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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】スケルトンズ(2005年7月号)- ナンセンスというかB級というか。でも、曲はA級。

ナンセンスというかB級というか。でも、曲はA級。

2005.07.01

2002年ギタースケルトンこと千葉と初代メガネスケルトンこと後藤正文(現ASIAN KUNG-FU GENERATION)の2人で結成されたスケルトンズ。昨年6月には1st.シングル『lincoln』、7月には早くも2nd.シングル『とびだせ! 悲しきてんとう虫』をリリース。そして2005年7月いよいよ2nd.アルバム『カエルのうた』がリリースされます。「真面目なことを真面目にできない人間」と千葉さんが言っていたように、一見お遊びのバンドかななんて勘違いしてしまいがちですが、そんなことはありません。バンドの初期衝動をそのままやっているという感じ。真剣にいい歌書いていい曲歌って、真剣にコントやって(!!)、たまにライブ中楽器も持たずにダンス踊って...脂の乗り始めた年齢の方々が本気でやっている。それがそのままCDから伝わってくるから面 白い。最高のアルバムが完成したのではないかと思います。今回は、ギタースケルトンこと千葉剛久氏とメガネスケルトンこと南雲マサアキ氏に相づちを打つヒマも与えないぐらいのノンストップで語っていただくことが出来ました。楽しいインタビューになりましたよ。(interview:やまだともこ)

ナンセンスというかB級というか。でも、曲はA級。

千葉 南雲:(ハモリ気味に)しゃべるぞー!!

───(笑)早速ですが、7/27に1年半ぶりのアルバム『カエルのうた』がリリースされますがこのタイミングでアルバムを出そうと思ったのは?

千葉:ほんとは昨年の末ぐらいに出す予定だったんですが…。

南雲:昨年シングルを2作連続で出してたので、ホップステップジャンプのはずが曲が足りなくて…。今回は煮詰めるのに時間がかかったんですよ。ちゃんとジャンプできていればいいんですけどね。

───いいものを作ろうというときにナゼ煮詰まった心境になったんですか?

南雲:前回シングルを出した時思ってたより反応があって、今までは楽しくやるっていうのが目標だったんですけど、もうちょっと理解されたいというのがでかくなってきたんです。技術的にも向上していきたいし、楽しくやるにも頑張らなくちゃ楽しさは持続できないなっていうのに気付いたのでもっと真剣にやろうぜ! って。

千葉:レコーディングの合間も練習を重ねて、普通 のバンドより1曲録るにも時間がかかったんです。

南雲:年齢的な差もありますし。

千葉:それを僕らはトニセンとカミセンって呼んでるんですけど。

南雲:僕がイノッチなんですけど。

千葉:僕が坂本くんなんですけど。ジェネレーションギャップがあるんです。例えばビートルズのあの曲みたいにしようって言っても知らなかったりとか。

南雲:最初の方はどうにでもなるかと思っていたんですけど、自分が音楽的に影響を受けてきた部分とか意外と差が広がっていて。ひとつひとつお互い理解しながらやってって時間かかっちゃったんです。

───16曲全部聞いてみて予想外の事がいっぱいあって。このタイトルは…っていうのが意外と良かったり。ハズしの美学みたいな。

千葉:そこは狙ってるし、意識してます。ナンセンスというかB級というか。でも、曲はA級。…自分で言ってたら世話ないですね(笑)。

南雲:あえて超王道のこととハズしたもののバランスをね。

───『とびだせ! スケルトンズマン(M-1)』も最初はなんだか分からないですからね。でも、これがいい曲だったり。ただ、ちょっと外れたギャグのセンスとか、トニセン部隊はいいけどカミセン部隊はどうなの? というのがあるかと思うんですけど。

千葉:あるのかもしれないですね。もしかしたら(笑)。

南雲:トニセンのほうがけっこう変な方向に向くときがありますよ。リーダーが年甲斐もなく一番悪ノリするタイプなんで。僕が軌道修正しているんです。

───なんだかアピールしてますねー(笑)。千葉さんに聞きたいんですが、南雲さんは必要なのかと。

南雲:そういうとこは真面目に答えて下さいね。

千葉:まあ必要な部分もありますけど、別 に彼じゃなくてもいいかな(笑)。

南雲:正直、僕は二代目メガネスケルトンとして、アジカンのゴッチさんの後がまで入ったのですごいプレッシャーなんですよ。

千葉:音楽的には助けられてる部分はすごいあるんですけど…。人間的にだめな人じゃないですか。それを自分ではカバーできてると思ってるみたいなんですけど、出来てないですからね。

南雲:ファニーさが…。

───なにがファニーさですか!! そのファニーさが寸劇を入れたりしてしまうわけですね。でも全体的に面 白いアルバムでしたよ。寸劇ありでお遊びなのかなと思いきや、『最後の歌(M-16)』のようなものすごくいい曲もあったりで。

千葉:『最後の歌』で引き締めているんですよ。今までのを覆して最後にどんでん返しです。

───前作の「トゲホネロック」聞いて、ヤバイバンドがいるんだなと思ったんですが、今回アルバム聞いてやっぱりヤバイバンドだなというのが正直な感想でした(笑)。この『h.A.R.u(M-15)』は完全にt.A.T.uを意識してますよね。かなり時代が間違ってますけど…。

千葉:そうですよ! 前回のアルバムに『n.A.T.u(ナトゥー)』っていうのが入ってるんですよ(笑)。ナトゥーのころはまだちょっとリアルタイムだったけど…今頃まだやってるよって(笑)。

南雲:明らかに売れるもんではないかもしれないけど、これを女子高生とか若い子たちに聞かせたいですね。そういうのに快感を覚えますね。売れなくていいとかではなくてめちゃめちゃ売れたいんですけど。

千葉:もともと下北のギターロックやギターポップシーンに入っていくつもりはなくて、そうじゃなくてもっと広いところで勝負したいんです。

───全体的にアニメの主題歌とかになりそうですよね。

千葉:それはけっこう意識してますね。

南雲:それでいて30過ぎの人にも違った感覚で楽しめるものを作りたいと思っているんで。

───フフッとしたおかしみみたいなものって、この寸劇では若い子はわかんないと思うんだけど。

南雲:わかんないと思いますよ。わかんないなりに違う捉え方ができるものを作りたい。曲にしてもそうなんですけど。

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