アジカンやってよかったなって死にたいですね。
──ROOF TOP初登場ということで、バンド結成の話をして下さい。
喜多（建介／G&Vo）：96年春に大学のサークルで4人が出会いまして今に至ってます。
──え…かなりはしょられてますが…。皆さんは大学に入ってから知り合われて、楽器もその頃に始められたとお聞きしていますが。
後藤（正文／Vo&G）：そうですね。楽器を実際に買ったのは大学に入る3ヶ月前で、大学に入ったらバンドをやろうと思っていたんです。それで組んだバンドがこのバンド。
──じゃぁ、このインパクトあるバンド名にしたのは…?
後藤：これは毎回聞かれるんですけど、特に理由はなかったりするんですよね。カンフーを付けたかったのと英単語3文字がいいなと。それで考えている間に浮かんできたんです。だから言葉自体にはそんなに意味はないですね。
喜多：でも結成からずっとこの名前ですから。
山田（貴洋／B&Vo）：後藤君がバンドを結成したらこの名前にしようと、かなり前から考えていたバンド名なんですよ。
後藤：はい。最初は僕一人でアジアンカンフージェネレーションだったんです。
──でも、このバンド名だけを聞くと渋めの音楽をやってるのかとイメージしがちですが…
後藤：それはよくいわれますね。でもあんまりそういうのは考えなかったんです。
──もともとはどんなかんじの音楽を聴かれていたんですか?
後藤：結成当時はUKのブリットポップブームだったんですよ。oasisとかBlurとか、イギリスのバンドが出てきたときだったんでその辺にはすごくハマりましたよね。それからいろんなものを聞き始めて。
山田：最近は比較的一緒にやるバンドの曲を聞くことが多いですけどね。
後藤：もらったインディーズのCD聞いたりとか。あとNUMBER GIRLのDVDを見てますね、僕は。
──そこで、4/23にミニアルバム『崩壊アンプリファー』が発売されましたが、前にも一度出している再リリース盤なんですね。全く変わってないと…
後藤：そうですね。最初に録った時の空気というのがすごく大事だと思ったんです。もう1回録り直すと違う『崩壊アンプリファー』ができそうな気がして。そうするとちょっとぬ るくなる部分もあると思うし、最初に録ったときよりも時間が経っている分バンドの技術的な部分でも上がっているところもあって。だから録り直さない方がいいんではないかと。
山田：それがいいって言ってくれる人もいるし。
喜多：もともと録り直すっていう案もなかったですしね。
後藤：録り直すんだったら新譜録ったほうがいいかなと。
──楽曲に手も加えず、ジャケも変わってないって珍しいですよね。
後藤：そうですね。普通は録り直しますよね。今回ミックスもしてないですから。
喜多：変わったところと言えば流通ぐらいですね。全国で購入できるようになりましたということなんじゃないですか。
──メジャーデビュー盤ですもんね。でも、最初に作ったときはメジャーデビューは意識されてなかったんですよね。
後藤：ないですね。
──それがメジャーデビューになっちゃたと。
後藤：もう一枚ぐらいインディーから出して、それでメジャー行けたらいいね！ っていう話をしてたんですよ。まさかこれがそのままメジャーで出るなんて想像もしていなかったです。
──出来上がった当時の手応えはどうでした?
後藤：できたー！ って感じでした。
喜多：前に自主で2枚出しているんですが、やっとインディーレーベルで作品が出せる！ という感じで作っていましたので、こんなに好評をいただくとはびっくりしました。
後藤：自分達でいいものを作ったっていう実感はあったけど、それがセールスとイコールってのは違うと思ってたんですよ。だからこんなにたくさんの人に認められるとは思ってなかったですね。すぐには評価されないだろうって。バンドがだんだん大きくなっていって、ファーストもよかったよねと言われるものでありたいと思っていたんですけど。だから当時はファーストが出来た喜びしかなかったですね。
──かなりいろいろな意味で転機となった1枚ってことですね。
後藤：思いっきり転機ですね。このCDから歌詞を日本語に変えたんですよ。日本語で歌うかっこいいバンドに影響されて、自分達もより自分達らしくできるんじゃないかって。日本語っていうのは確実に意思表明になりますから。
──ダイレクトに伝わりますもんね。
後藤：英語だとサウンド指向になるから実際言ってることは歌詞カード見ないとわからないところもあるじゃないですか。そういう責任の部分でも自分達が発信者であるっていうところで、英語から日本語に変えたのがいいきっかけになってるというか、バンドとして外にどんどん向いてくようになってる気はしてますね。
──他のみなさんは日本語に変わったときに正直どう思いました?
山田：変わったときは多少違和感がありましたね、ずっと英語だったんで。
──キヨシさんはどうですか?
キヨシ（伊地知潔／Drums）：日本詩になると和の感じがいいんじゃないかなと思いました。
──ところでこのタイトルにはどんな意味が込められているんですか?
後藤：あんまりないです。語感です。言葉として素敵な感じじゃないですか? そういうものを大事にしたいんですよ。
──ということは、言葉の意味じゃなくて、雰囲気とかリズムを大切にしているバンドなんですね。
後藤：リズムは大事ですね。言葉のなんとなしの雰囲気とか非常に僕は大事だと思うんですよ。崩壊ってのも焼酎の宝海（ホウカイ）っていうポスターが貼ってあってそこから拾って、それが崩壊に。アンプリファーはコンポの段ボールにサウンドアンプリファーって書いてあて…。ホントはアンプリファイヤーなんですけど、素で間違えてるんです（笑）。ちなみにアジアンも間違えてます。ホントはエイジアンなんです。
──（笑）。でも、曲のタイトルには意味はあるんですよね?
後藤：それはもちろんですよ。歌詞の一部から持ってくるものもありますし、全体的なイメージで付けることもありますし。
──じゃあ歌詞についてお聞きします。ほとんどの歌詞は後藤さんが作られているんですよね。
喜多：詩は全部後藤君が書いてアレンジはみんなで。羅針盤（M-2）は山田君が持ってきて後藤君と二人で作ったんです。
──どんな時に曲とか詩とかできます?
後藤：僕は常に家で作っているんですが、ギターを弾いてるときに曲はできますね。だいたい先にメロディーができるんで、詩は歌いながらいい響きが見つかるとってかんじです。
──この中で特に思い入れがある詩とかあります?
後藤：全部思い入れがあるんで、どの曲もかわいいですよ。粉雪（M-3）とかは、初めてまともに作った日本語の曲なんで、それに関しては僕らも日本語でやれるかななんて思ったりとかした曲ですね。
──けっこう詩は日常的なことを歌われているんですか?
後藤：ノンフィクションではないと思います。かといって、リアルな日常を歌っているわけでもないですし。どっちかと言うと風景を一発で思い浮かばせるような作り方というよりは、自分が思ったことを歌にする感じが多いんですね。
──後藤さんの書くコラムとか読んでも思うんですけど、言葉の使い方とか惹き付けられますよね。
後藤：好きなんですよ、もともと文を書いたりすることが…。コラムは本になっちゃいましたからね。ライブ会場で絶賛発売中です!
──その大好評のコラム本も発売しているライブですが、5/29にシェルターでワンマンが…。ワンマンは初ですか?
全員：初です。
山田：体力の方が心配だな。
──そうですね～普段より長い時間やることになりますもんね。当日はどんなライブをイメージしてます?
後藤：今まで2マンでやった1時間が最高だもんね。曲が…ってのはありますね。ライブによっぽど来てくれてるわけじゃない限り、6曲しか公になってないんで。
──自主で出したアルバムは?
後藤：う～ん。英語の曲をやるかどうかってのもありますからね。どっちかっていうと僕らが年内に出す予定のアルバムからっていうのを想像しています。もちろん「崩壊～」は全部やりますけど。
──なぜ初ワンマンをシェルターに決めたんですか?
後藤：かなり昔、東京のライブハウスのオーディションで唯一受かったところで、夜のイベントに出してくれたのはシェルターだけ。思い出のライブハウスですね。そういう面 でも一発目はというのと、都内でやるならシェルターでやりたいってのもありました。伝統のあるライブハウスだし。
──意気込みとかは…?
後藤：初ワンマンだから学ぶこともあり。
──キヨシさんは?
キヨシ：体力が持つように。
後藤：（笑）体力の話しかしねーのかよ。
──でも、体力は大事ですよね。バンドの方も大事ですけど、お客さんもね、倒れちゃったりしたらライブ楽しめなくなっちゃいますから。
喜多：俺、昔全校生徒の前で倒れたことある。
後藤：俺、昔全校生徒の前で屁こいたことある！ 「え?」みたいな顔された。
（一同爆笑）
──あ…え…と、他にワンマンのことで何か…。
喜多：ワンマンの時にTシャツを売るかもしれないんで、楽しみにしてください。それで、気に入ったら買って下さい。
──では、最後にこれからのバンドの夢とか目標とか教えて下さい。
後藤：とりあえず年内に出すフルアルバムをいいものにしたいですね。これが最初の目標です。ちゃんとステップアップできるようにしていきたいな。
喜多：その前にシングルも出す予定なんですけど、僕もいいものにしたいっていうのが一番デカイです。
キヨシ：日々精進します。
山田：いいものが出来る自信があるからそれを形にできれば。バンドがひとつひとつステップアップして1日1日を大事にしたいですね。
後藤：男、山田貴洋としては…。
山田：アジカンやってよかったなって死にたいですね。
一同：オーーーーーー!!!!!!
喜多・後藤：それいただきます（笑）。
