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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】TROPICAL GORILLA(2003年5月号)-自分的には常に今度のが一番イイ曲だと思ってやってるからね

自分的には常に今度のが一番イイ曲だと思ってやってるからね

2003.05.01

あまりにも長いスパンでのリリースのため、いつまでも新人、新人と言われ続けている重鎮(!?)TROPICAL GORILLAが今回もまた、三年ぶりとなるニューアルバムをリリース! まあマイペースといいますか、なんといいますか、独自のスタンスでシーンを闊歩する彼らのゴーイングマイウェイそのものの活動とは!?(interview : 北村ヂン)

自分的には常に今度のが一番イイ曲だと思ってやってるからね

──ほんと~うに久しぶりのアルバムなんですけど、なんでまた三年もかかってるんですか。

Cim:う~ん、ライブをやって曲作りをしていたら三年位、かかりませんか?(笑)

──あんまりちょくちょく曲を作るっていうタイプではないんですか。

Cim:そうですね、どっちかというと苦手な方ですね、曲作りは。

──それは、いっぱい曲を作ってもどんどんボツにしちゃうから、ということでもないんですよね。

Cim:そういうわけでもないですね。まあ、ダメな曲って、没にしたと言うよりも、だんだんやらなくなっちゃうじゃないですか。

──今回のアルバムは三年間に渡って、色んな時期に作られた曲が入ってるんですか。

Cim:そうですね。前作が出て一ヶ月後に出来た曲も入ってますし。

──ほぼ三年前の曲ですね。

Cim:そうそう、三年前の曲も入ってますし、レコーディングに入る二ヶ月前にやっと出来た曲も入ってます(笑)。だから別 にコンセプトはないですね。三年の間に作った曲を詰め込みました(笑)。

──三年もあったら、普通ならその間にシングルとか細かく出してもよさそうな気がしますけど。

Cim:シングルですか~。シングルは好きなんですけどね、EPとか。その中にすごいイイ曲が入ってて、アルバムには入ってなかったりするともっと好きなんですけど。先ほども言ったように、僕曲作りがすごい遅いんで、シングルなんて作っちゃうとさらにアルバムの発売が遅れちゃうんですよね~(笑)。

──三年が四年になっちゃうという(笑)。

Cim:まあ、あんまり気にしてないんですけどね。今回思ったのが、最初のミニアルバムからファーストフルアルバムが出るまでに三年かかって、それからセカンドが出るまで三年かかったんで、大体三年で一枚出せるんだなっていうのがわかりましたね。

──自分たちのペースがわかったと。曲ってどんな感じで作ってるんですか。

Cim:大体仕事の帰り道とかに鼻歌を歌って「いいじゃん、この歌」って感じで。……大抵誰かの曲に似てたりするんですけど(笑)。それで急いで帰って忘れないうちに楽器でキーを取ると。でも結構忘れちゃうんですけど(笑)。まあ、忘れた曲は良くなかったんだってことで(笑)。

──忘れない曲が三年でやっと十曲くらいと(笑)。その曲って結構完成した形でバンドに持っていくんですか。

Cim:オレもテープレコーダーは持ってるんですけど、ベースだけ弾いて「ラララ~」とかやったのを聴かせるのは恥ずかしいじゃないですか(笑)。最初の時点で、決めとかコーラスとかまでちゃんと出来てるんですけどね。意外とメンバーにその辺が伝わってない(笑)。レコーディング当日に伝わってなかったっていうのに気づいたりとか、実際にありますからね(笑)。

──「あれ、そこ、そんな風にやってたの!?」みたいな。

Cim:あとは、レコーディングの時にコーラスとか入れ忘れちゃったとか(笑)。

──三年前に作った曲なんかはライブで三年間もやってるわけじゃないですか。それを忘れるって普通 あり得ないですよね。

シム:
実際に三年間新曲と言い続けてやっていながら、コーラスを入れ忘れてた曲とかもありますからね(笑)。

──三年もの間、メンバー内でちゃんと意思疎通が出来ていなかったんですか。

Cim:イヤ、まあそれまでライブではちゃんとやってたんですけど、レコーディングの間際になって、「ここはこういうコーラスがいいよね」とか新しいことをやろうとしたら、そっちの方ばっかに気が行っちゃって今までやってたコーラスを忘れちゃったり、でも、ちゃんと入れましたよ(笑)。

M×T×R:ウチの場合だとレコーディングスタジオで初めて正確な歌詞を乗せてっていうのも多いですからね。いつもバタバタしちゃうんですよ。

──レコーディングギリギリまで歌詞を書いてるって言っても、ライブでやってるヤツはさすがに既に歌詞が出来てるんですよね。

Cim:ん~~~~(笑)。

M×T×R:微妙ですねぇ(笑)。

──……ちなみに、その段階ではタイトルは決まってるんですか。

Cim:タイトルも……仮で(笑)。

M×T×R:タイトルって、レコーディングの前に仮につけてたりするんですけど、メンバーなんかはそれで覚えちゃうんですよ。オレが後から歌詞とタイトルを作っても覚えて貰ったことないですからね。

Cim:全部は覚えてないね~。曲名が資料とかに書いてあって「この曲がいいですね」とか言われてもわかんないんですもん

M×T×R:新曲1、2……って覚えてるから(笑)。

Cim:新曲13までいっちゃいましたからね。でもレコーディングの時にその1から13まで順番に録るわけじゃないから、エンジニアさんはそのスタジオで録った順番に番号をつけていっちゃうんですよ。だから、メンバーの中での番号と違うんですよね。「○番かけてみて下さい」とか言っても、違う曲がかかっちゃう。

──当然最終的なCDに入ってる曲順も違うんですよね。

Cim:そうですね。でも、昔はもっとひどくて「新曲○」とかじゃなくって、この曲はDAMNEDっぽいから「DAMNED」とか、直球のタイトルをテキトーにつけちゃってたんで(笑)。そんなことをず~っとやってたら、一度、M×T×Rが怒っちゃったんで(笑)、「DAMNED」って言ったら怒るから言わないでおこう、って決めたんですけど、あまりにそれに慣れちゃってたんで、つい言っちゃうんですよね(笑)。

──「次DAMNEDやろうか」って(笑)。イヤー、タイトルも覚えてないようじゃ、歌詞の内容を噛みしめてその感情に合わせて演奏する、とか望むべくもないですね。

Cim:そんなエモーショナルなバンドじゃないですからね(笑)。

M×T×R:(Cimの)曲が出来てから歌詞を書くんで、Cimが「こういう曲」ってイメージしてるものとは違う歌詞をオレが乗っけちゃう場合もありますからね。しかも、この人は歌詞カードを見ないですから……。

Cim:見るよ! 一応(笑)。

M×T×R:あ、そうなんだ(笑)。でもCimが「彼女のいる人達に!」とかMCで言ってても、本当は友達の歌なのになぁっていうこともあったりするんですけど……。まあでもなんか、違和感がなければいいかなって思いますけどね(笑)。

Cim:まだ歌詞を知らない時点では、オレの中ではそれぞれの曲にオレなりのタイトルがあるから。「これは~の曲だ」みたいな。それをライブの時MCで言うんだけど、歌詞が完成してからは変わるじゃないですか。まあそれでも、ん~~。もしコーヒーの歌だったとしても、「これはモッシュピットの歌だ!」ってそう言っちゃう時もありますね(笑)。とりあえず言っちゃえばそう思うじゃないですか、みんな。

──とりあえず言っとけば、ね。

Cim:基本的にそれはそれぞれが自分の取り方すればいいと思うんで、お客さんも勝手に解釈してくれればいいんじゃないですか。まあ、意図したものと違ったら違ったでしょうがないですよ、みんな違うんだから。

──んじゃ、まあ今後の展望なんかも聞かせてもらいたいんですけど、次のアルバムもやっぱり三年後って感じなんですかね。

Cim:う~ん、そういう予定って立ててうまくいった試しがないんで……わかんないですね。絶対変わっちゃうんで。

──だからあんまり言わないようにしておこうと。

Cim:活字に残っちゃったりすると大変ですから。「次のアルバムは三年後です」って言ってても、三年以上かかるかもしれないし、一年で出来ちゃうかもしれないし……日々変化があるじゃないですか。

──曲がいっぱい出来たら出すって感じですか。

Cim:そうですね。だってオレ、レコーディングが終わってからまだ一曲も作ってないですもん(笑)。

──もう今回のアルバムで完全燃焼しちゃったと。それじゃ最後に今回のアルバムについて一言。

M×T×R:まあ一応、今現在メンバーがこれだったら人に聴かせてもいいだろうと思える集大成ではありますね。アルバムって、出した時点で自分らが今まで出した中で一番気に入っていればいいかな、と思ってるんですけど、今回もそう思えてるんでいいんじゃないですかね。

Cim:自分的には常に今度のが一番イイ曲だと思ってやってるからね(笑)。

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