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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】SteAd(2004年5月号)- すべての人の心の彼方へ!

すべての人の心の彼方へ!

2004.05.01

 すべては"ココロを伝える"為に。感情剥き出しのギターも、歌詞を彩るベースラインも、躍動感に溢れたドラムも、そして悲しさと優しさを兼ね備えた歌声も、すべては魂を伝えることにのみ心血が注がれている。SteAdの1stミニ・アルバム『ココロノ彼方ヘ』は、痛ましい程の愚直さ、耐えきれぬ 程の焦燥をも時に感じさせる。いや、だからこそSteAdの音楽は聴き手のココロを鷲掴みにし、揺さぶり続けて離さないのだろう。泥にぬ れても、雨に打たれても、それでも前を向いて一歩を踏み出す人の為に彼らの音楽は、ただそこに在るのだ。(interview:椎名宗之)

楽曲を中心にすべてが動いている

──結成は高校時代ということなんですが、もともとは4人編成だったんですよね?
 
中西友彦(vo, g):ええ。でもこの3人になってからもう2年くらい経ちますね。オリジナルのメンバーは僕とベースの森君だけで、バンドを真剣にやるようになってきて、気が付いたらこの3人になってました。
 
──“SteAd”(スティード)の由来は?
 
森 慎二(b, cho) :僕が単車が好きで、高校生なら誰でも一度は憧れる“STEED”(HONDAのアメリカン・カスタムバイク)をもじって付けたんです(笑)。
 
北野辰弥(ds, cho):バンドに加入して1年くらいは、これが単車から取ったなんて知りませんでしたよ(笑)。
 
──今回リリースされる1stミニ・アルバム『ココロノ彼方ヘ』ですが、自身の手応えはどうですか?
 
森:今自分達でできる最高値を形にできたと思ってます。自信作ですね。
 
中西:手応えは充分ありますよ。これまでにも自主で3枚CDを出していたんですが、でも今回ばかりはレコーディングの方法ひとつを取っても随分と勝手が違っていて、まぁ今までの経験をうまく活かせたんじゃないかと。
 
──制作にあたって主眼を置いたところは?
 
中西:やっぱり楽曲ですね。楽曲を中心に全部動いてますね、このアルバム自体が。ギターに関しても、ソロで弾きまくるというよりは歌と曲が活きる演奏を意識してますから。どの曲が代表っていうよりも、どれもシングルにできるような凝縮した作りにしたつもりです。
 
──じゃあ、演奏面も歌を引き立たせることを第一に考えて。
 
北野:そうですね。歌を活かすようなアンサンブルを心懸けました。レコーディングの時は“感情”っていうのをいつも一番に考えてますね。曲に対する思い入れがあれば、ドラムにしろベースにしろ感情がこもると思うんで。それがいい感じに音に表れてると思います。
 
森:“こうしよう、ああしよう”っていうのは余り考えずに、自分のなかから自然に出てくるフィーリングでやってますね。
 
北野:そう、ムダなものはどんどん削ぎ落としていって。
 
──そういえば、シェルターのパブタイムでお馴染みの(笑)、 三原(重夫)大先生もドラムチューナーとして参加されているんですね。
 
北野:そうなんですよ(笑)。最初はチューニングだけして帰りはる予定やったんですけど、こまめに指導までして頂いて。
 
──歌詞もサウンド同様、ヘンな装飾が一切ないストレートなものですね。
 
中西:如何に自分にまっすぐ正直であるかというか、その時々の感情をあるがままにぶつけてますね。最初は僕が弾き語りの形でメンバーに聴かせるんですよ。2人のアレンジを経てだいぶ曲調が変わったりもするんですけど、それがかえっていい結果 を生むことがありますね。初めは結構、抵抗があるんですけど(笑)。
 
──このアルバムの収録曲でも、そういったケースはありました?
 
中西:〈いつの日か〉はそうですね。最初はバラードだったんですけど、それがこんな激しい曲になったり。
 
──何気ない日常生活の、ふとした瞬間や感情の機微をわかりやすい言葉で描写 してますよね。生活に根差した音楽というか。
 
中西:特に意識はしてないですけど、僕のなかのどこかに生活というものがテーマとしてあるかもわからないですね。〈日々を斬る〉とか〈道は続く〉とか、アルバム・タイトルが『生活』って付いてもいいくらいの曲が収められてるし。
 
──『ココロノ彼方ヘ』というタイトルは、最初からこれで行こう、と?
 
中西:いや、8曲を全部通して聴いてから決めました。とにかく聴いてくれる人に届いてほしい…っていう願いを込めて。
 
森:ライヴでは馴染みのある曲が多いですけど、一番最初にバンドで演奏した時に比べたら曲そのものがかなり成長してますよね。今現在の僕らの一番煮詰まった部分がこの8曲になるんだと思うし、その意味でも今のSteAdのベスト・オブ・ベストですね。
 
中西:うん。アルバムとしての面白さも出てると思うし。
 
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