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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】COMEBACK MY DAUGHTERS(2003年9月号)- シンプルかつセンチメンタルな直情メロディック・サウンド

シンプルかつセンチメンタルな直情メロディック・サウンド

2003.09.01

胸にぐっと突き刺さるフレーズとシンプルな音のなかでキラキラ輝くメロディが文句なしに素晴らしいCOMEBACK MY DAUGHTERS。地道に飾らずかっこつけず、自らのペースを大切に活動を続ける彼らがPIZZA OF DEATHよりアルバム・リリース決定! 心に響く歌へのこだわりや音楽に対する純粋な想いを感じながら、その音が届けられる日を待とう。(interview:藤坂 綾)

メロディが綺麗にのるためなら何でもする

──まずはみなさんの出会ったきっかけをお話しして頂けますか?

中津川:もともとは僕とベースの稗田(淳)が同級生で、一緒にバンドをやってたんです。それでヴォーカルの高本が上京してくるにあたって、「バンドをやりたいんだけど、一緒にやる人がいないから何か手伝うよ」って言うんで3人でやり始めました。最初の出会いはそんな感じです。

──もともと3人で活動してきて今は5人にメンバーが増えた訳ですけど、キーボードを導入しようというのは前々から考えていたことなんでしょうか?

高本:去年の12月くらいから5人でやってるんですけどね。その頃ちょうどツアーをやってたんですけど、初めは(小坂)裕亮に「運転手として一緒に行かないか?」って話をしてたんですよ。でも運転だけじゃつまんないかなって思って。で、キーボードも欲しかったし、「キーボードの練習してみますか?」って感じで始まり(笑)、それからずっとこんな感じで一緒にやってます。

稗田:キーボードはおまけです(笑)。

──(笑)おまけ…ですか…。

稗田:いや、ほんとは好きなバンドとかに結構キーボード入ったものが多いんですよ。今、一線で活躍してるミュージシャンとかニューウェイヴを通 ってきてる人が多いんですよね。ニューウェイヴって言っても、実際僕らはそんなにリアルタイムで聴いてきた訳ではないんですけど。

高本:ニール・ヤングとか独りでやってる人のバックでオルガンが流れてたりすると、凄くメロディが引き立ちますよね。ああいうの好きなんです。

──前作のシングルを聴かせて頂いて、メロディがとても綺麗だと思ったんですけど、曲を作る点ではやはりメロディに重点を置いているんですか?

高本:重要ですね、メロディは。僕はもうそれだけで曲を作ってますから。メロディが綺麗にのるためだったらもう何でもするっていう、そういう曲の作り方をします。一番大事にしてますね。

──なるほど。メロディを大事にしてるのは曲からも凄く伝わってきますよ。

高本:メロディがのるまではどういう曲になるか想像つかない場合が多いんですけどね。曲を作ってる最中も練習中も“訳判んない曲だな”なんて思いながらずっとやってたりして。でもメロディがのればそこでポコって収まるっていうか、“あぁ、こういう曲だったんだ”ってなるんで、そのメロディを壊さないようにっていうのも考えながら曲作りはしてますね。

──歌詞が全部英語詞なのは何かこだわりがあるんでしょうか?

高本:ありますね。自分のメロディが綺麗に出せるのはやっぱり英語だと思うんですよ。今まで作った曲は自分では英語のほうがかっこいいなと思ってて、これからも英語でやっていきたいとは思ってます。これから新しい曲ができて、日本語をのせたメロディのほうがかっこいいかなと思ったらその時は判んないけど。

──じゃあ、これからできる曲で日本語のほうがメロディに合うなと思えば、その時は日本語で歌うかも?

高本:ほんと“かも”ですねぇ。今まで一回も思ったことはないんですけど。でも日本語のほうがいい具合にのるんであれば、その時は。英語で唄いたいっていう気持ちがちょっとはあるのかもしれませんけど、特に意味みたいなものはないです。英語の響きとかも凄く好きなんですよね。自分の英語訳とか全然ヘタクソなんですけど、言いたいセリフみたいなものもある訳ですよ。それと曲の兼ね合いなんかも好きなんで、いろいろやっていきたいと思ってます。

──もう完璧に歌重視、メロディ重視なんですね。

高本:英語で作ろうとか日本語で作ろうとか、別に自分のなかで分けてる訳じゃないんですけど、やっぱり英語のほうがメロディに合うかな。

──次回のアルバムはいつ頃発売の予定なんですか?

高本:来年の3月か4月です。

──レコーディングはいつ頃から?

高本:12月かな。夏明けくらいからはアルバムに向けていろいろ取り掛かっていきます。

──今度のアルバムがPIZZA OF DEATHから発売ということですが、これはどういった経緯で?

稗田:もともとPIZZAのスタッフと僕が友達で、初めは冗談で「PIZZAから出そうか?」なんて言ってたんですよ。かれこれ3年ぐらいそんな冗談のやり取りが続いて、ただ何となく…(笑)。

──(笑)3年もの間そんな冗談のやり取りが続いて、“出そう”となった決め手は何だったんでしょう?

高本:やっぱりレーベルっていうのはあったほうがいろいろやりやすいのはありますよね。

中津川:最初は何から何まで全部自分たちでやってたから、お金が貯まったらCDを作るって感じだったんですよ。でも実際録音してから出すまでに1年以上空いちゃったりしたこともあって。そこら辺は勝手が判らなかったこともあるし、ダラダラやる感じになっちゃって。

稗田:CDを作ったりすることによってバンド活動がいい加減になるようだったら、「俺たちがやるよ」ってPIZZAの人に言われたんだよね。自分たちで全部やってるバンドもたくさんいるじゃないですか。でもPIZZAもそんな感じがするんですよね、自分たちの手で全部やってるって感じが。

高本:うん、するね。

人生とまではいかなくても、音楽はその日一日を変え得る

──どうですか? 実際PIZZAからアルバムを出すということになって、今のお気持ちは。

高本:僕らは僕らのやり方で結構今までわがままにやってきて、その形でバンドが出来上がってるところもあったんですよ。そういうのを徐々に見てもらったり話をしていくうちに、何かとんでもないことができそうだなって思い始めたんで、PIZZAの力を借りて、今までにないようなPIZZAのバンドになりたいなと思います。わがままなんですよ、ほんとに。だから逆にPIZZAから怒られるくらい好き勝手やりたいな、と(笑)。

──わがまま放題好き勝手にやっていきたいなって感じですかね。

高本:はい。今はPIZZAの力を借りたほうがもっといい音楽ができるような気がするんですよね。そのくらいサポートしてもらえそうに思っているんで。

稗田:まぁ、結局は自分たちなんだけどね。そこを忘れちゃダメだとは思います。

──プレッシャーは?

稗田:ない!(笑)

──今現在、アルバムのイメージとか何か考えていることってありますか?

高本:一杯ありますね。曲の統一性なんかも考えて、やりたいことを全部入れ込みたいですね。でもあんまり普通 にしたくないなっていうのもあります。

──今後バンドでやってみたいことってなんでしょう?

小坂:大きいツアーをやってみたいですね。全国廻るのとか。

──今までは何ヵ所くらい廻ったことありますか?

稗田:一回、海外のバンドと一緒にツアーやった時に6ヵ所くらいかな。九州くらいまで。アルバムを出したら、今度は自分たちがメインでツアーをやってみたいですね。

臼倉:俺はアメリカへ行きたいんですよ。

──ライヴとかで?

臼倉:いや、ライヴじゃなくて(笑)。アメリカのゲームが凄く面白いんですよ。それとバスケット観たいです(笑)。ツアーで行けたら凄くいいんですけどね。

小坂:僕もアメリカは行ってみたいです。一回行ったことあるんですけど、凄い田舎のほうに行っちゃって、あんまりアメリカを満喫できなかったので(笑)。

高本:僕は日本で行ったことのないところに行きたいです。初めて行くところってやっぱり面 白いですよね。ツアーが楽しくてしょうがなくて、音源を作るのが延びてたってところも少なからずあるとは思うんですけど…やっぱり楽しい! 食べ物もおいしいし、人も全然違うしね。

稗田:でも、こいつ(高本)はビールが飲めればどこでもいいんだよ(笑)。

高本:それもありますけどね(笑)。でもいろんなところに行ってみたいなと思います。

稗田:まぁ、いい音楽をやって、ライヴで高揚して、いつも楽しくしていられればいいですね。音楽は人生を変えますよ。

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