぁ、まだ分かんないですけどね。

――同じラインには乗っているとは言いつつも、今作は確実にスケールアップしていますよね。特にその色がタイトル曲の『ダイナソー』に現れているように思えますが。

武井:タイトル曲になっているくらいですから、曲が出来てメンバーと演った時に一番キラッと光るものがあって、全員が「おぉー!」となりました。

――その『ダイナソー』の歌詞で「強くなりたいよ」と言い切っているところが印象に残りました。チェコって全体的にニュアンス的な表現が強いイメージだったので、冒頭曲からこれだけはっきりとした意思表示をしていることが新鮮でした。

武井:これが最後に出来た曲で、期限がギリギリだったんです。何日までに録る曲を揃えてって言われている中で。期限2週間前くらいまで出来なくて、不安な日々を過ごしていて。そういう時に突然作れたので、心情を歌っているのかも…と言ってしまうとストレートすぎるんですけど…。こんな性格でもあるので、結構ナイーヴな…自分で言っちゃった(笑)。結構ナイーヴな打たれ弱いタイプなんで。

――5曲目の『Indie Pop』はギターの八木さんが作られた曲ですが、前作然り、彼の曲は毎作1曲だけなのでしょうか?

武井:全然。今後増えるかもしれないです。彼もいっぱい曲を書くので、チェコに合う曲があったらやります。彼も他の活動してるので、チェコでやる曲はチェコ、違うのはそっちでやると。

――皆さんが思うチェコらしさってなんでしょう?

武井:歌と関係ないところで鍵盤とギターが違うメロを鳴らしてるとか、分かりやすくいうとそういうところだと思います。でも、実際らしさって答えようとすると分かんないですけどね。同じ人が作ってると、どんなものをやってもなると思いますし。

――実際、過去に私もレビュー等で使ってしまいましたが、よくUSインディというジャンルで拘られたり、バンドだとヴァンパイア・ウィークエンドなどに形容されていますよね。この路線は今後も変わらずに行きそうですか?

武井:今後は分かんないですけど、好きなんで自然とそうなるかもしれません。

――曲を作った当時、そのあたりの音楽を聴いていたのでしょうか?

武井:聴いてたんですけど、そもそもUSインディっていう言葉も知らなかったです。CD出てからタワレコとかで「USインディ直系!」とか書いてあって。「USインディ直系なの俺ら!?」みたいな(笑)。国とか何も関係なくいろいろと聴いてたので。でもいわゆるUSインディといわれるものを多く摂取してたのは事実ではあるんですけど、狙ってやったつもりはないんですよね。

――最後に1曲目と同名のインストナンバー『ダイナソー-footsteps-』を持ってきたのは作品全体の統一性を考えてなのでしょうか?

武井:そもそも『ダイナソー』が出来る前の日にこのインストの曲が出来たんですけど、ちょっと切なく、滅びゆく感じがして、なんか地球っぽい、生き物っぽい曲だなと思ったんです。でもその時は、どこに使いようがあるんだろうと思っていたんです。で、次の日に『ダイナソー』が出来て、それがbpmも、曲のキーも、使ってるコードも全て一緒だったんです。だから最後にひとつにまとまったなと。なので『ダイナソー』の曲終わりと繋げて、長い構想として成立させることも考えました。でもタイトル曲なんで、そこまで長いとちょっと濃いなと。あれを付けちゃうと5分半とかになっちゃうんで。だからアルバムの最後に持ってきてしめようと。

 歌詞についての話

――歌詞についてですが、私は優心さんのワードセンスがとても好きです。選ばれるワードの一語一語が柔らかく、カラフルな言葉多くて。歌詞や文章はこれまでも書かれていたのでしょうか?

武井:まったくやったことないです。ブログもやってないし、ブログ作っても二記事くらいで終わってました。

――歌詞を書くきっかけも、作曲のきっかけ同様に「メロディが出来たから歌詞書くか…」くらい?

武井:そうですね。歌詞はすぐ書ける時は稀です。

――本も読まないんですか? 漫画とか。

武井:俺、好きな何々とかがないんです。基本的に、与えられたり目についたものを勝手に読んでます。だから作品性とか、こういうのが好きなんだとかを言うとしたら、全部好き。

――では、そんな中で最もよく読んだ本や漫画は何ですか?

武井:昨日丁度友達とそういう話になったんですけど、好きなものはあるはずなのに思いだせなかったんですよね。漫画とかもめちゃくちゃベタっすよ『SLAM DUNK』とか。

――では、歌詞が印象的なバンドやミュージシャンはいらっしゃいますか?

武井:スピッツとか。でも別に意識はしてないけど。あとはチェコ組んでしばらく経ってから、フジファブリックをすごくお奨めされて、聴いたらすごく良かったです。歌詞とかも今まで書いてきたものに通ずるようなところがあって。決して前向きじゃない感じが良いなと。前向きな歌詞も好きですけど、ぐっとくるのはどっちかと言ったらこういう方なんです。

――では、優心さんにとってのロックスターって誰ですか?

武井:それも話題に挙がったなぁ。見てくれから全部がかっこいいのはベックとか、あとはジュリアン・カサブランカスだったり。

――イケメン多いですね。

武井:イケメン好きなんで。

――チェコのメンバーがイケメンしかいないのもそこから?

武井:そういうわけじゃないですよ(笑)。

 バンドやめたらやることなくなっちゃうんで

――今回は8ヶ月ぶりの新作となりますが。コンスタントに曲は作っていたのでしょうか?

武井:そうですね。趣味がないので(笑)。

――無趣味なんですか?

武井:無趣味ではないんですけど(笑)。特にピックアップしてやる趣味はないんです。曲を作らないとバンドが止まっちゃうし。

――家ではずっとギターを弾きながら曲作りをしているんですか?

武井:ヒマな時はそうです(笑)。ツアー先に、かっこつけて録音機材やギターも持って行ったこともあるんですけど、作ったためしがないですね。

――曲を作るのは楽しいですか?

武井:楽しいです。曲を作るっていう行為は向いていると思うんですけど、歌うのが…。だから、人に提供したいです。

――誰かに歌ってもらったことはあるんですか?

武井:前にレコーディングにコーラスでタカハシマイって子に参加してもらったことがあります。彼女、すごく歌が上手なので。チェコでやったらかっこよすぎるだろうみたいな曲が出来たんで、ちょっと歌ってよって感じで録音したら、めっちゃ良かったです。俺、元々女性ヴォーカルでやりたかったんですよね。でも候補がいなくて。今も募集中です(笑)。歌える人がもう一人いたらいいなと。

――では最後に、バンドとしては今後どうなっていきたいのかをお聞かせください。

武井:自由というところは変わらないので、もっと大きくバージョンアップしていきたいなと思います。ライブをもっと増やして、大きいところでもやって、ツアーでもワンマンをやっていきたい。ワンマンにこだわりを持ってるわけじゃないけど、そういうのをコンスタントに出来ることが分かりやすい成功だと思うので。

――バンドはずっと続けていきそうですか?

武井:やることないんで…。やめたらやることなくなっちゃうんで(笑)。

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