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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】 copa salvo(2003年3月号)- copa salvoをやるようになって、暖かな音楽を深く知りました

copa salvoをやるようになって、暖かな音楽を深く知りました

2003.03.01

メンバー6人のそれぞれ全く違う個性がぶつかり合い、「常に真剣に遊ぶ」バンド"copa salvo"。そんな彼らのキューバという国の恩恵を受けて出来上がった3rdアルバムがついに完成! その南国で出来た暖かくソウルフルな楽曲をひっさげて、3/28(金)日本で最も危険な街・新宿歌舞伎町ド真ん中にあるLOFTでのレコ発も大決定!! このインタビューが、そんな期待膨らむ季節はずれの熱帯夜への招待状となる事を願って、4人にお話を伺いました。(interview:植田智子)

copa salvoをやるようになって、暖かな音楽を深く知りました

──プロフィールを見ると皆さん出身がバラバラですが、出会ったきっかけは?

小林:フォースの導きです。みんなの中に眠ってるフォースが僕らを導いてくれたんですよ…。

増田:『スター・ウォーズ』の受け売りなんで(笑)。

小林:そうとしか考えられないよ、俺。

──今のメンバーになったのはいつ頃ですか?

ピーチ: 1年半くらい前ですかね。僕とパーカッションのPYON中島は後から入ったので、それ以外の4人で最初スタートして。ボサノバやりたいっていう事で始まったバンドなんですよ。でも僕、ボサノバとかって聴いた事もそんなになかったし、ティンバレスとかもやった事なかったし。ただのロック・バンドのドラマーでしたから。だからなんで僕が英理ちゃんに誘われたかはよく分かってないです。

小西:それは直感。

ピーチ:普通だったら巡りあっていないような人間の集まりなんですよ。趣味思考もバラバラだし。でも集まっちゃったところが、このバンドのスゴイ所で。世代やライフスタイルとかも全然違うけど、自分とは全然違うからこそ、皆尊敬し合ってるんですね。ライブでも一体になれたりして。

小西:バラバラやから面白いというのはスゴイ感じますね。

──今回のアルバムはキューバで録ったんですよね? 『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のレコーディングでも知られているスタジオで…。誰かの希望だったりしたのですか?

小林:バンド外でそういう方がいて。「やりたいです」って(笑)。

ピーチ:キューバは、僕らがやってる音楽と関係があるじゃないですか。って言うか、本場な訳ですよ。だからキューバという国を意識はしてたので、レコーディング出来たらいいなぁみたいな話はちょっとあって。そこで、試しにもし行くならどうなるか(お金の計算とか)調べたら、なんとかなりそうだね、という流れになりまして。じゃあ行っとこうか、みたいな感じですね。

小林:俺、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』見たことなかったんですよね。キューバから帰ってきて、感動して見ちゃいましたよ。

ピーチ:僕と彼女(小西)は見た事ありましたよ。

小林:もうスゲー感動して。

ピーチ:「ココ、ココ行ったよ」、みたいな?(笑)

増田:僕はコンパイ・セグンド(キューバのシンガー。彼が90歳の時、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で再度脚光を浴びる)のPV(DVD?)みたいなのをもらって見ました。

──キューバという国でのレコーディングはどうでした?

ピーチ:見るものすべてが新鮮でした。音楽も町中に溢れていて、当たり前ですけど日本と全然違うんですよ。あと単純にメンバー全員が10日ちょっとの間、泊まり込みでレコーディングだけのためにその間ともに生活してたわけなんですが、今までそんな濃い時間を過ごした事がなかったので、そういう意味でもこのアルバムは特別 な作品になりました。

──向こうで影響受けたりして出来た曲もあるんですか?

ピーチ:そこまでの余裕はなかったですね。今回曲は全部日本で書き下ろして、それを持ってキューバに行ったんですよ。でもその段階では演奏とかはちゃんと出来ないから、向こうで練習しながらレコーディングする、という感じでした。演奏にはキューバで受けた影響はすごい出てますけど。

──copa salvoの音楽って、すごい日本的なものを感じさせる部分も多いなと思うのですが。

ピーチ:曲だけとったら全然キューバらしくないと思うんですよ。

小西:向こうは暖かいとこやし、スタジオもコンクリートの壁ではなくて。キューバを意識して作った曲じゃなくても、向こうで録った事によって、カラッと晴れてる空気感とかは絶対音に表れてるし、それが出せたと思う。

──レコーディングでは向こうのアーティストの方々も参加されていますが、その人選はどなたが?

ピーチ:それはさすがにコーディネーターの方にお願いしました。

小林:好きなバンドを言ったら、そのメンバーの人を連れてきてくれて。

小西:来日した時に観に行ってすごい好きやった人がいて、キューバに着いて次の日にコーディネーターの方と話していたら、「その人が来ます」とか言われて。「えっー!?」ってビックリしました。

ピーチ:サックスとトロンボーンとトランペットの方3人が来て下さったんですけど、すごかったですよ。こちらが大まかにしか説明していないのに、吹いてもらった時の音は素晴らしくて。ああいうホーンセクションの音に関してはキューバでなければ絶対出来ない音ですよね。

──ジャケットやアーティスト写真を見ても、色がとてもカラフルで鮮やかですよね。

ピーチ:キューバって色がすごい綺麗なんですよ。今までのジャケットとかは渋い色調のものだったんですけど、どんなイメージでいきたいかというのをみんなで話し合った時に、今回はもっとビビットに原色で、みたいな感じになりました。 copa salvoにとって、新宿LOFTでレコ発のライブをやるという事に意味があるんです。

──そんなキューバな感じがとても自然に感じられたので、copa salvoのルーツがそこなのかなと思いましたが。

ピーチ:いや、それは違います。みんなcopa salvo始めてから、そういう音楽(暖かい音楽)が好きになってきて。昔は普通 にロック・バンドとかやってましたからね。英理ちゃんは割とロックは通ってないですけど。でもフォークだから似たようなものかな。

小西:ここまで深く(暖かい音楽を)やるようになったのはcopa salvoをやるようになってからです。こんな難しいんか、と(笑)。

ピーチ:だから僕らはまだそういうラテン音楽は全然出来ていないです。なのでキューバに行ってそれを思い知らされたみたいなところはあって。現地の人とかに全然ダメだとか言われたりもしましたね。

──HPにレコーディング日記が書かれていましたが、あれはどなたが書いていたのですか?

ピーチ:ディレクターです。

──とても細かく書かれていて…。

ピーチ:力作ですよ、あれは。ちょっとした読み物ですよね。身内から見てもよく書けてると思いますよ。
ディレクター メンバー同士では絶対書けない事も客観的にね。しかもリアルタイムで書いてましたから。レコーディングしてる最中、エンジニアのブースの横で彼はずーっとキーボードたたいてました。

──今日はいらっしゃらない佐藤さんに、けっこうハプニング起こってましたね(笑)。

ピーチ:メキシコの空港で一人だけ荷物調べられたりとか、お腹こわしたりとか。

小林:彼はエピソードには事欠かないよね(笑)。

増田:いろいろ起こっても大変そうに見えないところがいいんですよ。憎めない存在。ホッとさせてくれます。
ディレクター スタッフというか一個人として、copa salvoとキューバに行って、音を作っている風景をおさえるというのがすごい楽しくて。リスナーは出来上がったのものを聴くから、そんな皆さんの分からない部分を伝えたいなと。

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