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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】NOT REBOUND(2004年7月号)- 栄光の10年を総括した超濃厚ベスト・アルバムをリリース!!

栄光の10年を総括した超濃厚ベスト・アルバムをリリース!!

2004.07.01

 すでにその人気は全国区ながら、活動の拠点を今なお名古屋に置き独自のペースでライヴを続ける我らがNOT REBOUNDが今年目出度く結成10周年! あれから10年もこの先10年も、振り向かず急がず立ち止まらず、ノットリは輝けるポップパンク・トリオとして最高の爆裂パンクンロールを聴かせてくれるだろう。そんなノットリの"途中経過報告"としてカタギリ(b, vo)に祝いめでたな10年を存分に語り倒してもらった。(interview:椎名宗之)

録り直してみて新たな発見が一杯あった

──結成から10周年ということで、ご当人としてはどんなもんなんでしょう?
 
カタギリ:39ちゃん(LOFT RECORDS)から今回のベスト盤用に昔の写真を用意してくれって言われて、それを見てたら若かったですね、やっぱり。いろいろあったなぁって思いましたよ(笑)。10年前って言ったら、まずドラムが違うんですもん。
 
──前身バンドのUNDER THROWが終わった時に“もうあの頃に戻るまい”っていう思いから〈NOT REBOUND〉と名付けたんでしたよね?
 
カタギリ:そうです。まぁ、楽曲的にそんなに変わったわけでもないんですけどね。
 
──“これだけ歩いてきたんだな”っていう感慨みたいなものはありますか?
 
カタギリ:いや、何にも感じないっていうのが事実なんですけど(笑)。ベスト盤を作るっていうのがあったから“10年かぁ”っていう意識はあるんですけど、誰も何にも言わなかったらたぶん気付きもしなかったんじゃないかっていう。そんなもんですよね、ホント。別 に10年を目標にしてたわけでもないし、たまたま10年経ってしまっただけだし。
 
──今回のベスト盤は全曲再録音、新曲2曲を加えつつ約半分の曲がニュー・ヴァージョンという如何にもノットリらしい荒技ですが(笑)、これはやはり、今の自分たちの音で伝えようと?
 
カタギリ:技術の面ももちろん進歩してるし、過去の音源はそれぞれスタジオが全部違ったので録音状況が良くなかったのもあったし、今の自分たちの力でやりたいなっていうのがあって。録り直してみて新たな発見が一杯ありましたよ。特に〈わや〉だったり〈PUSSY MAN〉なんて、今ならこんな単純な曲は書けないかもしれないなぁとか、どっか頭で考えちゃうし。きっとこの時だからこそ書けた曲だと思うし。
 
──単独の音源はもちろんですけど、ノットリはオムニバスにもいい曲がかなり多いじゃないですか。だから選曲が結構悩みどころだったんじゃないかと思うんですけど。
 
カタギリ:曲はメンバーとISHIKAWAさん(TIGER HOLE)とで決めたんですけど、特にぶつかることもなかったですね。オムニバスに関して言うと、今現在手に入らないものはボーナストラックで入れました。
 
──〈わや〉が出来た時に、この曲が自分たちのやりたい方向性を気付かせてくれたと仰ってましたよね。曲が導いてくれたというか。私見ですけど、10年経ってもノットリの持ち味は今もこの〈わや〉に雛形として凝縮されている気がするんですよ。
 
カタギリ:そうですね。たぶん20年経ってもそうだと思いますよ。やっぱり僕はLAUGHIN' NOSEを観に行ったら〈GET THE GLORY〉をやってくれたら凄く嬉しいっていうのがあって、自分たちもそう在りたいっていうのはありますね。
 
──何より、〈わや〉は曲の鮮度が今も全く失われてないですもんね。
 
カタギリ:ありがとうございます。“わや”っていうのは名古屋弁で、“ダメになっちゃう”っていう意味なんですよ。『わやんなっちゃう』っていう使い方するんですけど。英詩の中に入ってくる日本語が名古屋弁って面 白くない? っていう軽いノリで(笑)。
 
──その一方で〈ジンジャーエールグラフティー〉みたいな何とも甘酸っぱい曲があるのもノットリの強みですよね。
 
カタギリ:〈ジンジャーエール~〉はダイちゃん(マツバラ/g, vo)が書いてきたんですけど、高校も一緒だったし、毎日のように遊んでいて、その頃のことが思い出されるような曲で、今聴いてもドキっとしますね。曲に関してはお互い深いところまでは説明し合わないんで、向こうがどういう曲を書いてくるのかなっていう興味が単純にあるし、あいつがこういうのを書いてきたからこっちはこんなのを書いてやろうっていうのもあるし…。お互いそうなんでしょうけどね。メンバーに影響されたっていうのは、バンドが10年続いた原動力でもあるのかもしれないですね。
 
──こうして収録曲を振り返ると、やっぱり3rdアルバムの『NICE TO MEET YOU』がひとつの転機だったんじゃないかという気がしますが。バンドのダークサイドと呼べる面 が垣間見えるようになって。
 
カタギリ:明らかに変わりましたよね。1st、2ndの頃は曲が溜まったから出してたんですよ。だけど3rdの時は全くのゼロから、アルバムを作るために曲を書くっていう作業を初めてしたので、“こういうアルバムにしたいからここにこの曲が欲しい”みたいな作り方をしたから、作り方そのものがまるっきり別 なんですよね。
 
──でもそれを経てこそ『HAPPY?』というバンド初期を彷彿とさせるノットリ節直球のアルバムが出て、“これだよ、これ!”っていう…。
 
カタギリ:そうですね。変化することに対してあまり自覚的ではないんですよね。普通 に仕事して、週末にはライヴをやって。それがストレスを発散する部分でもあるというか、まぁ楽しいですから。
 
──ノットリの場合、音楽活動を続ける上でまず生活ありき、という部分を優先していますよね。
 
カタギリ:生活を犠牲にしたがために、バンドをやめなきゃいけないっていうのはイヤなんですよね。それで後悔して、バンドのせいでこうなったとかも思いたくないし。
 
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