Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】THE HOMESICKS(2003年12月号)- バンドだったりライブをやってなかったら、ダメな人間なんじゃないかなって

バンドだったりライブをやってなかったら、ダメな人間なんじゃないかなって

2003.12.01

既に食傷気味どころか、完全に飽和状態のパンクロックシーンに、彗星の如く顕れたのがTHE HOMESICKS。いや、ちょっと待って。文字情報だけで判断するのはあまりにも危険すぎる。要注意&要注目! というのもこのTHE HOMESICKS、あなたが音楽的に色眼鏡をかけているのかいないのか、はたまた本当にロックが好きなのか嫌いなのか? そんな風にリスナーが試される<本物>のロックバンドのような気がするからだ。気がするってちょっと曖昧でいい加減じゃない?! って思うなかれ。私自身、今日この日まで、話題沸騰な彼らのライブを体験していない事を、十二分に後悔している所なのだから。断言するのはそれからでもいいじゃないか。そんなこと問題がないくらいにとにかく、今一番ライブが見たいバンド、THE HOMESICKSのVO.ノザキジュンヤに電話攻撃。 (interview 荒木智絵)

バンドだったりライブをやってなかったら、ダメな人間なんじゃないかなって

──THE HOMESICKSを誤解を恐れずに言うとしたら、日本のバンドぽい。日本のロックバンドが好きなんだろうなって思うんですが。

ノザキ:そうですね。その通りです。あの、外国のバンドって格好いいんだけど。歌っている内容が耳に入ってこないじゃないですか。英語なんて全然判らないから。

──<伝わる>という事では、間接的な事になりますよね。

ノザキ:だけど、日本語のバンドは歌詞が耳に入って、脳に伝わって。その意味が理解出来るじゃないですか。いいこと歌っているなとか思えることも、日本語だったらありますよね。

──訴えかけられたり、共感してしまったり。そういう事がまた良かったりしますよね。

ノザキ:そう。持っているCDでいったら、日本の方が洋楽よりもちょっと多いくらいです。6:4くらい。

──そのことで、THE HOMESICKSの楽曲には、英語の曲もあったりするのですか?

ノザキ:いや、ないです。

──それは、ノザキさんの歌詞のイメージが日本語であって、先ほどの<伝わる>ということも関係してきますよね。

ノザキ:そうです。だって、元々英語なんてしゃべれないし、辞書も思うようにひけないし。そんな状態で英語の歌を作るという方が無理でしょう。日本人だし。

──歌詞に関してですが。これは実体験に基づいたものですか? それと東京に住む私としては冒頭の「東京」の歌詞がすごく印象的だったのですが。東京はなんにもねぇ街だって。

ノザキ:そんなの見れば判りますよ。すぐに判った。あの、東京にちょっと住んでたんですよ、数ヶ月間だけなんですが。その時、「面 白くないな」って思ってまして。結局のこのこ帰ってきて。それから1年たって、俺の友達が就職で東京に行くんだって聞かされて。本当は行って欲しくなかったんですよ。行かねぇほうがいいよって言ったんだけど、やっぱり行ってしまって。その時に、ギター持ってたら出来たんです。その時は、そいつのこととかそいつの為に曲をつくろうとか、そういう事は考えていなかったんですけど、出来上がってみて、改めて聴いてみたら実体験になってしまっていたような感じです。

──意識はしていないが、結果的にということですよね。

ノザキ:そうですね。今のところ、自分の中にあるものしか出せないということもあります。曲は、何でしょうね。スラスラ出る時もあるし、全くの時もあって。ギターを持ってジャカジャカやっていたら、出来てしまったり。鼻歌だったり。まぁ、家で出来ることが多いかな。やっぱり自分の中にあった物が何らかの形で出てくるような。思ったことがそのまま曲になってしまうときもあるし。

──その、1st.アルバム<THE HOMESICKS>がリリースされたばかりですね。アルバム通 して、イヤな感じに加工されて作り込まれてもなく、ライブ感も程々に感じられるような。今のTHE HOMESICKSでしか出来ない音がはいっているんじゃないでしょうか。

ノザキ:そうですかね。ただ単に、自分自身も含めて下手だな~って思いましたよ。

──いや、ご自身はどう思われるか判りませんが、技術云々じゃないと思うんですよ。今回のアルバムを聴いて、THE HOMESICKSのライブに無性に行きたい! って思うし、ライブの音とは絶対に違うんだろうなって。その聴き方が正しいのかどうかって言うのも判らないのですが。

ノザキ:そうかなぁ、、、。じゃぁそうなのかもしれないです。その辺は聴く人に委ねたいという気持ちもあります。

──結局、バンドサウンドにとって大事なのはリアリティーだと思うんですよ。音楽で第3者を動かすという意味では。それは虚構でも実体験でもよくて、どのくらいその楽曲だったりライブだったり、作り手が賭けているのかっていうことで、その賭けたものがリスナーに伝播していくんだと思います。その意味で、THE HOMESICKSの音は現段階のリアリティーにあふれかえっているじゃないかって思って、どうしようもない衝動につられてしまうような感覚を味わう訳なんですが。

ノザキ:そうですか、、、、。ただ、頑張らなきゃなって思うんですよ。なんか自分自身が中途半端な感じもあって。別 にバンドに関してだけじゃないんだけど、もっとやれるだろうっていう気持ちもあるんです。

──それは謙虚な発言ですね。ただ少し大袈裟な話になりますが、ノザキさん自身に関して、音楽を選ばなかったら、THE HOMESICKSをやってなかったらっていうことはないんじゃないかって思わせるんです。バンドだったりライブをやってなかったら、ダメな人間なんじゃないかなって。勝手な想像なんですけどね。

ノザキ:THE HOMESICKSをやってなかったら? それは考えられないなぁ。全く考えられない。

──なんか暴力的な言い方なんですが、目立ちたがり屋という意味じゃなくて、ステージに立つべき人が音楽という道具しか持たないで全てを賭けて歌っているような感じがして。私側の人間はTHE HOMESICKS側にどうしようもなく引きずられてしまうような、そんな感覚なんですよ。これはもうどうしようもない。一刻も早く、ライブに行きたい!

ノザキ:ライブ、ドキドキなんですよ。毎回毎回、緊張しちゃって。もともと、恥ずかしがり屋だし、寂しがり屋なんですよ。その割には人の前に立ちたいっていう気持ちもあって。あーだ、こーだ考えずに、やるだけなんですよ。考えるの苦手で、何か意識してやるということでもないんです。

このアーティストの関連記事
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻