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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】おとぎ話(2007年8月号)- 有馬に訊く!音楽人生に影響を与えた10枚。

有馬に訊く!音楽人生に影響を与えた10枚。

2007.08.01

女の人には敵わないと思っている

06_acd05.jpg──続いてサニーデイ・サービスについてはどうですか?

有馬:その頃同時に聴いていたのがサニーデイ・サービスです。とりあえず『サニーデイ・サービス』)を挙げましたが、サニーデイ・サービスのアルバムならなんでも良かったんです。

──といいますと?

有馬:バンドとして 「もがいてる感じ」が如実に表れているのがいいんですよ。

──サニーデイ・サービスは、サウンドの変化が劇的に変化していったバンドですよね?

06_acd06.jpg有馬:常に誠実さを感じるんです。ヘタった時にはヘタった歌を歌えばよくて、そういうことができるのが曽我部さんなんだろうなと思いますね。CHARAの『Junior Sweet』にも同じものを感じていて、永遠の伴侶と結婚してという決意のアルバムなんですよね。自分も曽我部さんやCHARAのように自分の状況を伝えられる人間になりたいんです。

──なるほど。小沢健二『LIFE』も同時期ですよね?

06_acd07.jpg有馬:はい。小沢健二もCHARAもなんだかキラキラしてるんですよね。今、自分がやりたい音楽もそのキラキラ感が欲しいんです。

──女性アーチスト全般についてはどう思いますか?

有馬:僕は女の人には敵わないと思っているから、女の人が書く幸せな歌詞はホントに幸せなんだなぁと思うんですよね。幸せじゃないことは百も承知なんだけど、多幸感のあるものが好きなんです。

──岡村靖幸『家庭教師』との出会いはどうだったんですか?

有馬:大学生の時なんですけど、この凄まじいジャケットにまず圧倒されたんですよ。

06_acd08.jpg──そうですね。このジャケットはインパクトが大きいですよね。

有馬:実際、岡村靖幸に影響を受けたアーティストって多いじゃないですか?

──実は僕も岡村信者です(笑)。

有馬:そうなんですか!? 岡村靖幸は日本のプリンスと言われていたので、なんとなく聴いてみたらぶっ飛んだんです。日本人ってこんなに可能性があるんだ! って思いました。

──とにかく何もかもが濃いですね。

有馬:濃いというよりも、岡村靖幸は自分にとってはプリティな存在なんです。「ロック」って戦いでもあるんだけど、ポケットに入るくらいの可愛いものだとも思うんですよね。音楽はエロいんだけどポケットに入る可愛さをもっているとでもいうか...。

──人間の崇高な部分と下品な部分を同時に放出してる感じもしますね。

有馬:とにかく「コレはスゴイ!」ってことです。

──では残り2枚を。まず『極東最前線』ですが...。

06_acd09.jpg有馬:ひとりのバンドマンとして、こんなコンピレーションが作れたら最高に幸せだろうなって思います。自分でイベントを企画したりするのも、最終的にはこういったコンピレーションを作りたいってことなんです。

──イースタンユースが愛している方々と、愛されている方々の想いが純粋に伝わってくるアルバムですよね?

有馬: はい。だからこんな純度の高いものが作れたら自分のバンドを辞めてもいい!って思います。

──それは困ります(笑)。

有馬:ちょっと言い過ぎました(笑)。でも『極東最前線』は完全に自分の憧れですね。

──そして最後の1枚、荒井由実『ひこうき雲』ですが...。

06_acd10.jpg有馬:別に深い意味はなくて、スタンダードなアルバムで締めようかと思って。だから「はっぴいえんど」でもいいんです。たまたま最近聴いていたのが『ひこうき雲』だったんです。

──ということで、急いで10枚を語ってもらいましたが、どうでしたか?

有馬:ん~、楽しかったです。

──有馬和樹という人間が伝わる10枚だと思いましたよ。で、そんな有馬和樹が率いるおとぎ話の待望ファーストアルバム『SALE!』がついに9月5日に発売されますね。

有馬:内容には自信はありますよ。絶対に聴いた人を後悔させない作品だと思います。将来誰かに「僕が影響を受けた1枚です」と言ってもらえるとうれしいですね。

──Rooftop9月号ではおとぎ話ファーストアルバム『SALE!』についてタップリ語っていただこうかと思いますので宜しくお願いします。

有馬:宜しくお願いします(笑)!

他のメンバーにも1枚ずつ選んで頂きました!

06_ocd01.jpg前越啓輔:Drums
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / チキンゾンビーズ
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは今でも大好きです。

06_ocd02.jpg風間洋隆:Bass
The Velvet Underground & Nico / The Velvet Underground
新潟から出てきたばかりの田舎者らしい田舎者。ヴェルベッツなんて知る由もない風間が、ふとしたきっかけからベースを始め、大学入学当初からの友達である有馬と「おとぎ話」を組むこととなった時によく聴いてたアルバム。風間洋隆19歳の冬。

06_ocd03.jpg牛尾健太:Guitar
WEEZER / ピンカートン
高校生の頃狂ったように聴いていたアルバム。本当に狂ってしまったのか、これは俺のことを歌っていると思い、以前にも増してバンドをやりたいと思った。その後、初めて組んだバンドが「おとぎ話」である。

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