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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】THE MACKSHOW(2007年7月号)-列島震撼! 赤い衝撃が走る!!恋と泪の永久青春保存版・第5弾『フルスロットル・レッドゾーン』!!!

列島震撼! 赤い衝撃が走る!!恋と泪の永久青春保存版・第5弾『フルスロットル・レッドゾーン』!!!

2007.07.01

最新作は“切なさ余って憎さ百倍”!?

──私感ですが、本作のコンセプトを一言で言うなら“切なさ”だと思うんですよ。

KOZZY:“切なさ余って憎さ百倍”みたいなね(笑)。

──お見事です(笑)。例えば「道化師」のような曲は、ノレるんだけど旋律がたまらなく泣いているじゃないですか。

KOZZY:そうですね。小さい頃から聴いてきたロックンロールの中でも、やっぱりそういう部分が好きなんでしょうね。僕が得意なのはそこなんだなっていうのが見えたのもあるし、その部分をもっと頑張りたいとも思ったんですよ。茶化すようなロックンロールだったらいくらでも出来るんだけど、「好きだ」っていう言葉だけで説得したい、とかね。今まで自分が聴いてきた音楽のように。

──ブレイン・ウォッシュ・バンドの「ハニー・ラブ」が顕著ですが、今回カヴァーしたバンドの曲にもそういう切なさが通底していますよね。

KOZZY:そうですね。その切なさっていうのは10代とかなら判ると思うんですけど、今のこの歳で聴いても切ないと思えるのか? っていうチャレンジでもあって。でもやっぱり、自分で曲を書いてみたら“あぁ、切ねぇ!”みたいな(笑)。いい歳こいて何言ってるんだ、って感じだけど。

──じゃあ、10代の頃とピュアな部分は変わっていなかった、と。

KOZZY:それはそれでいいのか? とも思うんですけど(笑)。でも、やっぱり未だにいいよね。今回BIKE BOYが唄ってるクールスの「ハイスクール・クイーン」なんかは、僕らが小学校4年生の時に遠足のバスの中で唄ってた曲だからね。

──そういうのはもう、DNAに擦り込まれている感じなんでしょうね。

KOZZY:そうでしょうね。それでいつも思うのは、そういう好きだった曲をカヴァーした時に、果たして自分達の曲がそれに勝れるかってことなんですよ。そこがチャレンジでもありますね。たまに「カヴァーの曲が一番いいよね」とか言われてちょっとショックなんだけど(笑)、敢えてカヴァー曲は入れるようにしてるんです。

──でもきっと、仮に作曲のクレジットを伏せていたら全部マックショウのオリジナル曲に聴こえる人は多いと思いますよ。

KOZZY:そう言ってもらえると嬉しいですけど、レコーディングの段階では“このカヴァー、ヤバいな”って思いますよ。「ハニー・ラブ」なんて、初めて聴いたのは中学生ぐらいだったけど、「まだ名前も知らないけれど/今日から僕の恋人」って歌詞ですから。“何言ってんの、この人?”って思いましたからね(笑)。

──完全にストーカー・ソングですよね(笑)。

KOZZY:“ロックンローラーって思い込みが激しいんだなぁ…”っていう(笑)。僕らはパンク以降の世代だからセックス・ピストルズだってあったし、日本ならARBやモッズとかを聴いて育ってきたから、最初は“エエッ!?”って驚きましたよ(笑)。でも、僕はそんな恥ずかしい部分が大好きだったんですけどね。なんだか判らないけど聴いちゃう、みたいなね。ブレイン・ウォッシュ・バンドのレコードは、中古レコード屋で買う時に3回ぐらい試聴してから買いましたからね。500円しかしないのに(笑)。だって、とてもジャケ買いなんかできないようなジャケットだったし(笑)。散々迷った挙げ句に買って、家に帰って聴いたら“やっぱりダッセぇなぁ!”って思いましたけどね(笑)。それなのに、そのダサい部分をたまらなく応援したくなっちゃうって言うか。だから「ハニー・ラブ」を唄うのは恥ずかしい気持ちもあるんだけど、でも敢えてやっちゃう、みたいなね。

──ということは、今回はそんな気持ちの部分までレッドゾーンに振り切った感じなんですね。

KOZZY:まぁ、体力的な部分も相当なレッドゾーンですけどね(笑)。

──はははは。恥ずかしい部分も全部面倒見ちゃえ、みたいな。

KOZZY:もう一手に背負って。でも、今の日本のロック・シーンにおいて、そこの部分だけポッカリ穴が開いているんですよ。誰もそこに入りたがらない、みんなが避けて行くようなところをマックショウは敢えて行くっていうね。でも、そんなことをやっていると、インタビューされても音楽的なことは一切訊かれないんですよね(笑)。

一同:(笑)

KOZZY:ただ、そういうピュアなロック・バンドを好きだった人は当時たくさんいたと思うんですよ。でも、みんな2、3枚でアルバムを出せなくなって、呆気なく解散してしまう。いろんなロックンロール・バンドが音楽を続けられなくて、メシも食えなくなって、潰れていって…ハゲて(笑)、無念にも成し遂げられなかったことを僕らがやりたい。そういうバンドマンって、音楽に対しても真面目だったと思うんですよ。そこを今僕らがやっているって言うか。やらざるを得ないところもあるけど(笑)。

──マックショウは本作でもう5枚目ですからね。

KOZZY:ええ。で、そうやって出していくからには毎回同じものっていうのも嫌なんですよ。マックショウみたいなバンドの場合、いつも1枚目と同じ金太郎飴みたいなものでもいいのかもしれないけど、毎回チャレンジはしていきたいんです。僕らがカヴァーすることによって知られてないバンドをみんなに知ってもらって、“いいバンドがいたんだな”っていうのを残して行きたい気持ちもあるしね。

──そのためにも、機材もビートルズが現役時代に使っていたようなヴィンテージものを揃えて。

KOZZY:そう、世界に何台もないようなのを揃えて。でも、それを並べて録るのは「ハニー・ラブ」みたいな曲なんですけどね(笑)。人が見たら“何やってんの?”っていう話ですけど。

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