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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】ワタナベイビー(2004年5月号)- 世田谷が誇る稀代のメロディーメーカー、約5年振りのソロ・アルバムを完成!

世田谷が誇る稀代のメロディーメーカー、約5年振りのソロ・アルバムを完成!

2004.05.01

ホフディラン活動休止から、約1年4ヶ月。そして、ソロ名義としては約5年振りとなるアルバム『ベビースター』をリリースしたワタナベイビー。それも、レコード会社移籍第1弾となる記念すべき作品なのです。多くの人々が彼の奏でるサウンドを待ち焦がれていたと思いますが、正に「お帰りなさい」という気持ちで満たされてしまいます。そして、こんなにポップ&キュート&キャッチーな極上の作品を届けてくれて、本当にどうも有難う!(interview:TOMO)

自分で自分を待望してしまいました(笑)

──5年振りのソロ・アルバムをリリースされましたが、この中に収録されている曲はいつ頃から書き溜めていたものなんですか?
 
ワタナベイビー:厳密に言いますと、2000年から2003年くらいの作品が主ですね。
 
──では、新たにこのアルバムに収録する為に書いた曲っていうのはありますか?
 
ワタナベイビー:〈サヨナラホームタウン〉というインストの曲は急遽、書いたものですね。まず、昔からある楽曲を吐き出さないことには、どんどんウチの押し入れに溜まっていく一方なので(笑)。
 
──アハハ(笑)。ご自身の解説の中でも書かれてましたが、1曲目の〈ミスター・フィーリン・ファイン〉は “戻ってきたよ”というような内容の曲なので、その曲も最近、書かれたのかなぁって思ってたんです。
 
ワタナベイビー:結構、そうでもないですね。その曲は2~3年くらい前に書いたもので。
 
──あ、じゃ、その頃からご自身の中でもそういう想いがあったんですか?
 
ワタナベイビー:そうですね、やっぱりある曲を書いていても、“このアルバムには向いてないな”って引っ込めちゃうことが割とあるんですよね、バンドでやっている場合には。だから、自分で自分を待望してしまったと(笑)。
 
──でもこの曲を聴いて、私は本当に「お帰りなさい!」って思いました(笑)。
 
ワタナベイビー:あっ、有難うございます(笑)。
 
──それに1曲目なので、尚更そういう気持ちが強いのかなとも思ったんですが、やっぱり1曲目に持ってきたっていうのは、そういう気持ちもあったんですか?
 
ワタナベイビー:そうですね、割と(笑)。景気良いかなぁと思いまして。
 
──あの、私はホフディランを、ごめんなさい、余り聴いたことがなかったんですが、こういうテイストの曲もあるんだなぁって思って、意外な反面 、面白いなぁとも思いました。
 
ワタナベイビー:あ、そうですね。結構、最初に出たイメージが良かれ悪しかれ“のんきな”とか“ほんわか”とか、“ほのぼの”とか言われてまして(笑)、それはもう、ある一面 に過ぎない感じだったんですよね。だからこういう曲はゴロゴロあるみたいなグループだったんですよ。けど、世に出る時…タモさんの『ミュージック・ステーション』とかに出る時はほんわかとした曲をプッシュしてたんで(笑)、日本中のお茶の間では“ほんわか”が浸透する訳ですね。
 
──なるほど(笑)。確かにそういうイメージは強いですよね。ご自身では、そういったイメージを持たれることについてはどう思わていましたか?
 
ワタナベイビー:“あ、面白いなぁ”と思ってましたよ、そのギャップが。
 
──“嫌だなぁ”という感じではなかったですか?
 
ワタナベイビー:あんまり言われ過ぎるというか、一時期“フォーキー”という単語が持てはやされてましたよね。それは抵抗ありましたけどね。“フォーキーってなんだ?”っていう。“フォーキーの中核”みたいに言われてまして、まぁそれで、……稼ぎましたけど(笑)。
 
──アハハハ(笑)。あと私、ワタナベさんご自身を“猫みたいな”っていうイメージがあって。
 
ワタナベイビー:あっ、そうですか(笑)。声が?
 
──声も雰囲気も。人って、猫系と犬系に分かれるじゃないですか。
 
ワタナベイビー:あー、犬は獰猛ですからね(笑)。
 
──あと、ミステリアスな感じも猫っぽくて。
 
ワタナベイビー:ミステリアスな部分は大事ですね。大事にしなくてもミステリアスになっちゃうんですけど、僕の場合(笑)。
 
──あんまり多くを語らないイメージもありますよね。
 
ワタナベイビー:そうみたいですね。語りまくってるつもりではいるんですが。相棒(小宮山雄飛)にすらあまり、多くを語っていなかったような…
 
──でも、何も喋らなくても通じ合ってるような感じですよね。
 
ワタナベイビー:そうですね、正にそういう関係ですよ。もし、向こうが何か言ってきたら“いちいち言葉で言うなよ、判ってるよ、そんぐらい”って。向こうもそうだろうしね。
 
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