タイミングがズレてリハに行けないんだよ
——今日もリハをやってたんでしょ?
来門:そうそう。今日はいい曲できたよ!
HUNTER:スタジオ帰り?
来門:うん。やっぱりさぁ、プラモが完成するよりも全然幸せだよね、曲ができるのって。
HUNTER:そうだよね。
来門:そういえばこの前、やっと“Zガンダム”ができあがってさぁ。2年かかったけど。
YUICHI:あ、でかいやつでしょ?
来門:そう、2万円。『questionary』っていうCDが出た時に買ったやつなんだよ、自分のおみやげに。それがやっと完成して。でも、それよりも全然嬉しい、曲ができた時のほうが。
YUICHI:曲ができた時って、おもちゃができた感じに近いよね。音のパズルみたいなのがあって、それを組み合わせていって、ひとつの曲になるっていう。嬉しくなって何回も聴いちゃうんだよね。
来門:最後にMCが入ると、全部完成するって感じ。
YUICHI:曲ができて、みんなが「これ、いいよ!」ってことになって、レコーディングして。最後にヴォーカルが乗ると息吹が吹き込まれる。
来門:すげぇわかる。俺達は最近、みんなで一発で録ったりもしてるんだ。みんなのテンションがガッと上がっていくのがわかって、楽しいよ。
HUNTER:あ、そうなんだ。ウチらはちょっと違ってて、パーツ、パーツを録っていって…。
YUICHI:レコーディングで組み立てていく。
来門:そっちのほうが、トラックはガッチリできるよね。“生”だと、どうしてもズレちゃったりするから。
HUNTER:でも、“生”の強みっていうのもあるじゃん。そのやり方でしか出せないグルーヴもあるし。
YUICHI:ウチらも、昔はそうだったけどね。『INVADE』の頃なんかは、まずドラムを叩いて、生の揺れは全部活かしてた。で、そこに打ち込みをコンライズしていって。
アイニ:凄いねぇ、それ。
来門:生のドラムに合わせて打ち込みを入れてくんだ?
YUICHI:そう。ズレてるところはプロトゥールスで合わせて。最近は、そういう細かいことも全部、自分達でやってるんだよね。キックがダブるのが嫌いだから、そこだけは合わせて、上はそのまま、とか。
アイニ:下だけリズムをきっちり合わせて、上は揺れてるってこと?
YUICHI:そうそう。
アイニ:へー、勉強になるねぇ。わかる?
来門:うん。俺もミュージシャンだから(笑)。
アイニ:(笑)でも、けっこう緻密にやってるんだね。(来門に向かって)ウチらも凄いよね?
来門:いや、あのさぁ、全然リハーサルに行けないんだよね。家から出るタイミングがわかんなくて。
HUNTER:わかる!
来門:スタジオに着いたら、もうあと30分くらいしかない、とか。今日はタイミングがズレたなぁっていう。
アイニ:しかも俺は、来門より遅いから(笑)。
来門:全然来ないよね、海の近くに引っ越してから。でも、引越してから、リリックがさらにかっこよくなった。
アイニ:解放されてるからね。
——なるほど。HUNTERさんはどうですか? リリックの調子は。
HUNTER:書いてますよ。でも、難しいですよね、リリック。サラサラっと書ける時もあるけど、悩むこともあって。悩むことのほうが多いかな、俺は。
来門:リリックの量が多いからね、マッハは。smorgasは少ないもん。でも、キマった時は気持ちいいでしょ? それが忘れられないから書いちゃうんだけど。
HUNTER:そうだね。
来門:でも、HUNTERって、レコーディングにいないタイプでしょ? 「お先に!」みたいな。
HUNTER:いや、ロビーでタバコ吸ってる感じかな。(タバコを吹かしながら)「あ、終わった?」っていう(笑)。
来門:コンビニ行ってきます!とか?
HUNTER:そうそう。やることないから(笑)。
来門:今度マッハがレコーディングしてる時、『ドラゴンボール』を持っていきますよ。ゲームキューブの。
YUICHI:あ、そういえば、『一歩2』(プレイステーション2ソフトの『はじめの一歩2』)買った?
来門:いや、買ってない。『1』はやってたけど。
YUICHI:俺は“青木”をかなり極めたんだけど…。[以下、『はじめの一歩2』の話が延々と続く]