息を呑むほどの広大な山々も、それを覆い尽くす樹々一本一本は全く違う表情を持ち、葉一枚一枚の色付き方も異なる。そんな当り前の事なのに、とんでもなく大切に思える瞬間がある。言葉や時間を超えた意味も無くワクワクソワソワする様な瞬間、DACHAMBOのaphrodelic ngomaにはその瞬間が凝縮されている。地球という星が生まれる時に叩き出されるリズム、そのメロディー、そこから始まったルーツミュージックへの憧憬を未来へと繋ぎ,昇華させる今この瞬間、悪と破壊が支配するカリ・ユガの時代と言われる現在においてDACHAMBOはお祭り騒ぎを提起する。DACHAMBO7人7様の色付きを地球というキャンバスに叩きつける一枚! 踊れ。PEACEへの近道。 (DACHAMBO村 村長 AO)
音楽は自由で、楽しいものだという当たり前の事
——DACAHBMOを始めるきっかけは何だったんだろうか? AOさんの前のバンドからの流れがあったと聞いていますが。
AO:それまでやっていた事に飽きちゃったっていうのが正直なところ。前のバンドを活動停止させる前に山のパーティーに沢山行って。そこの自由な雰囲気にやられちゃった。音楽ってもっと自由でいいんだって再確認できた。それまで凝り固まった「こうじゃなきゃ!」っていうイメージがいい意味で壊されちゃった。そしたらそれまでバンドで守ってきたイメージだとか、バンドの決まりきった音楽性が窮屈に感じて。自分の意識が変わっちゃったら、急に同じような考えを持つ友達が増えたんです。それも特別なことじゃないと思う。メンバーはちょうどいいタイミングで集まったんだと思う。hdちゃんにしても古くから知っていたけど、まさか一緒にバンドをやるとは思っていなかったし。BUKKAさんとはスタジオで知り合った。HATAさんは違うバンドを見に来ていたら、向こうが「俺、入るわ~、入れてよ~」っていきなり言ってきた(笑)。YAOちゃんは知り合いの結婚式でスカウトしたんだけど。偶然が必然となるいいタイミングがあったんだとしか言いようがないんだよね。
——EIJI君は、DACHAMBOの前のバンドからAOさんと一緒ですよね。
EIJI:そうだけど、俺が加入した頃から路線が変わり気味だったからね。DACHAMBOの最初の頃って、ミクスチャーロックみたいな感じだったんだよ。強面風な音楽だったよね。それからどんどん変わっていたんだけど。
AO:最初の頃は誰が何をやっていても良くて。誰が参加しようとしまいといいやって思って。よく言えば実験的なんだけど、本当のところまだどうでも良かった(笑)。そうこうしていたら、今のメンバーに定着しちゃった。
——ドラムが3人になっちゃったんだ?
AO:意図的な所じゃなくてね。
hd:俺はDACHAMBOでドラムはたたきたくなかったんだよ~。
AO:ひどい事言うねぇ、この人は(笑)。
hd:だって、このバンドまとめられないんだもん!(一同爆笑)
AO:(笑)俺はそれが好き。まとまんないずるずる感が。
——善意に解釈すれば、まとまっちゃうと音楽的にもなんでも決まりきった感じになっちゃって、魅力半減的なところもありますね。
AO:そう、飽きちゃう。そうなると二の舞じゃない。
BUKKA-BILLY:同じ事はやりたくないし、もっと言えば出来ないね。
AO:そう、技術的に出来ないだけだ(笑)。
EIJI:あの曲どうやったっけ? ってなるもんね。
——DACHAMBOの音楽を最初にやって何か漠然とでも方向はあったのですか?
BUKKA-BILLY:それはなかったんじゃない? 何かこの曲をやってみよう的なアプローチではなく、なんとなくジャム・セッションをやっていくうちに、自然とそれが曲になったというか。
AO:具体的にどうということでもなくて感覚。楽しい事がやりたいんだよね。
BUKKA-BILLY:その感覚の部分に忠実であることは明確だね。
EIJI:ビートの種類は何でも良かったし、アフリカでもラテンでも四つ打でもなんでも良かったしね。
AO:そうね、グルーヴ重視という事はあったかな。踊りたいという感覚。
EIJI:そのグルーヴ重視が、ドラム3人になっていっちゃったのかもしれないよね。真ん中は気持ちいいグルーヴ。リズムであふれたいという感じだね。
AO:そうだそうだ。俺はリズムが前に出るバンドがやりたかったんだ! 歌さえもリズムで絡まっている感じ。
DACHAMBO村と7人7様の<DACHAMBOさん>
——DACHAMBOの巻き込む力はすごいな~ってライブを見ててよく思うことがある。ライブの圧倒的な楽しさポジティブさが魅力の中心にあって。それと魅力の側面に人と人の気持ちが繋がることは難しいことじゃないっていうことをDACHAMBOの人となりや音の方向で教えてくれていることだと思って。しかも小難しくじゃ無く、とても自然に簡単に。
AO:簡単に繋がることが出来る人たちだからなんじゃないかな。そうじゃない人も沢山いると思うんですよ。物事難しく考えている人も世の中には存在しているわけですから。だから、今のDACHAMBOの環境はラッキーなんだって思う。
——心のバリアが低くて楽しむことを知っている人が沢山集まってきていますよね。
AO:同じにおいを嗅ぎ付けてきている感じはするよね。ただ、もっともっとそういう人は沢山いると思うし、現時点でそうじゃない人だって、こちょこちょってくすぐってみたら以前の俺がそうだったように変わっちゃうんじゃないの? って思うから、その辺もあえてこうじゃなきゃダメだっていうことはしたくない。DACHAMBOにはこれはダメだっていう規定を作る事はしたくないんだよ。
——そういう事からもDACHAMBOって変なバンドだな~って思う。バンドという枠を超えている感じもするし。
AO:それがお客さんを含めてDACHAMBO村って呼ばれている所以でもあるよ。
YAO:なんかね、みんなの輪の中心にDACHAMBOさんという一つの偶像があって、それに近づける為にみんなDACHAMBOをやっているんじゃないかな。
——その、DACHAMBOさんって何なのよ~?
AO:うーん、、、もしかしたら音楽じゃないのかもしれないし、、、。
EIJI:音楽に限定した感覚じゃないかもね、DACHAMBOさんは。つるっとした銅像が思い浮かんじゃうんだけど(笑)。
AO:何にしても、後光がさしていて煙の中にいるだろうけどね。(一同爆笑)
HATA:みんなの妄想?!。
AO:DACHAMBOは総合商社なんですよ。最終的には宇宙のゴミ拾いをするんだってOmiちゃんが言い出して(笑)。
EIJI:NHKで「地球の周りには人間が出したゴミがぐるぐる回ってて、スペースシャトルなんかもそのゴミをよけながら飛んでいるんだって」って言ったら、Omiちゃんが「え~! 人間は宇宙にゴミを捨ててんの? そんなのダメだからそのゴミを拾いに行かなくちゃ~! 青い清掃車でさー」って。
AO:宇宙まで行くのにはお金がかかるよ、じゃあCD売らなきゃ! っていう事になったんだった。
一同:爆笑
YAO:そんな事話してくるから、すごい人たちだな~なんかちょっと政治的なバンドだなって感動したんだけどね…。