Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューPULLING TEETH presents『抜歯十番勝負』三本目敢行記念座談会('08年6月号)

PULLING TEETHが新たな高みを目指して挑む、選び抜かれたメンツとの真剣勝負!

2008.06.01

昨年結成10周年を迎え、ホームグラウンドである新宿ロフトでの初ワンマンを大成功のうちに終えたプリング・ティースが、11年目に向けての新たな挑戦と言うべき"真剣勝負"を今年の3月から繰り広げている。『抜歯十番勝負』と銘打たれたこのイヴェントは、新宿ロフトで月に1回のペースで、普段は余り交流のない精鋭のバンドと組んず解れつのすてごろ勝負をするというもの。「どこのボクシングのタイトル・マッチで自分より格下の選手と戦う試合がある? プリングよりもいろんな意味で優れてるバンドとやってこそ、やれてこそ勝負なんだ」というSUZUKIの言葉通り、まさに対バンは多種多様。三本目となる『抜歯十番勝負』では盟友・マイライトが対抗馬として名を連ねているが、ケタ外れに異色なのはやはりマキシマム ザ ホルモンの存在だろう。イヴェントの趣旨からこの3組の関係性、当日の見所、果てはバンドを続けることの矜持に至るまで、3組の顔役にざっくばらんに語り倒してもらった。(interview:椎名宗之)

柱の影からこっそりライヴを見ます

──今年のプリング・ティースは、新宿ロフトで『抜歯十番勝負』という連続企画を展開していくということで。

SUZUKI:ええ。でも、その話は去年ワンマンをやる時のインタビューで話しませんでしたっけ?

──現場では話して頂いたような気もしますが、インタビューが掲載された2007年10月号では初のワンマンに話が特化していたんですよ(笑)。

SUZUKI:ああ、そうでしたか。あれ、こんなのがあるんだ?(と、手元にある『抜歯十番勝負』の企画書を見る)

──"去年2007年に結成10周年を迎え、史上初のワンマン公演を新宿LOFTで行ない見事成功を収めたプリング・ティースが、この10年を伝説にするべ打ち出した企画"と書いてありますが...。

大塚智昭(新宿ロフト店長):この企画書は僕が勝手に作ったんですよ(笑)。

SUZUKI:まぁ、東京だけでライヴを10本やってみて、何かが変わるかなと思って。変わりたいなと。

──"この『抜歯十番勝負』を機に、混沌としたこの世界に喝を入れる"という強い意気込みも記されていますね。

SUZUKI:マジっすか!? 店長が適当なことを書いてるだけですよ(笑)。

──その『抜歯十番勝負』の三本目がマキシマム ザ ホルモンとマイライトということなんですが、マイライトはともかく、プリング・ティースとマキシマム ザ ホルモンは意外すぎる組み合わせですよね。

ダイスケはん:実はきちんとお話するのは今日が初めてなんですよ。前に一度、サイクロンかどこかでプリングのレコ発があってお誘いを受けたことがあるんですけど、その時も"マジで!?"と思いましたよね。SUZUKIさんにしろアサノさんにしろ、僕らからしたら大先輩ですから。今回もこうしてお誘いを頂いて、もう滅相もないという感じです。僕らみたいなのが出させてもらっていいんですか!? って言うか。ホントにありがとうございます!

SUZUKI:いえいえ、こちらこそ(笑)。

──マキシマム ザ ホルモンはライヴのSEにスペース・コンバインの「MARCHING MINT FLAVORS」を使っているくらいだから、アサノさんとダイスケさんは以前から繋がりがあったんですよね?

アサノ:俺がまだスペース・コンバインをやってた頃、ツアー先で一緒だったのが最初だよね。

ダイスケはん:そう、岡山のペパーランドでしたね。スペコンのファーストが出てた時だから、'97、8年とかでしたよね。

アサノ:そうか、もう10年も経つんだなぁ...(笑)。

ダイスケはん:それ以来のお付き合いでして、終電がなくなったからって勝手にアサノさんの家に泊めさせてもらったりして...今考えるとだいぶ図々しいですよね(笑)。

アサノ:そんなんあったね、そう言えば(笑)。

──じゃあ、いずれ共演する伏線みたいなものは何となくあったわけですね。

ダイスケはん:プリングとマキシマム ザ ホルモンを結ぶ直接の接点はなかったけど、アサノさんのマイライトだったりガーリック・ボーイズだったり、お互い共通の繋がってるバンドはいたんですよね。ただ、そこがなかなかトライアングルにならなかったんですよ。

──SUZUKIさんはマキシマム ザ ホルモンに対してどんなイメージを抱いていましたか。

SUZUKI:それを、今度の『抜歯十番勝負』三本目で拝見しようと思ってるんです。

ダイスケはん:エエッ、マジっすか!?(笑)

SUZUKI:うん(笑)。柱の影からこっそりと見て...。

ダイスケはん:そんな、星飛雄馬の姉ちゃんじゃないんですから(笑)。

──逆に、ダイスケさんはプリング・ティースに対してどんな印象を持っていますか。

SUZUKI:ないですよね? そんなの。そんなベタ質問しちゃいけませんよ(笑)。

ダイスケはん:ご本人を目の前にして話すのはだいぶこっぱずかしいんですけれども、ベイサイドジェニーでやった『KILL FEST』でプリングのライヴを拝見させてもらったことがあって...。

SUZUKI:あれかな、タトゥー・イヴェントとかと組んでやったヤツ?

ダイスケはん:あれです、caramellとかゆーこときカズとかが一緒に出てた時のイヴェントですよ。とにかくプリングにはどんどんどんどんシーンを切り開いていってるイメージが僕は一番あって、長くこのシーンに携わってる先輩だからこそ出せる音でありライヴをぶちかましてる印象があります。それを今度のロフトでも見られるし、一緒のステージに立てることは凄く光栄なことやと思ってます。

SUZUKI:ありがとうございます。まぁ、ステージに立てば先輩も後輩もないですけどね。


数字でバンドをしてないので

──マイライト先輩に対してはどんな印象を?

ダイスケはん:これまたご本人を前にして言うのは凄く照れくさいんですけど、よくこうしたインタビューで「好きなヴォーカリストはいますか?」と訊かれた時に必ず答える人が2人いるんですよ。それはパンテラのフィル・アンセルモと、日本人のミュージシャンならアサノさんなんです!

アサノ:後でガリガリ君奢るわ(笑)。

ダイスケはん:ガリガリ君を買ってもらって、当たりが出たらアサノさんに差し上げますよ(笑)。でもホント、アサノさんには影響を受けてるし、ベースのミウラさんとは同じライヴハウスの系列店でバイトしてたんですよ。一緒にやったライヴの回数は少ないですけど、何やかんやと絡みがあるんですよね。マイライトは、僕らには出せない渋みの効いた大人のロックをブチかましてる印象です。

──今の話を聞くと、ガリガリ君を100本くらい用意しないとダメですね(笑)。

アサノ:100本じゃ効かないですね(笑)。こんなに有り難い言葉を頂いちゃって。

──『抜歯十番勝負』の対バンは、SUZUKIさんの意向で決めているんですか。

SUZUKI:いや、俺はライヴをやりたいって言っただけで、対バンに関してはスタッフのパンサー二代目調子朗が走り回ってくれてますね。

──ロフトでは恒例の『酒サマー』とも一線を画したものなんですよね?

SUZUKI:そうなんでしょうね。普段は余り一緒にやる機会のないバンドとやれるのがミソなのかなと。

──接点のないバンドと敢えてぶつかることで、バンドに新風を送り込みたいと?

SUZUKI:ちょっとくらいはいいじゃないですか(笑)。同じことばかり続けても意味がないと思うし。

──マキシマム ザ ホルモンがロフトに出演するのも滅多にないことですよね。

ダイスケはん:そうですね。今度で3回目になるのかな? ほとんど出たことがないのでドキドキしてますね。ロフトって聞いただけでピリッとするところがあるし、日本のロックの登竜門的存在じゃないですか。シーンで活躍する大先輩を数多く輩出してるライヴハウスやし、そんな由緒正しき場所に我々みたいなバンドが出るなんて...。

──大塚店長もダイスケさんにガリガリ君を100本買ってこないと(笑)。

大塚:そうですね、『抜歯十番勝負』三本目の時までに用意しておきます(笑)。

SUZUKI:ホルモンって、もう何年くらいやってるんですか?

ダイスケはん:僕らは今年で10年です。

大塚:お、じゃあプリングと一緒じゃないですか!

SUZUKI:いや、プリングは今年で11年目。

大塚:そうでした(笑)。プリングが辛うじて1年先輩なわけですね。マイライトは?

アサノ:5年くらいだったと思われます。あんまり、数字でバンドをしてないので。

ダイスケはん:その発言、めっちゃ格好いい! 俺もSUZUKIさんからの質問にそう答えれば良かった、「数字でバンドをしてないので」って(笑)。次からその手の質問にはそう答えます(笑)。

──PULLING TEETHも数でバンドをやってない印象が強いですが。

SUZUKI:いや、俺は去年10周年だってダーッと言ったつもりなんですけどね。その手前でズッコケた感じかな(笑)。

大塚:全然ズッコケてなかったですよ。去年の10周年記念初ワンマンも、結成からの10年を振り返るライヴじゃなかったですからね。あくまでこの先を見据えた通過点でしかなかったと思いますよ。

──十年一昔とは言え、きっと"やりたいからやり続けてきただけ"ということなんでしょうね。

ダイスケはん:まぁ...数字でバンドをやってるつもりはないんで。

アサノ:ははははは。早速被せてきたな(笑)。

ダイスケはん:使うなら今しかないと思ったんで(笑)。まぁでも、10周年だからと言って"10周年だよ、イェーイ!"みたいなことは特に考えてませんけどね。

──ロフトはアニヴァーサリー好きなライヴハウスですよね。今年の春は小滝橋から歌舞伎町に移転して9周年というハンパなアニヴァーサリーでしたけど(笑)。

大塚:今年9周年をやったので、来年は10周年イヴェントを敢えてやらないでおきましょうか?(笑)

ダイスケはん:今年9周年ということは...(急に偉ぶって)ロフトは僕らの後輩に当たるわけですねぇ(笑)、なるほどなるほど。

大塚:まぁ、数字でライヴハウスをやってるつもりはないんで(笑)。

今のうちから"肝トレ"でキャンプイン!

──プリング・ティースやマイライトとのガチンコ勝負ということで、マキシマム ザ ホルモンはそれ相応の気合いの入ったセットリストで臨む感じですか。

ダイスケはん:まぁ、そういう気負いがないと言えばウソになりますよね。でも、やるからには全力でぶちかましたいですし、さっきSUZUKIさんも仰ったようにステージでは先輩も後輩もないですから。

──ちなみに、マキシマム ザ ホルモンの皆さんは大酒呑みなんでしょうか?

ダイスケはん:いや、みんな余り呑まないですね。

SUZUKI:ああ、そうなんだ?

ダイスケはん:まぁ、それは今度の『抜歯十番勝負』に参加させて頂くにあたって大きな不安要素のひとつなんですけど(笑)。

──プリング・ティースのライヴで余り酒を呑まないバンドが参加するのも珍しいのでは?

SUZUKI:いや、そんなこともないと思いますけどね。

大塚:呑めないバンドも結構いますよ。でも、最終的には呑まさ...いや、呑む(笑)。

ダイスケはん:ああ......はいはいはい。これかぁ!(笑)

SUZUKI:いやいや、そんな酒を強制するノリなんてないですよ。

大塚:...そ、そうですか?

アサノ:まぁ、昔に比べたら、ってことでしょう(笑)。

SUZUKI:だって俺、人に呑ませる前に自分でガンガン呑んで、勝手に潰れてるもん。

ダイスケはん:じゃあ、なるべくSUZUKIさんに「どうぞどうぞ」って酒を勧めていればいいですかね?(笑)

アサノ:うん、その手は有効かもしれないな(笑)。

SUZUKI:俺を先に潰せば、みんなもう楽しく呑めるから。俺なんて、先に潰されて寝たまま逆立ちさせられてるんだよ? そんな姿でみんなと一緒に記念撮影させられてるんだからさ(笑)。捕らえられた宇宙人みたいに足を掴まれてるんだから、酷いよ(笑)。

──そもそも、樽酒が事前に用意されているライヴなんて、プリング・ティース以外には有り得ないですよね(笑)。

大塚:ロフトでは他に有り得ませんからねぇ...。

ダイスケはん:樽酒なんて僕、記者会見以外で見たことないですよ!(笑)

大塚:7月の『酒サマー』には確実に樽酒がありますよ。

ダイスケはん:その樽酒、ライヴが終わる頃には全部なくなるんですか?

大塚:いやいや、開場時間内になくなりますよ(笑)。

ダイスケはん:エエッ!

SUZUKI:最初のバンドが始まる頃には1個目の樽酒がなくなっちゃうよね。

大塚:なくなりますね。年々なくなるペースが早くなってますよね。年末の『酒ナイト』は2個樽酒を用意したんですよ。1個目は案の定すぐになくなったから、もう1個はプリングのライヴが終わった後に開けたんですよね。

ダイスケはん:はぁ......。そこに関しては、SUZUKIさんが僕らのライヴをこっそり見るように、僕は皆さんが楽しく呑んでる姿を星明子のように見守ってますわ(笑)。

大塚:そう言えばこの『抜歯十番勝負』、毎回お客さんに振る舞いのフードを出してるんですよ。来てくれた皆さんに感謝を込めて。

ダイスケはん:そのフードは僕らも食べられるんですか?

大塚:もちろん、是非食べて下さいよ。

ダイスケはん:おお! 俄然やる気が出てきましたよ!(笑)

アサノ:ポイントはそこかい!(笑) まぁ、今のうちから"肝トレ"をしといたほうがいいよな。ぼちぼちキャンプインしないと(笑)。

ダイスケはん:キャンプイン!(笑) じゃあ身体を作っておきますよ!

──アサノさんの"肝トレ"は万全なんですか?

SUZUKI:こいつは四六時中呑んでるから、今さら鍛える必要もないんですよ(笑)。

大塚:アサノさんはプリングのイヴェントで毎回朝まで残ってくれますよね。アサノさんの凄いのは、とにかく寝ないでずっと呑み続けてることなんですよ。

アサノ:まぁ、そうなることが多いですね、お恥ずかしながら...。

──SUZUKIさんは何度か潰れて、その度に復活してるとかですか?

SUZUKI:いや、復活はしないですね。寝たらそこで終わりですよ。

大塚:SUZUKIさんはちゃんと店の閉店時間(午前4時)には帰りますからね。

アサノ:それじゃ俺が「早く帰れよ」って言われてるみたいじゃん(笑)。


純粋に音楽が好きだから続けてこれた

──こうして連続性のある意義深いイヴェントなら、ライヴだけで終わらせるのはもったいないですね。ベスト・トラックをピックアップしてCDやDVDとして発表するのも面白そうですけど。

SUZUKI:そういうことは、『抜歯十番勝負』を始める前に言ってくれればいいじゃないですか!

──ああ、それは失礼しました(笑)。

SUZUKI:三本目からじゃ『抜歯七本勝負』になっちゃいますよ。じゃ、あと三本追加しますか?(笑)

大塚:でも、今までに録り溜めたライヴをDVDとして出す計画があるんですよね?

SUZUKI:そう、目下編集中なんですよ。もう1年以上編集してるんですけどね(笑)。去年の段階で9割方は完成していたんですけど、ロフトの『count 10』とサイクロンの10周年記念ライヴの映像を追加してチェックしてる状況なんです。昔のエレキ・ベースを使ってる映像なんかも入ってるんですよ。

大塚:アルバムは年明けになりそうですか?

SUZUKI:いや、まだ判らない。もちろん早く出したい気持ちはあるんだけどね。

──今日が初対面ということですが、折角ですからプリング・ティースとマキシマム ザ ホルモン、それにマイライトという布陣で"3WAY SPLIT"を出してみるのもアリなんじゃないですか。

ダイスケはん:いやいやそんな...滅相もない!

SUZUKI:まぁ、スプリットの前にまずはこれですよ(と、ダイスケはんに向かってグラスで乾杯する仕草をする)。

ダイスケはん:そんな、チーン!ってこじゃれた乾杯で済むわけないんでしょうから(笑)。

──マイライトは新作の準備とかは?

アサノ:いやぁ、からっきし止まってますねぇ。曲はぼちぼち出来てきているので、いずれまとまった形にして出したいとは思っておりますが。

──マキシマム ザ ホルモンはシングルが発表されるんですよね。

ダイスケはん:そうです! 『爪爪爪 / 「F」』っていう両A面シングルが7月9日に出ます。

──3組ともそれなりのキャリアを積んできて、地に足の着いたマイペースな活動を続けていますよね。

SUZUKI:まぁ、個人的にはよく10年もバンドを続けてこれたなっていう思いがあって、それで去年は大々的に10周年と銘打ちたかったんですよ。その前のバンドは2、3年で終わっちゃったから余計に。

──以前のバンドと違って、プリング・ティースを10年続けられたのはなぜだと思いますか。

SUZUKI:うーん、なんでですかね。

大塚:それはやっぱり、泰治さんと智也さんの存在があったからこそじゃないですか?

SUZUKI:そうだね。あと、それなりに成長したからじゃないですか? 若い頃はバチバチで互いに意見を言い合うだけだけど、それがだんだんと相手の意見を聞き入れられるようになってくる。まぁ、その意見もだいたいは抜けていくんですけど(笑)。でも、そういうのがあって少しはうまくやれるようになったんじゃないですかね。

──10周年を迎えたプリング・ティースの力量が、この『抜歯十番勝負』で問われる部分もありますよね。

SUZUKI:それは十本終わってみないと判らないですね。俺たちとしては普段有り得ない相手と一本一本真剣勝負をするだけですから。

──愚問だと思いますが、バンドを長く続ける秘訣みたいなものってありますか。

ダイスケはん:これは我々マキシマム ザ ホルモンの信条と言いましょうか...数字でバンドをやらないということですかね!(笑)

アサノ:どっかで聞いたことあるなぁ...(笑)。

──20代後半、30代に突入する前につまずくことが多いなんてよく聞きますけれど...。

SUZUKI:俺は30歳でプリングを始めたんですけど、そういうつまずきはなかったですね。ただ、当時は自分よりも年下のメンバーがほとんどだったんで、ロック・バンドっていうのはこういうもんだとばかりに格好付けたがるじゃないですか? それがヘンな方向に飛び火して、活動の妨げになったりすることはありましたね。まぁ、自分は純粋に音楽が好きだったから、こうして続けてこれたんですけど。

アサノ:マイライトは長く続いてるような、いないような感じだから偉そうなことは言えないですけど、敢えて秘訣を言うなら...『BANDやろうぜ』を熟読することですかね?(笑)

──あいにく廃刊になりましたけど(笑)。

アサノ:まぁ、どうやったらバンドを長く続けられるかなんて知りたがってるようじゃダメですよね。

大塚:客観的にこの3人を見ると、バンドマンって言うよりもロッカーって言うか、それぞれの個性が際立ってますよね。

ダイスケはん:そこまで言って頂けるのなら、ガリガリ君を101本用意しますよ!(笑)

大塚:じゃあ、こっちも100本用意するので相殺でいいですか?(笑)

ビールが旨く感じるのがいいライヴ

──SUZUKIさんがブログでよく仕事のことを書いている印象もあるのかもしれませんが、プリング・ティースの場合は日々の生活とバランス良く両立させてバンド活動を続けているように思えますが。

SUZUKI:どうでしょうね。初期と今とでは180度違いますよね。それはまぁ、成り行きで。どんな生活であろうと、音楽の時間は作りたいですよね。よく結婚して子供が出来たからとか、親が倒れたからとかでバンドを辞める人がいるけど、どんな理由があっても音楽をやる時間は作れるはずなんですよ。だからやっぱり、やるかやらないかなんですよね。あと、どれだけ優れたロッカーでも誰かに呼ばれないとバンドができない人もいますよね。俺は自分でメンバーを見付けてバンドをやりたいですけど。

アサノ:俺は年間10本ものライヴをロフトで打つみたいな行動力がないので、今のSUZUKIさんの一言は胸に沁みますね。御意にござります(笑)。

──たとえばいいライヴを続けているバンドマンは酒税が下がるとか(笑)、そんな都合のいい法案が通りませんかねぇ。

SUZUKI:それは面白い発想だけど、いいライヴの基準の判別も難しいですよね。

──それこそ、いいライヴの基準って何でしょう?

SUZUKI:それはやっぱり、ライヴが終わってビールがスーッと入るかどうかでしょうね(笑)。お客さんが全然いないのに、ライヴが終わってやたらと楽しい時があるんですよ。凄くビールが旨く感じる時がある。お客さんがいっぱいいても、ライヴをハズすとビールが旨くなるまで時間が掛かるんです。まぁ、いずれにしても最終的には呑んじゃうんですけどね(笑)。

ダイスケはん:僕は、ライヴが終わって楽屋に戻った時のダイエット・コーラの旨さが基準かな(笑)。ライヴが終わって飲むあのシュワシュワ感とノド越しは格別なんですよ!(笑)

大塚:でも、今取材中に飲んでいるのはレッドブルですね。

ダイスケはん:レッドブルが今、マキシマム ザ ホルモンの中でブームなんです。レッドブル、最高ですよ! 僕らにとっては『ドラゴンボール』の仙豆(せんず)みたいなものです!(笑) アサノさんのいいライヴの基準は?

アサノ:ライヴが終わって、楽屋の扉をブッ叩いた時の音の鳴りですね。スパーン!と行った時はやったぜと思います。ライヴが良くなかった時は、心なしか鈍い音がするんですよ...。まぁ、だいたいはゴキゲンですけどね(笑)。

──SUZUKIさんのようなビール党は、内臓脂肪のことは気になりませんか?

SUZUKI:全然。何を摂取してもカロリーはあるわけだから、別にビールだけが悪いわけじゃないですよ。まぁ、俺は普段から歩くようにはしてますけどね。毎日40分往復で歩いてるけど、それだけだと余り効果がないです。一番いいのは、ペンキを塗る時に組み立てるローリングタワー(移動式の足場)を持ち上げることですよ。

アサノ:うん、あれはなかなかいい運動になりますね。

SUZUKI:そのローリングタワーを軽々と持ち上げられるように家で筋トレしてましたからね(笑)。ロック的に鍛えるのではなく、現場的に(笑)。とにかくね、ビールで太るのはその人の体質。一番良くないのはラーメンの食べ過ぎですよ。

ダイスケはん:あっちゃー。僕みたいなメタボリック・ハードコアは自重しないと(笑)。

──ところで、『抜歯十番勝負』三本目の時に三者三様のオリジナル・カクテルを作ってみるとかは?

大塚:いいですね。マキシマム ザ ホルモンはレッドブルをウォッカで割りますか?

ダイスケはん:いやー、できればレッドブルだけのほうが...(笑)。完全にバンド無監修ですけど大丈夫ですか?(笑)

アサノ:俺たちはトリスウィスキーを何かで割るのがいいですね。

大塚:トリスウィスキーの小瓶をそのまま売っちゃえばいいんじゃないですか?(笑)

アサノ:それじゃ単なるトリスウィスキーじゃん(笑)。プリングは?

大塚:日本酒一合。

ダイスケはん:一切割ってないじゃないですか!(笑)

SUZUKI:ビールだと意外性がないから...そうだ、ホッピーがいい! ホッピーをウォッカで割ってよ。

大塚:全部ウォッカで割りましょう。マキシマム ザ ホルモンはレッドブルにウォッカ、マイライトはトリスにウォッカ、プリングはホッピーにウォッカで決定ってことで(笑)。

SUZUKI:それなら、その3つをセットで売ってくれよ。

大塚:3つセットを1人に売るんですか!? 相当回りますよ?(笑) じゃあ...全部で900円で!

SUZUKI:え、そんなに安くていいの? さすが店長、男だねぇ。

大塚:...多分、そんなに出ませんよ(笑)。

LIVE INFOライブ情報

PULLING TEETH presents『抜歯十番勝負』三本目
出演:PULLING TEETH / マキシマム ザ ホルモン / マイライト
会場:新宿LOFT
日程:2008年6月5日(木)
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:advance-3,000yen (+1DRINK) / door-3,500yen (+1DRINK)
THANK YOU! SOLD OUT!!

今後の『抜歯十番勝負』 *会場はすべて新宿LOFT
四本目『酒サマー』:7月19日(土)
出演:PULLING TEETH / SPIKE / ABNORMALS / Shady Glimpse / TERROR SQUAD / 内郷げんこつ会 / GRAIS / S.P.N POWER / マイライト / rowthe

五本目:8月14日(木)
出演:PULLING TEETH / CYCLE / and more...

六本目:9月11日(木)
出演:PULLING TEETH / BRAHMAN / rowthe

七本目:10月1日(水)
出演:PULLING TEETH / HAWAIIAN6 / and more...

八本目:11月1日(土)
出演:PULLING TEETH / and more...

九本目『酒ナイト』:12月28日(日)
出演:PULLING TEETH / and more...

十本目『FINAL』:新春開催予定!

TOTAL INFO.:新宿LOFT 03-5272-0382

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