Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】ART-SCHOOL(2005年2月号)- 新たな一歩を踏み出した彼ら

新たな一歩を踏み出した彼ら

2005.02.01

君と僕の歌

──そういえば、今回このアルバムを聞いていて、前作もそうだったんですが、より“女性像”が浮かび上がってきてるように取りました。なんとなく“性”的なイメージもしましたね。このCDを制作する上でイメージしていたことってあります?
 
木下:ギリギリに追い込んだところでのコミニュケーションを歌いたいなと思って。基本的にYOU & MEソングが作りたくて、言葉にするとばからしいんだけど、結局ロックって君と僕の歌っていうところしかないのかなって。別 にYOUが男の子でもいいんですよ。ライブって人がいっぱいいるけど、君と僕っていうのは1対1でしょ。でも、ひとつになれないんだよね。そういうとこが共有できるかなと。だからこの先もYOU & MEソングはずっと歌うと思いますよ。それしか自分はできないし。あとね性的な感じがしたというのはね…。
 
──前作に比べると生々しいっていう気はしたんですよ。今まではそういう言葉でもオブラートに包みつつな詞が多かった気がするんだけど…。
 
木下:でもやりたいとか書いてないじゃん(笑)。ほんのちょっぴり隠してるからよけい生々しく感じるのかなあ。
 
──それはあるかもしれないですね。隠していた方が生々しいっていうのはね。でも、今までは人間の一番深い闇みたいなところで「死」のイメージだとしたら、今回は「性」だなと。
 
木下:生きることとか死ぬこととかSEXは絶対歌にしますよね。それしか書きたいことないし。大声で歌いたいことがないです。
 
──そういうことを聞き手に伝えたいと…。
 
木下:キッズでもティーンネイジャーでも結局は心を熱くさせられるかだと思うんですよ。あとは大人が聞いても楽しめるものを。
 
──確かに大人の人が読んで「分かる」っていう詞ですもんね。ところで、前作から今作を作るまでの心境の変化とかあったりしました?
 
木下:前作はメンバー変わってすぐっていうのもあったからかなり勢いで作ったな。今回は、世の中がより重苦しいカンジがしたんですよね。でも、そういうとこから一歩出たいなって思ってるんだよ、みたいなものを作った気がしますね。って、そこだけだとすごい暗い人みたいなだな、俺…。今のART-SCHOOLというか俺にしか作れないものを作ったと思ってます。
 
──この作品はいつぐらいから作られてました?
 
木下:これ以外にもたくさん作っていて、昨年の秋冬にかけてはよく作ってましたね。
 
──秋ですか…。秋って何にもなくても妙に寂しくなる季節じゃないですか?
 
木下:寂しい。
 
──そういう時に作った曲だから今回のようなどこか寂しげな仕上がりになったのかなっていう気がしたんですが。
 
木下:うーん。でも、ポップに作ったことがないから。日々いろんなことありますからね…。だから今年は山場な気がするんですよね。今年生きて行けたらたぶんずっと生きていける気がするんですよ。
 
──え?
 
木下:気分的にね。だって人間いつ死ぬかわからないじゃないですか。
 
──じゃあ今年は大きなプロジェクトを考えてたりするのですか?
 
木下:アルバム作って、大規模なツアーやってっていう年末ぐらいまでの予定は立ててますね。今年は音源いっぱい出すと思うんですよ。曲はいっぱい作っててイイ感じなんで。不器用に歩いてきてるけど、それなりにがんばって大きくなっていってるよーみたいな姿を見せてあげたいですね。DVDも出したいなと思ってるし。すごい忙しそうでしょ?
 
──はい。
 
木下:そうですよね。ね、山場でしょ(笑)。あとは精神的には乗り越えればね。
 
──今年始まったばかりだし、まだ2005年1発目のリリースですからね。
 
木下:1作目はちょっと重かったけど、2作目はポップなものを作りたいと思ってますよ。『LOST IN THE AIR』が灰色の部屋の中みたいなイメージで作りたかったけど、次は照りつける太陽みたいなイメージはないけど、やわらかい光の感じにしたいですね。
 
──もうこの作品の曲はライブではやってたりします?
 
木下:やりたいんですけど、技術的に難しいんですよね…。
 
──2月からはツアーも始まりますからね。どんなライブにしたいですか?
 
木下:凄く危ういカンジになるんじゃないかな。ぜひ見に来て下さいってカンジじゃないんで…。見ればいいじゃん!って思います。(笑)。
 
──ライブ見るとお客さんのノリが想像以上だからビックリしますよ。
 
木下:基本的には目閉じて歌ってるからわかんないけどね(笑)。自分自身にいっぱいいっぱいなんですよ。
 
──(笑)。あとアルバムに関して読者のみなさんに伝えたいことがありましたら。
 
木下:いいと思うから買って下さい。今回はこういうアルバムですけど、次は明るいですよ。そこで始めて「変わったね」って言われたいですね。次もちょっと楽しみにしててください。
 

違う一面を見つけてみました

──ところで、余談ですが前回のインタビューでダウンタウンが好きということがかなり反響あったんですけど、最近はどうなんですか?
 
木下:好きですよ。お笑いのDVDとかめちゃめちゃ見ますよ。おぎやはぎとバナナマンとアンガールズ。その3つはすごく好き。おぎやはぎとか自分でDVD買ってますからね。ミュージシャンのDVDはあんまり買わないのに、おぎやはぎのはピーンと来る。人間心理とか、お笑いの中でも冷たいカンジがすきですね。アンガールズは何か分からないけどオモシロイと思います。
 
──やっぱりそういう一面もあるんですよね。
 
木下:ありますよー。なんとか打破していかないと。イメージほんとヤバイからね(笑)。
 
──じゃあ、KINOSHITA NIGHTでお笑いの方が出るってどうですか?
 
木下:いやいや(笑)。でも、KINOSHITA NIGHTは夏にやろうと思ってます。東名阪と福岡で。
 
──もうバンドは決まってるんですか?
 
木下:そうだね~。去年の3月以来やってないから、いいメンツでできたらと思ってますよ。期待しててください。
このアーティストの関連記事
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻