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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】THE COLLECTORS(2005年8月号)- We are Mods! We are Mods! We are, We are, We are Mods!

We are Mods! We are Mods! We are, We are, We are Mods!

2005.08.10

いくつになっても“モッズ”から離れられない

──今回、そういった英国のモッズ・バンドのカヴァー以外に、2曲オリジナル・ナンバーが収められてますよね。1曲は、加藤さんがコレクターズ結成以前に組んでいたバンド、ザ・バイク時代のレパートリー「恋のイナキュレーション」。そして、こちらは数年前にコレクターズが覆面バンド、マジェスティック・フォー名義でリリースした全曲英語詞からなるアルバム『MAGIC FUN FAIR』から「PLUG ME IN」。この2曲、いわばセルフ・リメイクといっても差し支えないわけですが、今回取り上げられた理由は?
 
加藤:実は僕の中で2つのアイデアがあったの。一つは、今回のようなカヴァー・アルバム。そして、もう一つは全曲ザ・バイク時代のナンバーをコレクターズでカヴァーしたアルバム。やっぱなんたってザ・バイクは東京モッズの代表格だっていう自負があるわけだし。それで折衷案ってほどじゃないけど、結局はザ・バイク時代の曲を1曲入れることにしたってわけ。マジェスティック・フォーについて言えば、実は今回の日本語詞のほうが当時僕が作った時の意図に正確なの。だからもう一度やってみたかった。
 
──今思いついたんですが、個人的には、コレクターズのそれこそ、「僕はコレクター」とか「TOO ROMANTIC!」に「愛ある世界」、「世界を止めて」とかの代表曲を、逆に英語の歌詞で歌ったアルバムなんかも聴いてみたい気がするんですが。
 
加藤:ああ、そういったアイデアも実は昔からある。出来ればイギリスかなんかで出してみたいね。
 
──お2人に伺いたいのですが、コレクターズって実に20年近く自他共に認めるモッズ・バンドとして活動してきたじゃないですか。アルバムごとにマンネリズムに陥ることなく、常に表情を変えてきた。でもその根底には一貫して“モッズ”というキーワードがある。たとえばポール・ウェラーなんかと同様、40歳を過ぎてもモッドであり続けることの意義とは一体何なんでしょうか?
 
古市:ギターを最初に弾いた時の原点ですかね。そりゃ永遠に23歳とかでいられるのであれば、それに越したことはないんでしょうけど、誰だってそんなこと不可能でしょ? 昔は確かに3つボタンのモッズ・スーツ着ていたこともあったけど、40歳になってまで、そういった“形”に拘ろうとは思いません。たぶんウェラーもそうだと思いますよ。40歳を過ぎてもなお進行形のコレクターズって絶対にあると思うんですよ。たとえ20代の頃の、それこそ「僕はコレクター」なんかの曲を今になっても演奏してる時でもです。その辺のバランス感覚は常に意識してますね。まぁ、あの初期の曲をやるのはKISSがステージで火を噴く感じに近いです(笑)、定番という意味で。
 
加藤:ファッション的な部分にしてもそうだよね。ほら、よく50歳近くになっても、いまだにストーンズのベロ・マークのTシャツ着て皮ジャン着てるような人たちっているじゃない?(笑)
 
古市:しかも、Gジャンだと袖を切ってたりとか。
 
加藤:そうそう(笑)、ああいうのって実はさ、凄くカッコ悪いじゃない? 本人はいざ知らず、単純に傍から見てると。それと同じで、僕らも外見的なファッションとしてのモッズみたいなのを今さらやろうとは全く思わない。もう、それこそ20代でそういったものは卒業しちゃったし。だからやっぱ本質的なモッズっていうものをこれからも追求してゆくつもり。まだジョン・エントウィッスルが生きていた頃のザ・フーのライヴをロンドンまで観に行ったんだけれども、観客の多くが60年代からザ・フーを追い続けてるようなファン、しかもガラの悪そうな中年男性ばかりでさ、もう僕にとっては本当に感動的だったのよ。バンドマンとしての生活をいつまで続けられるか、そんなことは誰にも判らないけど、あのザ・フーのライヴを観て、ある種の確信のようなものが生まれたね。いくつになっても、モッズからもう僕は離れられないんだなっていう。

今はマニアックなほうがある意味ポップ

──最近の日本のロック・シーンにおけるコレクターズのスタンスのようなものをどのように分析されてますか?
 
古市:まぁ、自然体ですね。それでイイと思います。
 
加藤:最近よく思うんだけどさ、今の音楽シーンって共通のポップってないじゃない? 昔はあったよね。誰でも知ってる曲とか、口ずさめる曲とか。数年前のヒット曲なんて思い出せないでしょ。だから、逆説的に言えば、マニアックなほうが絶対にある意味でポップなんだよ。だからコレクターズとしては、妙に売れ線を意識したりするんじゃなくて、今コータローが言ってくれたみたいに、自然体で、かつマニアックなポップっていうものを目指していきたいね。マニア泣かせなバンドなのよ、コレクターズって(笑)。
 
──来年はいよいよ20周年となるわけですが、それに向けて、何か考えてるプランとかってありますか?
 
加藤:まだ具体的には決まってないけど。でも20の大台に乗ったってことで(笑)、いろいろやろうとは思ってる。20周年記念盤をまずは作りたいよね。CDとDVDそれぞれのボックス・セットとか。あとは日比谷の野音かなんかでアニヴァーサリー・ライヴをやったり。今でも6月から9月にかけて渋谷のクラブ・クアトロでマンスリー・ライヴをやってるんだけど、その拡大版みたいな感じで、それぞれにテーマを決めて、コレクターズの20年間の歴史を包括したような内容のショウを披露するのも面白いんじゃないかな。
 
古市:まぁ、その前段階として、今回の2枚のアルバムを皆さんが聴いてくれることですかね。
 
加藤:そうだ、それ以外にも今回コータローがギターの教則DVDを出したの。あれも観てもらわないと(笑)。タイトルは『古市コータロー/カッティング&コード・ワークの真髄』。なんとコータローときたら、ジャンプの決め方まで披露してる(笑)
 
古市:そこまで懇切丁寧に指導する教則ヴィデオ、教則本の類は今までなかったでしょうね。画期的だと思います。
 
加藤:ともあれ、コレクターズも20年近く走り続けてきたわけだけども、来年の20周年を一つの区切りとしてさらにパワーアップしていきたいね。ただ心配事がひとつあるんだよ。
 
──何ですか、一体?
 
加藤:20周年ってことでコロムビアやファンの方から“お疲れ様でした~”ってことで卒業証書かなんか貰っちゃうこと(笑)。これだけが唯一心配だなぁ(笑)。まだまだ現役でいたいよ(笑)。
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