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INTERVIEW

トップインタビューTHE COLLECTORS (2006年8月号)

祝・結成20周年!コレクターズを愛してやまない豪華布陣が楽曲提供した斬新な企画アルバム『ロック教室~THE ROCK'N ROLL CULTURE SCHOOL~』、そして21年目に向けての視座

2006.08.01

どんな曲をやろうがコレクターズの音になる

──歌詞に関しても、すべて原曲どおりに歌ってるんですか?

加藤:いや、「こういうふうに変えてもいい?」っていうのはいくつかあったけどね。「19」に関しても、ラフ・パターンを2つくらい作ってくれて、その後にもっと作り込んだものを送ってくれたんだけど、自分のなかではラフ・パターンのほうが世界観が見えたりするんだよ。だから「3番のここは、ラフ・パターンのほうを使っていい?」って言ったりとか。あと、堂島君が書いてくれた「特別さジニー」っていうのは凄いラヴ・ソングなんだけど、ジニー・ハートっていう日本で活躍してたモデルさんがいたんだよ。俺が20歳くらいの時は『non-no』とかによく出てて、憧れの人だったから、「最後のシメはジニーにしてくれない?」って言ったり。堂島君もふたつ歌詞を書いてくれたの。でも、やっぱりね、ひとつめのほうが開放感があるんだよね。ふたつめのほうはちゃんと完成されてるんだけど、隙間がないっていうか、想像の余地がないような気がして。

──なるほど。でも「特別さジニー」って、まるで加藤さんが書いたような…。

加藤:そう。上手だなって思った。俺のクセみたいなのをよく研究してるっていうか。凄いと思ったよ。「俺、こういう曲書いたことなかったかな?」って思うくらい。

──スネオヘアーも知り合いなんですか?

加藤:直接の知り合いではなかったんだけど、うちの事務所のスタッフが知り合いで。初めて会ったんだけど、シンパシーを感じましたよ。おとなしいけど、面白い人だよね。スネオヘアーだけは初対面なんだけど、それもアリかなっていう。あんまり内輪の人ばかりっていうのも違うなって思ったので。

古市:そうだね。

──レコーディングは順調でした? 普段は出てこないコード進行とかもあるような気がするんですけど…。

古市:いやぁ、まぁ、そのあたりはキャリアもあるので。

加藤:コレクターズのほうがストレンジなことをやってるからね、普段から。それよりもさぁ、みんな忙しい人ばかりじゃない? だから、どうしてもレコーディングのセッションが3つに分かれたりとか、そのあたりのスケジューリングのほうが大変だったかな。あとはやっぱり、みんながいい曲を書いてくれたから、最高の仕上がりにしなくちゃいけないし、その一方でコレクターズらしさも出さなくちゃいけないし。そこはちょっと難しかったですけどね。ほら、企画のアルバムってブレたりするもんじゃないですか? でも、今回は上手くいったと思うけど。まぁ、賛否両論だと思うけどね。

──あ、そうですか。

加藤:コレクターズの大ファンにとってみれば、俺が全部曲を書いて、っていうのが好みなんじゃないですか? たとえばザ・フーの新譜が出たとしたら、やっぱりピート・タウンゼントが曲を書いてるっていうのを望むじゃない? それがさぁ、「今回はエルトン・ジョンが書いてて…」って言ったら、ちょっとねぇ。

古市:それはそれで気にはなるけどね(笑)。

加藤:まぁね(笑)。でも、「どんなアルバムになるんだろう?」って不安もあるじゃない?

──『ロック教室』に関しても、同じように感じてるファンがいるかもしれない。

加藤:そうそう。でも、俺達って賛否両論みたいなことって余りやったことないから。やるんだったら、20周年とか30周年っていうタイミングが絶対にいいと思うし。逆にさぁ、これが大絶賛だったら寂しいもん。

──ははは! まぁ、そうですねぇ。

加藤:そうだよ。「じゃあ、次からは加藤君の曲は半分で。あとは外注で行きますよ」って言ったら、「えー!?」って思うじゃない? レコード会社なんて、どこだってそうですよ。売れたら同じことをやるんだから。

古市:でもさぁ、20年くらいやってるから、どんな曲をやってもコレクターズになるわけじゃない? それは良かったと思うよ。

加藤:うん、そこは凄く自信がある。どう聴いたってコレクターズの音だしね、これ。でも、ホントにみんないい歌を書く人だなって思ったよ。なんかね、焦ったんだよねぇ。もっともっと精進しなくちゃダメだなっていう。そういうのはあったね、いい意味で。20年もやってると、自分のスタイルで曲を書くようになっちゃうじゃない? 手グセっていうかさ。ギターだってそうだよね?

古市:うん。

加藤:好きなフレーズってあるし。でも、こういうことをやると、自分の予想できないメロディになってたりするから。歌いにくいところもあるんだけど、「あ、これもアリなんだ」っていうのが身をもって判る。

──自分で書いたらこういうラインにはならない、っていう。

加藤:そう。特にスネオ君の曲のサビとかさぁ、最初にデモを聴いた時「これ、間違ってるんじゃないの?」って思ったんだよ。コードに対してメロディが合ってないんじゃないかな? って。でも、プロデューサーの吉田仁さんが「面白いから、これで行こう」って言って、実際にやってみたら「あ、なるほど。これでいいんだ」っていうのが判ったりするんだよね。それはもう、俺だったら絶対に書けないから。サンボマスターにしても、あんなに怒鳴ってるような歌、俺だったら書かないからね。ノドがつらいし、書いたとしてもキーを落とすと思う。だけど、キーを落とすとギターの響きが変わっちゃうから…ってことで歌ってみると、「意外とソウルフルに歌えるんだな、俺」って思ったり。この曲、俺のなかではビートルズの「オー・ダーリン」みたいな位置づけができたんだよね。で、だったら、たまにはこういう曲もいいかもな、って気にもなったし。そういうのはこのアルバムがなかったら気付かなかったからね。

──次のアルバムに対する効果がある、と。

加藤:作曲もそうだし、演奏もアレンジも……まさに『ロック教室』、勉強になりましたよ。ホントに勉強になった。各楽曲が自分のなかで宿題だったし。

──だから『ロック教室』なんですね。

加藤:まぁ、それも含めて。いいタイトルだと思うけど、ファンに公言したら、「恰好悪いからやめてくれ」とか言われたけど。

──ははは! 恰好いいじゃないですか、『ロック教室』。

加藤:60年代の日活映画の恰好良さみたいなのが判ってれば、もっと恰好良く感じられるんだろうけど。それがない人にとっては、“教室”って言えば“習字教室”とか、そういう…。

古市:そうなっちゃうかもね(笑)。

──『暴力教室』じゃなくて。

加藤:俺はそっちのほうからイメージしてるんだけどね。“そろばん教室”みたいなヤワな感じではなくて。

古市:もっと劇画調の『ロック教室』だよ。

加藤:『男一匹、ガキ大将』みたいな(笑)。

古市:そこでロックンロールが鳴ってるわけですよ。

加藤:そこまでイメージしてもらえればいいんだけどねぇ。

古市:まぁ、何を言われようと「俺達はこれだ!」って言っちゃうんだけどね。

加藤:もちろん。俺達の美学を通さないと良くないからね、絶対。

古市:コンセプトにも合ってると思うよ。

加藤:「恰好悪い」っていう意見が多くて、あんまり頭に来たから、「じゃあ『戸塚ロックスクール』にしてやる!」とか言ってたからね。キャッチコピーは「聴かずに死ぬか、聴いて死ぬか」っていう。さすがにそれはNGでしたけど(笑)。

 

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THE COLLECTORS 20th Anniversary Album ロック教室 ~THE ROCK'N ROLL CULTURE SCHOOL~

TRIAD/Columbia Music Entertainment, Inc COCP-50934
2,940yen (incl. tax)
IN STORES NOW

LIVE INFOライブ情報

『ロック教室』発売記念インストア・イベント
8月5日(土)START 16:00~/TOWER RECORDS新宿店・7Fイベントスペース
◇TOWER RECORDS新宿店、渋谷店にて『ロック教室』をお買い上げの方に先着にてイベント参加券を差し上げます。予定数なくなり次第配布終了となります(予約者優先とさせて頂きます)。
◇電話での予約受付は行っておりませんのでご了承下さい。
【info.】TOWER RECORDS SHINJUKU:03-5360-7811
 
Modern Monsoon Mafia presents "Glory Road To The Twentieth"
THE COLLECTORS LIVE at SHIBUYA QUATTRO
8月19日(土)渋谷CLUB QUATTRO
OPEN 19:00 / START 20:00
TICKETS: advance-4,200yen (+1DRINK) / door-4,500yen (+1DRINK)
【info.】shibuya CLUB QUATTRO:03-3477-8750
 
SHINJUKU LOFT 30TH ANNIVERSARY“ROCK OF AGES 2006”
9月7日(木)新宿LOFT
w/ フラワーカンパニーズ
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKETS: advance-3,000yen (+1DRINK) / door-未定
【info.】shinjuku LOFT:03-5272-0382
 
THE COLLECTORS TOUR『Road to 20th Extra!!!』
9月9日(土)心斎橋CLUB QUATTRO OPEN 17:00 / START 18:00
9月10日(日)名古屋CLUB QUATTRO OPEN 16:30 / START 17:30
9月22日(金)HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 OPEN 18:00 / START 19:00
9月24日(日)仙台hook OPEN 16:30 / START 17:30【オープニング・アクト有】
10月15日(日)福岡DRUM Be-1 OPEN 16:30 / START 17:30
TICKETS: advance-4,200yen (+1DRINK)
 
THE COLLECTORS 20周年記念日比谷野外音楽堂ワンマンライヴ
『Festival of Kings~Glory Road To 20th maximum』
10月22日(日)日比谷野外音楽堂
OPEN 16:00 / START 17:00
TICKETS: advance-2,100yen (指定席)
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