宇宙のように可能性が無限だと思った
── CD1枚通してライブが想像出来る感じでした。ちゃんと起承転結があるというか。
中嶋：このアルバムは、曲順をライブのセトリみたいな感じにしようって言っていて、『フレミング』から『MATSURI』の流れとかも、ライブの最後で散らかして終わるような感じを描きながら順番を決めたので、ライブに来れへん人もライブを想像して聴けるようなアルバムになったと思います。
komaki♂：あとレコーディングでも、ほぼクリックは聴かずに4人「せーの！」で録っています。整いすぎた感じにはしたくなくて、出来るだけライブのような雰囲気を出すことを心がけたんです。
中嶋：『MATSURI』は本当にライブみたいにやりました。ネックウォーマーでヘッドフォンを固定して、頭ブンブン振って。うわーって叫んでるのも、その場で叫んで。
── 叫び声から始まって、最後のドラムもすごいことになってますよね（笑）。
komaki♂：ぐっちゃぐちゃですよね（笑）。
ヒロヒロ：私のベースもよくよく聴いたら荒いところはありますけど、それも良いなって。
── その勢いはちゃんとCDから伝わってますよ。ちなみに『フレミング』も一斉に録ったんですか？
中嶋：この曲だけはクリックを聴いてますけど、あとは一緒です。みんなで同じ部屋に入って。
── エンジニアの方に、録る際にアドバイスをもらうことはありました？
komaki♂：デジタルでいろいろ加工したり、他の音を貼り付けたり出来る時代ですけど、元にある音とかプレイをすごく大切にする方だったので、最初の音作りに何時間もかけて、あとのプレイは勢いで行ってっていう感じだったので、すごい良いエンジニアさんとやれたなと思ってます。
── 話し合いを重ねた？
komaki♂：音作りの段階では。けっこうそこに時間をかけたという感じです。
── 初の全国流通となるとプレッシャーはありませんでした？
中嶋：録ってて、これが全国に流通されるんやっていうのはありました。これがすごいことになるのか！ って。
komaki♂：これまではライブ会場と通販でしか売ってませんでしたから。
── でも、その会場限定で出していたCDは完売が続出したんですよね。
中嶋：前のバンドとかに比べたらライブが終わるといつも物販に人が並んでくれて、スタッフがいいひんかった時は片づけより先に物販に行ったりとかはありました。
── ということは、自分たちの音楽に手応えを感じていた？
中嶋：何かがあってドンという感じよりは、ジワジワという感じですね。
── こうやってインタビューしていて思いましたけど、みなさん楽曲とは対照的な人柄なのかな、と。それは、よく考えたらアーティスト写真からも滲み出てましたけど（笑）。
中嶋：メンバー4人仲も良いし、スタジオ入ってもこん詰めて練習しているわけでもないし（笑）、でもそれも良いところやと思うので。親しみにくい音楽やと思うので、なんとかカバーしていけたらと思ってます（笑）。
── その賑やかな感じがアルバムタイトルで言う“小学生”の部分になるんですか？ この『小学生と宇宙』はどんな意味を持たせてます？
komaki♂：小学生みたいな人間が、こういう音楽をしていることが、宇宙のように可能性が無限だと思ったんです。それで、小学生と宇宙を合体させたんです。
── これがtricotです、と。よく言う名刺代わりの1枚というか。
中嶋：自己紹介みたいな感じです。
komaki♂：ジャケの写真は大阪で活動しているカメラマンのおはぎちゃんという子の写真ですけど、ライブ写真とかセンスある子なんです。もしよかったらブログをチェックして下さい。
── デザインは？
komaki♂：デザインはスタッフの方にお願いしてますが、アートディレクションはメンバーでやってます。自主レーベルの社長がイッキュウで、グッズのデザインもやってます。
中嶋：次の自主企画では新しいグッズも販売する予定でいます。
── その自主企画“爆祭”が、4月8日に下北沢SHELTERで開催されますが、今回の3バンドはどう選んだんですか？
中嶋：前回下北沢SHELTERで開催した“爆祭”は、うちのドラムが指を怪我して出られなくて、急遽Scenarioartのドラム（服部久美子）に叩いてもらったんです。それで、「次の“爆祭”にはScenarioartで出て欲しい」と話をしていて、はるばる来てもらいます。THE★米騒動は呼びたいなってなって、Twitterを通して連絡したらOKしてくれて、SuiseiNoboAzは最近対バンしてかっこよかったので、そこで喋った時に「出て下さいよ」って言って出演してもらえることになりました。
── メンバーさんが直で言った。
中嶋：全員メンバー直ですね。
komaki♂：みんなが好きで、呼びたいバンドだけを毎回呼んでお祭りしてる感じですね。だから、自分らが一番楽しいんです。
── で、5月11日の京都MOJOと5月24日新宿LOFTで『小学生と宇宙』のレコ発があって、6月2日からは“小学生と行く！SPACE TOUR 2012 梅雨”も始まります。初めてのツアーだそうなので、初めて行くライブハウスもいっぱいありますし、楽しみですね。
中嶋：はい。新しい機材車も買いましたし。これがめっちゃかわいいんです。ただ、シートがめちゃめちゃ滑るんですよ（苦笑）。
komaki♂：昨日が水戸のライブだったんですけど、初めての場所で初めて見てもらうお客さんがほとんどの中、嬉しいことにCDいっぱい買って頂いたりとか、「また来て下さいね」という反応を頂いたんです。行ったことがない場所にどんどん行って、知らん人に会えるというか、見てもらえる機会がこれから増えていくのは嬉しいですね。
── では、最後に今回の作品とツアーに向けてひと言ずつお願いします。
中嶋：一緒に宇宙旅行しましょう。
── 壮大なプロジェクトですね。
キダ：頑張ります！
ヒロヒロ：続いて…頑張ります！
komaki♂：まさに小学生みたいなコメントやな（苦笑）。
── komaki♂さんは？
komaki♂：CDで頭から最後までぜひ聴いてもらいたいです。前までは物販で会場限定CDを売っていたので、CDを聴いてくれてはる人は一度は顔合わせてCDを手渡ししていたわけですけど、今回は、お店で自分らの目が届かないところで買っていかはるので、普段ライブにあまり行かないという方も会場に足を運んで頂きたいなと思います。
