森若香織と宍戸留美。日本を代表する2人の女性シンガーが新ユニット「魔性姉妹」を結成した。女性2人がフロントに立つユニットやグループはそれだけでテンションが上がるものだが、ソロアーティストとしても圧倒的な存在感を持つこの2人のユニットともなれば一体どんな磁場が発生するのか想像するだけでも楽しくなる。6月24日、ユニット結成のニュースが流れるとネットを中心に大きな注目を集めたが、魔性姉妹はどんな経緯から生まれたのだろうか?
森若香織(以下、K)「最初は私と留美ちゃんがSHELTERで対バン(?)しようという企画だったんです。それで一緒に何ができるかをミーティングをしている時に『じゃあ、ユニット作っちゃおうか?』と話が盛り上がって」
宍戸留美(以下、R)「最初はアンコールを一緒にやろうかという感じだったんですが、せっかくだからユニットにしちゃえ!って」
「姉妹」という設定が萌えポイントでもありますが…。
K「もっと前の話になるんですが、以前Twitterでやりとりしてた時に私が『一緒に何かできるといいね』ってつぶやいたら、留美ちゃんが『そうですね。魔性姉妹(笑)』って。それが始まりかな」
なんで「魔性」だったんですか?
R「もともと、香織さんと私は似てるなって勝手に思ってたんです。それと、以前サエキけんぞうさんに『森若さんは魔性なんだよ。君も魔性だね』って言われたことがあって、それで魔性姉妹に…(笑)」
K「確かにすごく共通する部分が多くて、例えば自分一人でフリーランスとしてやってる所、それも歯を食いしばってやってる感じじゃなくて、なんとなく周りの仲間や友達に助けられながら? お互いヘラヘラやってるみたいに見えるけど、実は強くないとできなかったりすると思うの。それが魔性の力なのかな?(笑)」
確かに森若さんも宍戸さんも交友範囲が広いことでよく知られている。このユニットも結成後、すぐに多くのクリエイター仲間が集まり「魔性姉妹プロジェクト」と呼ぶべき規模になった。
K「いろんな風に広がっていくといいかなって。これも二人に共通することだけど、音楽以外にも役者とか司会とかいろいろやってるので、何でもできるなって」
贅沢な大人の遊びにも見えるが、2人としてはただのお遊びにしたくないという強い思いがある。
K「なんで今、私と宍戸留美が一緒にやるのかという明確な意味がないと、見てる方もよくわからないと思うんです。キャリア的にもポジション的にも何を提示できるかが重要。3月11日の震災後、20年以上のキャリアの二人が一緒に何をやるのか? 例えばそれは、みんなが元気になって頂けるようなことを、具体的にやっていくことだと思う。それを一人じゃなく複数の仲間とやっていくことで、広がりもできる。二人ともメジャーとサブカルチャーを股にかけて…というよりは八方美人的にチョロチョロしている存在なんだけど、そういう特殊な人生を歩んできた私たちだからこそできる事があるんじゃないかな」
魔性姉妹の力はチワワパワー!
ちなみに留美さんは実際に魔法少女(※アニメ『おジャ魔女どれみ』の瀬川おんぷ役)でもありますね。
R「そうです。魔法少女やってました(笑)。おかげでドイツにも行けた」
K「私はセーラームーン(※実写版)のお母さん役だったけど(笑)」
今回、漫画家の児島都さんがイメージイラストを書いてますが、二人の肩に2匹のチワワが乗ってるのが魔法少女っぽくて印象的です。
K「そう、チワワパワー! 私も留美ちゃんも同じ頃に飼っていたチワワを亡くしているんです。それでしんみりして、じゃあ魔性姉妹はチワワ達からパワーをもらおう!って。私はチワワが死んだ時、自分の子供を亡くしたような感じになってすごく悲しかったんですが、今でも不思議と繋がってる感覚があるんです。だからそういう気持ちを魔性なりに伝えていきたいなって。今回被災された方達に対して、魔性のチカラとかサブカルとかそういうやり方の励ましもあると思うんです」
最後に魔性姉妹の今後についてそれぞれ聞かせて下さい。
R「今回、香織さんと一緒にやることで、また知らない誰かと繋がっていけると思うんです。そこがすごく楽しみ」
K「やっぱり、このユニットをやるからには、最初にも言った通り、ただ楽しむだけじゃなくて、今の立場から人のために何ができるかを考えたい。私たちは自分が何を欲しいかじゃなくて、誰かに恩返しをしていく時期だと思うんです」
是非2人には、魔性の力で日本を元気にして欲しいです。それではみなさん7月23日にSHELTERでお会いし魔性☆
(構成:加藤梅造)