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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】smorgas(2003年9月号)- ライヴ・バンドとしての自覚が増え、より直線的に

ライヴ・バンドとしての自覚が増え、より直線的に

2003.09.01

ライヴ・バンドとしての自覚が増え、より直線的に

──この2年間にいろいろありましたねぇ。まずあらきゆうこ(Dr)さんが脱退して。

来門:そう、いきなり辞めちゃったねぇ、ゆうこさん。

SENSHO 1500:いきなりだったねぇ。

来門:突然「話があるの」って。俺それまで全然知らなくて。「えぇー?」って(笑)。

──でも、そこから智恵子さんの加入まで、すぐでしたよね。

来門:そう。智恵とは5~6年前からの知り合いで。うちの義理の姉ちゃんとバンドやってたんですよ。すごい力強くてカッコいいドラム叩くと思ってたから。

SENSHO 1500:で、ゆうこさんがコーネリアスのツアー・サポートでいなくなる時は智恵がサポートしてくれてたし、じゃあ智恵にはこのまま叩いてください、と。

来門:それまで智恵、パチンコ屋のMCだったからね(笑)。「7番台出ましたぁ、ありがとうございます」って。フリースタイル(笑)。

──素朴な疑問なんですけど、ドラムが女性っていうことにこだわりがあるんですか?

来門:いや、気にしてなかったんですけどね。

SENSHO 1500:来門が暑苦しいからヤだって言ってたんじゃん(笑)。

来門:そうだっけ(笑)。でも女性男性関係ないし、智恵のドラム見てファイヤー感じたから。あと、アンバランスな感覚も好きなんですよね。女性なんだけどすっげぇハードなドラム叩くっていう。それってカッコいいし。

──確かに。で、当然ドラムが変わればグルーヴも変わりましたよね。簡単に言うとロック感がよりはっきり出てきたような。

来門:ゆうこさんの時って、ブレイクビーツを外さないんですよ。一個一個が重くて。でも智恵はちょっと走るんですね。それがすごい情熱的で、歌もすごい乗せやすいし。だから智恵が入ってから加速した感じ。

SENSHO 1500:どんどんライヴしていくうちに、ライヴ・バンドとしての自覚が増えてきて、初期衝動的なものに逆に向かっていったというか。もちろんロック的なものは好きだったから、もともと素養としてはあったんでしょうけど。ライヴやってくうちにバンドに目覚めて、より直線的になったっていうか。(ブレイクビーツの)再生ボタンなんて押してらんねーぜ、みたいな。

来門:前はその、同期ものがみんなをつなげてたけど、みんなで曲を作るようになって、ハートでロックするってところでつながれたというか。

SENSHO 1500:逆にそうなることで、一人一人の自覚は出てきたよね。

──はい。そしてアルバムなんですが、はっきり言っちゃうと、ベタであるくらいにストレートな作品だなって思ったんですよ。

来門:ベッタベタだよねぇ(笑)。

──もうタイトルからして(笑)。

来門:うん。もう“ELECTROCK!”って、ほとばしるパワーを撒き散らす感じで。

SENSHO 1500:突然夜中に来門から電話かかってきて「“ELECTROCK”でどうかなぁ?」「あぁ、いいんじゃない?」「判った! ツー、ツー、ツー……」って(笑)。

──このストレートさを出すにあたって、一番ポイントになったところって?

SENSHO 1500:「月風のサムライ」ですね。これ一番最初に録ったんですけど、6人全員で一発録りだったんですよ。その印象がすーごい強くて。だからきっかけとなった曲。

来門:Takutoっていう俺の友達、JPCバンドってやってるんですけど、彼を呼んで3人でMCやったらすっごい調子よくて。3テイクぐらいでばっちり。

──その勢いのままできちゃったような?

SENSHO 1500:そうですね。出始めたらもうバーッと出てきちゃって。子供っぽい遊び方だとも思うけど、ほんとクリックも聴かずにライヴそのままでやってるから。

来門:でも遊びだけじゃなくて、「ストレートメッセンジャー」とか、ほんとシンプルなものもあるし。

──この反戦ソングは、いち早くダウンロード配信してましたよね。

来門:そうですね。やっぱ理解できねぇものは理解できねぇし、同じ思いをしてる人もきっといるはずだから、その突破口を。有事法制とかもめちゃくちゃじゃないですか。みんな考えてるのに誰も言わないから、じゃあ俺行きます! って。そこにみんなが付いてきてくれたら、もしかしたら奇跡が起こるかもしんない。そういうのを信じて。ボブ・マーリィーとかも音楽でずっと奇跡を起こしてきたのに、それをいきなりアメリカの政府が潰しちゃったじゃないですか。それはダメだと思って、もっかい音楽で立ち向かっていきたいですよね。暴力じゃなくて、音楽で。

──実際の反響も大きかった?

SENSHO 1500:直接誰かとそういう話になったってわけではないんだけどね。でも、一日のダウンロード数とか見てたらね、反応あるって思えるし。

来門:LAで録音したから、この曲、アメリカでも唄ってきたんですよ。で、ミックスしてくれた人が「アメリカじゃ、今こういう反戦ソングは唄えない。お前ら日本語で何言ってるか判んないけど、とりあえず気持ちは伝わってきた」って。「日本のお前らみたいな奴がそういうことを唄ってくれ、俺も戦争は反対だ」って言ってくれたんですよ。

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