天国のおばあちゃん、僕を応援してね
──えっと、バンドの楽しさって何ですかね? ライブとか曲づくりとか、いろいろあると思うんですけど。
はる:だいたい、曲が出来たときがいちばん気持ちいいって答えてるんだけど。いいライブがやれたときも気持ちいいけど、ライブはやってみるまでどうなるかわかんないからね。怖いよ、ホント。ドキドキする。
──ドキドキしますか。
はる:恥ずかしいからねえ。やっぱ人前に出るのって。天国のおばあちゃん、僕を応援してね、って感じですかね。大晦日とかだったら少し飲んでるから楽しくできるんだけど。普段は緊張してしまいますね。音が気持ちよく出ればいいけど、やってみないとわかんないんだよ。体調とかもあるし。行き当たりばったりだからなあ、ほんと。しょうがない。あぁ。
──何年やっても、そこは変わらない。
はる:うん。でも、ライブはがんばれば誰でもできるような気もするな。力技で持っていけるっていうか。でも、曲はそういうわけにはいかないからね。だから、できたときは気持ちいいんだよね。曲つくらないと、ただの飲んだくれだからな。しっかりしなきゃ。この半年、曲ぜんぜん作ってないから。前のアルバムですっきりしちゃって。いまはただの飲んだくれです。
──出し切った感じですか。
はる:というか、疲れ切った感じだな。そうとうがんばったから。努力賞で休んでます、いまは。ライブやってりゃいいやって……何かしゃべることねえかなあ。
──じゃあ、今後のことを教えてくださいよ。
はる:先のこと、何も考えてないよ。このままでいいよ。みんな生きてれば。もう十分だもんね、40までやってるんだから。何もねだりません。
──でも、バンドは続いていくわけで…。
はる:どうせ死ぬまでやるからね。わかんないけどね、明日死ぬかもしれないし。でも、もうやめられないでしょ、どうせ。他に何もしたくないもん。お勤めとかできねえもん。やめんのって、めんどくさいよね。バンドやめて、何をやっていいかわかんねえし。…ヒモ?
──ハハハハハ。まあ、憧れますよね。
はる:うん。でも、もっといい曲つくんないと食ってけないな…。曲はたくさんあるんだけどね、それで楽しくなるかどうかは…。ちゃんと持っていければいいけどね、自分のテンションを。曲作りは大変だよ。ゆるーいテンションじゃダメだろうな。もっと、とんがってないと。明後日はライブでドキドキしてるんだろうけど。福岡、広島。ひさしぶりだなー広島。お客さんくるのかなー。こわいなー。あとは(5月の)野音が気持ちよければいいな。そうだ、苦情が来るくらい、家でギターでも弾こう。静かに暮らすのやめよう。
──(笑)。バンドでやり残したことって、ないですか?
はる:いくらでもあるんだけど、新しいことはできないな。時間かかっちゃうよ。譜面とか読めねえし。ラッパとか入れたいけどねえ。めんどくさいな。3人で、できるだけのことをやるだけで精一杯だな。わかりやすくていいや、3人が。
──えーと、2月12日にはロフト30周年のイベントライブに登場。対バンは大槻ケンヂさんのバンドですけど、意気込みとかあります?
はる:意気込みとかないけど、感謝だよね。ありがたいよね。ロフトつぶれないでよかったなって思うから。
──ピーズも結成20周年にむけて盛り上がっていきましょうよ。
はる:そうだなあ。何かおもしろいアイデアないですか?
──ボックスセットとか、どうですか?
はる:あー。でも、これ以上、お客さんにお金を出させるのは悪いよ。物販でこわれる栓抜き売りつけたりしてんだし(笑)。お客様は神様ですよ。まあ、まだまだですよ。(仲野)茂さんとか見てると…。永ちゃんだって、やってるし。ロティカとかね。
──そうですね。まずは次のアルバムを楽しみにしてます。
はる:うん、楽しみだなあ。……酒やめよう。
──うわ、断酒宣言だ(笑)。
はる:うーん、今日、これから練習かよ… 。
──どれくらいやるんですか?
はる:4時間取ってるけど、3時間ちょいで撤収だな。アビさん、たくさんアンプ持ってくるから、片づけが大変なんだよ。俺は持ってないけどね、アンプ。やめちゃったときに売っちゃったから。あー、でも、きついなあ… 。
──とりあえず今日は酒を抜いたほうがいいのでは。
はる:だいたい、1時間か2時間くらいやると、シンちゃんが“おい、ビール買いに行くぞ”って言うんだよね。そこで葛藤が…。ああ… 。