2006年3月に3つのバンドが合わさって結成されたLaughLife。メンバーはHODAKA(Ba.)、KINUKA(Dr)、IZ-ME(Vo.)、PAL(Vo.)、JUN-P(G)の5人。自分たちの曲を聴くことで、笑み(Laugh)を絶やさない人生(Life)を送ってくれたらという思いを込めて付けられたバンド名。地元、湘南・横浜を中心に活動中。そしてこの度、待望の1st.ミニアルバム『Life is music』をリリースすることとなった。PALとIZ-MEの2人の絶妙なハーモニーにのったメッセージと、心地よいグルーヴを生み出すバンドサウンドからは、彼らが音を楽しもうとする純粋なバイブスが滲み出ている。今回お話を聴かせて頂いたのはIZ-MEさんとJUN-Pさん。「全身で太陽浴びてます!」と言わんばかりの朗らかで自然の中で育ったことが見てとれる純粋な2人だった。この方々からなら、あの曲達が生まれるのも納得できる。(interview:やまだともこ)
ポップさを残しつつ、5人の好きな音楽が入ったもの
──Rooftop初登場になりますので、バンドの成り立ちをお話していただけますか。
IZ-ME:最初は別々のバンドに所属していてお互いイベントに呼び合ったりしていたんですが、同じ時期に2つのバンドが解散して前身バンドを作ったんです。でも、ギターが決まらなくてようやく1年ぐらい前にJUN-Pが入って固まった感じですね。
──JUN-Pさんのどんなところに魅力を感じたんですか?
IZ-ME:JUN-Pはハードコアというかエモ寄りのバンドをやっていて、どんなギターを弾くかもわかっていたので、JUN-Pに入ってもらうことによりライブバンドっぽくなるかなって思ったんです。狙い以上でしたよ。
──ということは、JUN-PはLaughLifeにとって大事な最後のピースだったんですね。
IZ-ME:ほんとそうです。バンドが軌道に乗り始めたりとか、ライブにお客さんが来てくれるようになったのはJUN-Pが入ってからです。
JUN-P:ありがとうございます。
──3つのバンドが合わさるとなると、音楽の方向性を絞るのが難しそうですよね。
IZ-ME:好きな音楽がバラバラなので、最初は作ってみてはダメっていうのを繰り返していましたね。最近はようやく方向性も絞れて、自分の役割を絞れてきた感じですね。
──LaughLifeの音楽的なモットーは?
IZ-ME:ポップさを残しつつ、5人の好きな音楽が入ったものというところです。メタルだったり、Hip Hopだったり、それぞれ違いますからね。
──詞はIZ-MEさんとPALさんで作られてるそうですが、共同作業で作るというのはどう進めていくんですか?
IZ-ME:テーマを先に決めてお互いが持ち帰って書く。年齢も近いですし、育ってきた環境も横浜と湘南で近いので、経験してきたこととか見てきた景色とか突拍子もなく違うということはないので、次のスタジオのときに摺り合わせて1曲にしていきます。
──皆さんが地元の湘南や横浜にこだわる理由はなんですか?
IZ-ME:皮膚感覚で、都会は自分たちに合わないなって。生まれ育った環境とか、仮に東京で俺らが育ったらこういう曲は書けなかったよねということはよく話をしています。自然に湘南っぽさや横浜っぽさは出てきているんだと思いますよ。あと、自分たちが生まれ育ったところでこういう音楽をやっていて、まず地元の人たちに伝えたい。プラスアルファでどんどん広がっていけばいいな。
──湘南・横浜方面で活動しているバンドって最近多いですよね。そういう意味でもF.A.D YOKOHAMAは重要な基盤のライブハウスなんですか?
IZ-ME:横浜でライブをやりたいんです。F.A.Dは、ずっとイベントをやらせていただいているところでもありますし、ステージとお客さんの距離感が好きなんです。大きいところも大好きですけど、自分たちのイベントをやるときはお客さんとコミニュケーションしたいと思っているので、そういう空気感を大切にしたいんですよ。
1枚目だから等身大の自分たちを
──『Life is music』が8月8日にリリースされますが、これは公式初音源になるんですか?
IZ-ME+JUN-P:はい。
──本格的なレコーディングはこれが初めて?
IZ-ME:そうですね。自主は録ったことはありますけど、こういう環境でやるのは初です。
──アルバムタイトルが潔いですよね。直訳すると「人生とは音楽」。ライブでお馴染みの曲ばかりなんですか?
IZ-ME:はい。ほとんどは。
──今回はどういうコンセプトで作られたんですか?
IZ-ME:今まではちゃんとした音源を出していなかったから、ライブで初めて曲を聴いたっていう人がほとんどだったんです。そこでどうしたらお客さんの心を掴めるかということを考えながらライブをやっていたので、今回はライブ感を重視した曲を入れていきました。『MyLifeStyle』は、読み返してみるとそのときの心境が表れてるなって思います。決意表明という感じです。夢を諦めないでとか、頑張ろうとか、実は自分たちに向かって言っている。3つのバンドが解散しちゃったときに音楽を諦めようとか、バンドを辞めようとか思ったんですけど、「やろう!」ってLaughLifeを結成して、最初に作った曲だから絶対に1枚目に入れたかったんです。
──LaughLifeにとって最重要ソングだと。
IZ-ME:そうかもしれないですね。
──レコーディングは、リハを綿密にやってから臨んだんですか?
IZ-ME:今回はそうですね。今までライブに重点を置いていたから、勢いだったりは任せたところがあったのですが、レコーディングに向けての準備はしていました。
──JUN-Pさんは、レコーディングをするにあたり、ギターで気にとめたことはあります?
JUN-P:曲の中で、ギターを重ねたイメージは最初に作っていたのでそこは入念にやったのと、基本的に切れ味は出していこうと思っていました。
──演奏がボーカルをちゃんと引き立たせてますよね。歌い直しはたくさんしました?
IZ-ME:今回は歌い直してダメだったいうよりは、もっといいのが出るよねってやった感じですね。
──エンジニアの方にアドバイスをもらって活かしたところはあります?
IZ-ME:ボーカルの場合は言葉ですね。ライブだと歌詞に書いてあっても歌わない言葉というのがあって、そのほうが勢いが出ることもあるんです。でも文面になったり音になったときに、その一音があることで曲が変わるということを教えてもらい綿密にやったんです。初めての経験だったので勉強になりましたよ。
JUN-P:音作りも協力してもらったので、自分が思った以上のものができあがりました。
──わりと煮詰まらずにできたんですか?
IZ-ME:煮詰まったりもしました。
──一番煮詰まったところは?
JUN-P:僕はアコースティックギターを弾いたところですね。
IZ-ME:ボーカルは勢いでやってきた分、細かいところのピッチであったりだとかが如実に出てきて大変でした。
──煮詰まってしまうとバンドの判断能力が鈍ってしまいますから、客観的な意見が欲しくなりますもんね。
IZ-ME:今回エンジニアさんが6人目のメンバーというか、バンドサイドに立ってアドバイスをしてくれたんです。煮詰まりつつ頑張りました(笑)。
JUN-P:PALさんは鼻が詰まって大変だったみたいですけど。
IZ-ME:スタジオに入って5分後に「ハウスダストだ!」って鼻をズーズー言わせてましたね(笑)。
──(笑)この先、いろんな作品を出していきますけどファーストが全ての基準になりますからね。そう考えると、下手なものは出せないっていうプレッシャーはあったんじゃないですか?
IZ-ME:1枚目を作るに当たっては、等身大の自分たちであったり音であったり言葉であったりが出てればいいかなって。わからないのにわかっているようなことを言ったりとか、できもしないコンピューターの技術を駆使するよりは、自分たちが今までに培ってきたものプラス何かできていればいいかなって。音源を出せるということは人に聴いてもらえる、歌詞を読んでもらえるっていうことなので、思っていることやメッセージを発信出来ていけばいいなと思いますね。
──バンド名が入っている曲が多かったので、名刺代わりの1枚的になりましたね。
IZ-ME:そうですね。『Good Vibration』(M-1)は自己紹介ソングという感じです。
──『空』(M-3)はLaughLifeの入り口としてはわかりやすいと思いますが、この曲は自分たちがやりたいことが集約されている感じですか?
IZ-ME:『空』はやりたいことのひとつ。それよりはアルバム1枚を通して僕らを集約したという感じです。これからCDを出していく中で、もっといろいろやっていきたいと思っています。
──『ハカナイ夜に』(M-4)は対照的に、このアルバムの中では珍しく暗いですね。
JUN-P:敢えて入れたという感じですね。アコースティックライブで一度だけ演奏したことがあるんですが、雰囲気が良くて良かったですよ。
IZ-ME:僕らより年齢が上の方は「懐かしい」って思いながら聴いてくれているみたいです。2007年度版『失恋レストラン』です(笑)。