昨年11月にシングル『カミカゼロード』でまさかのメジャー・デビューを果たし、バリバリの昭和ヤンキー・ルックと明るく激しい暴走パンク・サウンドで一躍脚光を浴びたJAPAN -狂撃- SPECIAL〈ジャパン・くるう・スペシャル〉が待望のファースト・アルバム『This is なめんなよ』を遂に完成させた。"なめんなよ"という彼らの精神的ポリシーが全編に貫かれた本作には、100年に一度の経済危機におののきながら漆黒の闇をさまよい続ける我々日本人の塞ぎがちな心に希望の光を突き刺す珠玉のナンバーがズラリ。後のことなぞ知るモンか、オマエの好きにやったれや! という何の迷いもブレも感じさせない豪直球かつ真摯なメッセージの数々が萎えた心をこれでもかとばかりに奮い立たせてくれる。カウンター・カルチャーとしてのロックの批評性と極上のユーモア・センスが実に理想的なバランスで融合したこの会心作の中に、今日のロックに欠落したもののすべてが詰め込まれていると言っても過言ではない。時代錯誤と揶揄されかねないその容姿も、パンキー(パンク&ヤンキー)サウンドにすべてを懸けたその心意気も、彼らは120%ガチだ。ガチだからこそ、彼らの実直な歌は五臓六腑に深く染み渡る。いつの時代も、本気の心にしか人の心は動かせないものなのである。(interview:椎名宗之)
あらゆる圧力やルールに屈したくない
──『カミカゼロード』、『朝日』という2枚のシングル発表、宮藤官九郎さん監督の映画『少年メリケンサック』への出演と露出の度合いが着実に高まっていますが、注目を集めている手応えはありますか。
ラン坊(g):まだまだやな?
なめんなよーかい(b):もっと注目してくれよ! とオレ達は思ってんねんけど。
キワメミチJUNZφ(vo):何はともあれこの『This is なめんなよ』やな。これを聴いてもらったらオレ達のシブさがようわかってもらえるんちゃうかな。
昭和過激(ds):ジャケットも今までの音楽界の歴史上、間違いなく一番カッコエエしな。
よーかい:なんとオレのお父ちゃんが描いたんです、このイラスト。
──エッ、そうなんですか!?
よーかい:ホンマにホンマに。お父ちゃんは絵を描くのが得意なんですよ。
過激:よーかいの父ちゃんは岡本太郎って言うて...。
──ああ、あの"太陽の塔"を手掛けた著名な芸術家ですね...って、ンなアホな(笑)。今回のアルバムは『朝日』の制作と並行して取り組んでいたんですか。
JUNZφ:そうですね。
──『朝日』のカップリング4曲は未収録という新曲たっぷりの大盤振る舞いですけど、曲は出来やすいほうなんですか。
よーかい:作り出したら早いほうなんちゃう? 悩むヤツもあるけどね。いつまでやっても出来ひん曲もあるし。
──ちなみに、本作の中で仕上がりに苦戦した曲というのは?
ラン坊:一番手こずったのは『No民』ちゃうん?
JUNZφ:そやな。かなり昔からあった曲なんやけど、やっとのことでスカのリズムにまとまったな。最初はハードコア調な感じで考えとって、でもなんかしっくり来なくて。
──『No民』は現代社会への批評精神に充ち満ちた大名曲だと思いますよ。
よーかい:うん、めっちゃサイコーな曲や。
──"Noと言える民になろう 一死民で終わるかい"という歌詞もイイし、最初と最後で畑を耕す音を入れてあるのも凝ってますよね(笑)。
ラン坊:あの音は、JUNZφの家の横にある公園でわめき散らしながら録ったんですよ(笑)。
よーかい:ちょっとした労働やな。怒髪天流に言えば『労働CALLING』や(笑)。
──記念すべきファースト・アルバムのタイトルは、皆さんの精神的支柱となる合言葉"なめんなよ"を冠したものにしようと最初から決めていたんですか。
よーかい:と言うか、それしかできひんのですわ(笑)。
──皆さんが提唱する"なめんなよ"の正しい定義について改めて聞かせて頂きたいのですが。
よーかい:要するになめられたらアカンっていうことやけど、実際オレらも世の中からなめられとるんですよ。いろいろあるでしょ、圧力やったりルールやったり。それに泣き寝入りせずにひとつずつ削除していく活動精神と言うか。イヤなもんはイヤと言いたいし、あらゆる力に屈服したくない。まァ、ケンカは弱いけど(笑)。
──『No民』の歌詞にもあるように、やはり"城の上から見とる奴ら"が一番腹立たしいですか。
よーかい:そうやねェ。身近で怒りを感じても、大きな目で見たら世の中のせいでそうなっとることが多いから、そんな世の中を作っとる奴らにもうちょっと何とかしてもらわな困るし。どないもできひんのやったらオレらが代わりにやったろかい!? っていう話ですよ。
もっともっと声を上げていかなアカン
──『愛・愛・愛 OH! My レディpart II』以外はお上に物申す的な威勢の良い歌詞ばかりですよね。
よーかい:"お上"だけじゃなく"おカメ"にもな(笑)。まァ、オレらはずっと雑魚扱いされてきたしな。他のみんなはどうかわからへんけど、ちっちゃい頃にクラスで影響力のある奴が「アイツは気に喰わんから仲間に入れへん」言うて、そいつの取り巻きや子分が自分の意見もナシに従うのはおかしいとオレは思うとってん。学校を出て働き出してもそうやし、みんな同じ顔しとるし。大人になると社会のシステムに従うから余計にタチ悪くて、自分ひとりの力だけじゃどないもできひん。でも、どないもできひんけど、声を上げることはできる。それがオレらの音楽やな。
──日本中にくるうの音楽が浸透すれば、さぞ風通しのイイ世の中になるだろうと僕は本気で思いますよ。
よーかい:うん、オレらも本気でそう思います。
──どの世界にも失言して非難されるケースがありますけど、非難を恐れる余りに言うべきことをちゃんと言えない萎縮状態になるのも良くないと思うんですよね。
過激:失言言うても、特定の言葉だけを引っ張り出して大袈裟に受け取るってことがまずおかしいでしょ。前後の話の流れを汲み取って何か言うんやったらまだわかるけど。だからそういうとこでも圧力と言うか縛りがあるんやないですかね。みんなちょっと過敏すぎるんちゃうかな。言いたいことを明るく言えるような、もっと開けた世の中になるとエエなと思いますね。
よーかい:うん、せやからオレらはもっともっと声を上げていきますよ。なかなか言えんようなことでも、楽しくポップに言えたらエエなと思ってますけど。まだまだそれができてへんし、まだまだ充分に言えてないんですよ。
過激:もっときわどいとこも攻めていかんとな。
──話を伺っていると、そのルックスとは裏腹に...と言ったら失礼ですけど(笑)、至って思慮深いことがよくわかりますね。"金とドタマは使いよう"と唄われる『マネーゲーム』からも皆さんのそんな一面が窺えますが、この曲はよーかいさんが作詞を手掛けているんですよね。
よーかい:まァ、金とドタマがどうのとか何回も言うとったらイヤらしいかな? とも思うけどな(笑)。イヤなことして儲けるよりも、したいことして儲けるのってエエやろ? っていうオレの意見やねんけど。
──ほとんどの曲の作詞を手掛けるJUNZφさんから見て、よーかいさんの歌詞はどうですか。
JUNZφ:うまいこと書いとるんやないですかね? まァ、この書き方はオレにはない言い回しやけど。
よーかい:逆にオレから見たら、JUNZφが書いとることをオレも感じとることが多いし、結構似とるんちゃうかなと思うけどな。
──ラン坊さんと過激さんが歌詞を書いたりすることは?
ラン坊:ないですね。
JUNZφ:ラブレターくらいかな?(笑)
ラン坊:それはいっぱい書いたわ(笑)。
よーかい:"ヤらせてくれ!"って書いてるヤツな(笑)。
過激:オレも歌詞は書いたことないけど、今は何か思ったら書き留めるようにしてて、今後は作っていこうと思ってます。
JUNZφ:お、頼む! オレが歌詞を書かんでもエエようにしてくれ!(笑)
──やはり生みの苦しみは半端じゃないですか。
JUNZφ:大変ですね。オレの中では一番大変な作業ですよ。言いたいことは一緒やけど、どう書けばエエか迷うんすよ。曲が先やから、そこにハメるのも難しいし。
海外で"くるうパーマ"を流行らせたい
──くるうをまだ聴いたことのない人が『No 1』や『KICK IT UP』を聴いたら、その凄まじいポップさ加減に少々面喰らうんじゃないですかね。『No 1』はくるう流『GET THE GLORY』的な趣きもあるし。
よーかい:『No 1』、オレもめっちゃ気に入ってますよ。
過激:曲ごとにレベル付けてく? この曲は初級編、中級編はこれ、とか(笑)。
よーかい:そやな。最高レベルはホモ級編でな(笑)。
過激:それ、どれよ?(笑)
よーかい:いや、わからへんけど(笑)。もうオレらのことを好きすぎる人のレベルやな(笑)。
過激:まァ、速い曲を聴き慣れてない人なら『なめんな音頭』とか『No 1』やったらサラッと気持ち良く聴けるんちゃうかな。
──『なめんな音頭』はまさに日本人にしか体現できない土着的なロックンロールですよね。
JUNZφ:うん、そこは結構意識しましたね。
よーかい:これから全国の夏祭りで流れるようになったらエエなとオレは本気で思ってますけどね。日本の新しい盆踊りのテーマ・ソングとして。
過激:この曲を野外フェスでやってみんなが大盛り上がりしてくれたら、ホンマ気持ちエエやろなァ...。オレら、ドリフのコスプレしてな(笑)。
JUNZφ:オレらはコスプレして踊るだけで、CDをそのまま流したらエエんちゃう?(笑)
──そんな、アイドルのコンサートじゃないんですから(笑)。
よーかい:オレらも最終的にはそうなるつもりなんで(笑)。
──でもホント、『なめんな音頭』はくるうのような純国産バンドが放つ純国産の極みのような歌ですよね。海外のバンドには到底成し得ない芸当じゃないですか。
JUNZφ:外国でやりたいですね、この歌。日本人って一発でわかるやろうしな。
よーかい:せやな。外国で"ジャパン・くるう・パーマ・スペシャル"(通称:くるうパーマ)を流行らせたいな。
過激:外国の映画で空手をやる奴とかたまにおって、型とかむっちゃヘコくて恥ずかしいやん? それと同じように、外国の人が盆踊りとかやったらむっちゃ恥ずかしいかもしれへんな(笑)。
よーかい:オレらがシブく踊ったら、向こうの人も"シブい!"って真似するんちゃう?(笑)
──ハラキリ・サムライ的な勘違いになりそうですけどね(笑)。それにしても、本作の収録曲の中ではやはり『愛・愛・愛 OH! My レディpart II』が異色中の異色ですよね。まさかこんな臆面もないラブ・ソングが聴けるとは(笑)。
よーかい:いきなりね。どう考えても頭おかしいですよ(笑)。
──"part II"と題されているということは、"part I"もあるんですよね?
よーかい:あるんですよ、実は。"part I"は男のモヤモヤを赤裸々に唄った歌なんです。
JUNZφ:この"part II"は改心してマジメになった歌ですね。
──"part I"はラン坊さんがラブレターに書いていたような内容というわけですね(笑)。
よーかい:そうですね(笑)。でも、"part I"もサイコーの曲ですよ、ホンマに。ただ、この"part II"はコーラスで"愛・愛・愛"って唄うんですけど、速すぎてむっちゃ唄いにくいんですよ。オレ、滑舌悪いし(笑)。
デカくなっても雑魚は雑魚のまま
──"今のオレ達見てみろや 気持ち一つで向きは変わるぞ"と唄われる『バトル オブ ライフ』は凄く元気をもらえる曲ですよね。この曲を聴くと、ショボクレてる場合じゃないし、まだまだ突っ走っていかなければと素直に思えます。
よーかい:いきりまくっとるでしょ?(笑)
JUNZφ:こんなしょうもないオレ達でも何とかやれてるんやから、っていうな。
──自分が心底打ち込めるものにすべてを懸けていれば道は必ず拓けるという、凄く希望に満ちた曲だと思うんですよね。
よーかい:まァ、そこまで重く考えんでも、ただ自分のしたいように楽しくやっとったらそんなに苦しい人生にはならへんと思うねんけどね、オレは。
──100年に一度の経済不況と言われる先行きの見えないご時世だからこそ、こういう歌が余計に心に響くんじゃないですかね。
JUNZφ:心の隙間に入り込んで売れよかなと思うてますけど(笑)。
──まさに隙間産業ですね(笑)。
よーかい:キャッチフレーズは"あなたの心の隙間、お埋めします"やな(笑)。
──それじゃ『笑ゥせぇるすまん』ですよ(笑)。
過激:でも、こんな不況の時代やから何かに頼りたいとか思うんかな、民達は。
JUNZφ:不況になるとロックが売れる説があるよな。
──大不況の嵐が吹き荒れた70年代後半のロンドンでセックス・ピストルズが脚光を浴びた例もありますしね。
よーかい:仮に何かに寄り掛かりたくなったとしても、オレ達には寄り掛からんとってくれと言っときたいですけど(笑)。
過激:何もしてあげられへんしな。
──でも、"こんな時代こんな世界 だけど泣くなよ 大丈夫 大丈夫"(『マネーゲーム』)と唄われると聴き手は凄く励みになると思いますけどね。
過激:まァ、励みになってくれたら素直に嬉しいな。
JUNZφ:聴いてくれる人達に向けて唄ってもいるし、自分らに向けて唄ってもいるし...結局みんな雑魚やしな(笑)。
よーかい:そうそう。オレ達まだまだ雑魚やから。
過激:言うなれば、国民的雑魚やな(笑)。
よーかい:雑魚の代表やな。雑魚中の雑魚や(笑)。それ押していこう(笑)。
──雑魚は雑魚のまま、大魚にはなりたくないですか。
ラン坊:デカい雑魚にはなりたいですね。デカくなっても雑魚は雑魚なんですよ。
過激:多分、大魚になる方法なんてないんちゃいますか?
──『CRAZY HERO』の中にも"今オレ達の夢が叶うならば子供でいさせて下さい"という歌詞がありますよね。
よーかい:そう、雑魚でも誰でもヒーローになれるんですよ。雑魚だろうが何だろうがしたいことして言いたいこと言うて、人前で堂々とできていれば、その瞬間は主役になれるんです。普段は雑魚やけど。
──皆さんで言えば、バンドをやっている瞬間は主役になれると。
よーかい:うん、雑魚の代表のつもりになってバンドをしとる時はね。
JUNZφ:"子供でいさせて下さい"っていう一言は、結構書くの悩んだんですけどね。
よーかい:いろいろ相談してな。でも、あの最後の一言は大事やと思うけどな。
──ピュアな心を忘れるな、っていうことですよね。
よーかい:お、エエこと言うてくれた。
JUNZφ:それがパンク・ロックやと思うしな。
──歳を重ねるに従って、ピュアな心を保ち続けるのは難しくなっていきますけど...。
よーかい:そもそもピュアな気持ちって何なん?
過激:素直な気持ちとちゃう?
よーかい:せやな。当たり前に思うことを素直に言うっていうだけの話であって、それを言われへんからみんな知らん間にピュアな気持ちを忘れていってまうねん。だから忘れてまわんように、言ったりやったりしていかんと雑魚中の雑魚になるわな。そんなことを雑魚達にわかってもらえるように、雑魚の代表としてこのバンドを続けていきたいな。たとえばオレらが怒髪天のライヴを見て感動するみたいに、オレらのライヴを見た人が何かを感じてくれたら一番エエけどな。
したいことをするのが楽しく生きる秘訣
──でも、ピュアな気持ちがなければ『朝日』のようにエモーショナルな曲は生み出し得ないと思いますけどね。
よーかい:そんなことを言われると、ホンマは悪いこといっぱいすんのに...とか思ってまうな(笑)。
過激:ピュアって言うんが素直っていう意味なんやとしたら、全員が全員持ってる心でしょ? ただ素直にしてないっていうだけで。ということはできるっていうことなんやから、やりたいことをなんで素直にせェへんの? って思うな。
──ただ、皆さんにとってはバンドという一心不乱に打ち込める対象がありましたけど、飽きずにずっとやり続けられることを見つけ出すのはなかなか難しい時代のように思えるんですよね。
ラン坊:難しいもんでも簡単なもんでも、見つけたほうが絶対にイイから。見つけてくれ(笑)。
よーかい:そんな大きなこと考えんと、人から見たらしょうもないことでもやりたいことをしたらエエと思う。(落書きをしているJUNZφを指さして)たとえばこの落書きでもエエと思うし。
──くるうのマスコット・キャラクターである"なめぞう君"もそんな落書きから生まれたんでしょうしね(笑)。
よーかい:そう、どっから何が起こるかわからへんし。人を笑わすでも何でもイイから、したいことをするっていうことが楽しく生きる秘訣ちゃうかな。
過激:自分のできひんことはできひんしね。大袈裟なことを考えんでも、身の回りのことから考えれば何かしらあるんやないですかね。"友達を大切にする"とか"仕事を頑張る"とかでもエエやろうし。絶対何かあるはずやし、何もない人間なんておらへんし、そんなの人間やないでしょ? オレらだってたまたま身近に楽器があって、バンドを組んでここにおるだけやから。それでも今も雑魚のままやし。
──いや、めちゃくちゃシブい雑魚ですけどね(笑)。『朝日』の中に"INSTANT NIGHT"という言葉がありますが、"INSTANT NIGHT SPECIAL"というイヴェント・タイトルにもなっていましたよね。
過激:"INSTANT NIGHT"って、『朝日』の元のタイトルだったよな。
JUNZφ:そうやな。完全な造語ですね。ホンマにあるんすかね、こんな言葉。
過激:そんなんでエエと思うんです、オレ。ちゃんとした文法なんて意味ないし、日本人がわかれば直訳でも何でもエエんですよ。それを文法的にどうこう言う奴はアホちゃうか? と思うわ(笑)。
よーかい:勉強して学校の先生になれやと思うよな(笑)。「このインテリのくせに!」って思うわ。オレらは「このアホのくせに!」ってよく言われるけど(笑)。
過激:そのほうがエエよな。英語ができひん奴のほうが面白い造語も生まれるやろうし。
ホンマのカッコの付け方を教えたるわ
──『朝日』でアルバムを華々しく締めるのは満場一致だったんですか。
JUNZφ:そうですね。頭は『カミカゼロード』でケツは『朝日』っていうのは決まっとったよな?
よーかい:うん。『朝日』は最後っぽいし、締めはこれやろと。
ラン坊:最後にピッタリやけど、ここからまた何かが始まる感じもあるしな。
よーかい:そやな。最後に"つづく"って表示が出る感じやし。まァ、頭とケツはエエとして、曲順決めんのは難しかったなァ...。
──でしょうね。潔いほどの全編ぶっちぎりナンバー、ミディアムな曲皆無ですし(笑)。でも、よく練られた曲順だと思いますよ。『命花〜MIKOTO BANA〜』のような名曲を『朝日』の前にさり気なく置くとか。
よーかい:最後に終わる前にちょっと泣かしとこか? みたいな(笑)。
──『命花〜MIKOTO BANA〜』は歌詞も素晴らしいですね。"つっぱるのなら自分自身に勝て 逃げ出すことは誰にでもできることだ"っていう。
JUNZφ:でも、深読みすると逃げ出すこともかなり難しいことやなと思うてね。まァ、録った後やしもうエエわと思ったんですけど(笑)。
よーかい:エエんとちゃう? 和のメロディの泣ける歌やし、みんなでも唄えそうやし。
──曲作りで意識しているのは、そういう和のメロディみたいな部分ですか。
JUNZφ:そうですね。日本人の琴線に触れる感じを大切にしながら独自のもんにしたいと思ってます。
よーかい:それがくるう節やな。オレ達にしかできひん音楽や。
JUNZφ:"セックス、ドラッグ、ロックンロール"っていうスローガン自体が欧米文化の真似事だから、まずそれを変えたいんですよね。
よーかい:オレ達ならさしずめ、"シコ、健康、盆踊り"やな(笑)。
──ははは。盆踊りなり音頭っていうのは我々日本人のDNAに刻み込まれたものだから、否応なく血湧き肉躍りますよね。
JUNZφ:そうですよね。そこは結構打ち出したかったんですよ。
よーかい:カッコ付けとる奴ら以外はノッてくれるやろ。ホンマのカッコの付け方をオレらが教えたるわ(笑)。
──こうして渾身のフル・アルバムを完成させた後に成し遂げたいことはどんなことですか。
よーかい:オレらみたいなのが注目されれば音楽シーンはもっと楽しくなっていくと思うし、オレらの音楽をもっと浸透させたいですね。あと、今度やるツアーは10代のクソガキにいっぱい来て欲しい。その10代のガキどもにこのパーマを流行らせて、これが今一番ナウいっていうのを知らしめたい。オレら自身がガキどもにとってのカッコイイ基準になりたいな。
JUNZφ:"ナウい"って言葉を使ってる時点でもうアカンやろ(笑)。