結局何をやってもノーザンブライトになることはわかっているから
──1月18日にリリースされる「YOUNG LOVERS e.p.」なんですが、OUR ROOM Vol.2の “OUR ROOM”というのは?
島田:"OUR ROOM“と言うのは自宅録音っていう意味です。
新井:いい名前でしょ。前回のタイトルをつける時に、なんかいい言葉がないかなと思って、 recorded@OUR ROOMってつけて。まぁ、島田さんの音部屋なんですけど、そこにみんなの機 材を持ち寄って。いろんな人が遊びに来たりするので、なんか悪いけどみんなのお部屋みたいな。
──今までのノーザンブライトとは違った、打ち込みサウンドなんですね。
新井:基本的に前回も今回も打ち込み、っていうかドラムはもうちょっと機材を揃えないとさすがに うまく録れないなと思って。それなら逆にリズムネタを使ってサンプリングでループしてっていう方 法でこの作品を楽しんでた。
──楽しそうな感じがします。
新井:楽しいですね。GENちゃんはドラムネタをいっぱい持ってるんで。
──どういう感じでレコーディングされるんですか?
新井:普通はある程度曲が出来ていて、それをスタジオとかであわせて仕上げていったりするん だけど、OUR ROOMレコーディングの場合は、GENちゃんがドラムのリズム「これ使ってなんか 作りたいんだよ」って言って、それをサンプリングしてループして6分くらいずっと聞いて、で、みん なでうーんって(考えて)。じゃこういうの入れようかとか。
GEN:前回はわりとそういう感じだったんですけど、今回はね、結構新井くんとかも「これ使おうよ」 っていろいろ持ってきてくれて。みんなでやったっていう感じですね。
──島田さんは?
島田:曲作りとか曲への3人の参加の仕方がすごくいい感じで。今までは新井くんがある程度曲 を作ってきて、それに参加してる感じだけど、例えばGENちゃんが最初にドラム好きなのを選んで きて、そこにいろいろ足して曲を作って最後にメロディが出来る。音作りの仕方がリズムからだと全 然違いますよ。いい感じで宅録を出来ているかな。
──音はこうしようっていう方向性みたいなものは?
新井:なんとなく普段一緒にいる時に、「前回がしっとりしてたからちょっと元気なやつ作ろうか」っ て。ポール・ウェラーがホーンのサンプリングを入れていたから、そういうのもいいねって。
島田:ホーンを入れるっていうのは結構最初からあって。
新井:ドラムが入って、ホーンが入って。そこにコード進行がついて。
──ドラム、ホーン、コードって順番、なんか面白いですね。
島田:ホーンネタがあってそれにギターでコードをつけてくっていうパターン。実は2パターンくらい あったんだよね。この曲。
新井:で、GENちゃんとか知らない間に違う曲にしてたり(笑)。
──そうなんですね。頂いた資料に「もっともダンサブルでフロアばえ抜群のナンバー」ってあって。 ある意味的確な言葉だなと思ったんですけど。
新井:まぁ、ちょっとね、アシッドジャズとかマンチェスターっぽいっていうか。ダンサブルはダンサ ブルですよね。
──でもメロディも生きてるっていうのがノーザンブライトらしいとすごく思いました。今までに作ら れていたのもそうだと思うんですけど、すごくメロディが生きてて聴かせる部分があるっていう印象 が強いんですよ。今回も前回同様打ち込みが続いているんですけど、やっぱり歌とメロディはすご く残って。
新井:ありがとうございます。なんか前回も今回もジャンル的にははちゃめちゃだけど、何をやって もいいんだなっていう感じはしている。宅録でやれることは限られてくるけど、逆にいろいろやれるし。
──そういう制約の中で楽しむっていうのもありますよね。
新井:そう、だからその中でいかによくするか。結局何やってもノーザンブライトになることは昔か らわかっているから。それをどんどんチャレンジして。
──それがまた明確に出ている時期なのかも知れないですね。
新井:うん。四つ打ちとかですごいダンサブルな曲をやってみたり、ハウスっぽい曲をやってみた り。でも、ノーザンブライトに落ちつくと。それがいいんじゃないですかね。
──すごくいいと思いました。
GEN:2曲目とかもいいでしょ?
──2曲目良いですよね、なんか外国の窓辺のような(笑)、映画のサントラのような印象を。
新井:あ、いいですね、いいですね。
GEN:外に出たくなくなる感じが。
新井:や、外に行こうっていう歌なんだけどね、一応。
GEN:(笑)、あ、そうかそうか。
──すごい気持ちよかったです。
新井:細かいところで、2曲目のドラムの音とか島田さんが昔から温めていた、あれはなんでしたっけ?
島田:ドクターリズムの初期型。
新井:超初期型を温めていてそれをやっと蔵から出してきて。
──蔵出し音源だ(笑)。
新井:1曲目のエレピもそうだよね、やっと日の目を見た。
──いろんな聴きどころがありますね。
新井:自分たちの中なんだけど、あれ使ってないから使おうとか。2曲目の間奏とかもカシオトーン のワンワンニャンニャンってあるでしょ?
GEN:あの中に隠されていた音源なんですけど、あれもまたなかなかいいですよ。
新井:シンセサイザーを買ったんですよ、micro KORGっていう。すごい小っちゃくてかわいくて、 発売になってすぐ品切れになって。それは僕らは運よく手に入れて、それを使おうっていう。
島田:あれを運よく買えてね。それも使いまくってますね。
新井:micro KORGがあっての今回の作品(笑)。スタジオで練習していたら、となりにシャカゾン ビのツッチーが来てて。で、「これ前から言ってたやつ(micro KORG)出たんだよ」って、ちょっと 見せてもらったら、かわいいから。その日に探してね。
──これもじゃあいろんなところに活躍しているんですね?
GEN:micro KORGを使って。それがもう出せるっていうのが。
新井:誰よりも早く出してやるって。
島田:どうだ!って(笑)。
新井:そうそう、一番だろうって。
──だから1回聴いてからヘッドフォンて聴いて、とか何回も聴きたくなるんですね。今回もカヴァ ーがあり、リミックスありで5曲のわりにはボリュームも感じられるし。で、そのレコ発がシェルター で、ワンマン!
新井:島田さんがシェルターじゃないとヤダって、どうしてもシェルターでって。
──島田さん、ちょっと困った笑いをしているようにも(笑)。
島田:いやいや、本当ですよ(笑)。下北ではQUEとか多いんですけど、シェルターではノーザン はやったことないから。ちょっと場所を変えてやってみたいなと。
──シェルターでワンマンって結構ビックリしたんですけど。対バンでもやられたことって……
新井:ノーザンはないんですよね。まぁソウルミッションとかロンロンクルーとか本当によくやってた んですけど、GENちゃんはシャカでやったのかな?
──じゃほんとに初シェルターで。
新井:目の前にでっかい時計があるので、それを見ながら歌います(笑)。
──ありがとうございます(笑)。シェルターの印象ってなにかありますか?
新井:すっごいやり易い。もうどこのライブハウスよりもやり易い。ロンロンクルーとかでやってもす ごい気持ちいいし、なんかちゃんとやってるって感じがずっしりくるんですよね、音が。シェルター はかなりいいライブハウスですよ。
──シェルターで見れるんだと思うとすごい楽しみだなぁって。
島田:そういうの、それが狙いです(笑)。いつもQUEだと、印象がやっぱり一緒になっちゃうし。
──イメージありますもんね。
GEN:僕はシェルターといえば、すごく暑かったなっていう。
──えっ?まさか空調が壊れてたとか……。
GEN:わりとそれに近いくらいに思ったことはある。あとあの裏の細い通路ね。
島田:(笑)。
GEN:そこにこう汗をかいた体が「うわー」ってなって。
新井:それがいいんだよ。
島田:楽屋とかごっちゃごちゃになるもんね。
──ではシェルターのワンマンに向けての意気込みをお願いします。
新井:そうですね、今回の曲とかって全くライブを考えてなくて作ったから、それをどうやってやろう かっていう意気込みが……不安が(笑)。
島田:不安と楽しみ半々くらいの。
新井:これからライブのトラック作ろうかなと。うん、リズム出したり、サンプリング出したりとかして、 ライブをやりたいな。
島田:楽しみです。お客さんも近いし。
GEN:また、いい汗かければいいなと。
新井:あ、財布と携帯はとっておいたほうがいいよ。
GEN:そうだね(笑)
新井:GENちゃんいっつもね、(ポケットに)入れたままライブやるんですよ。
──マジですか?壊れませんか?
GEN:ちょっと調子わるいですね(笑)。
新井:ラジオ出演とかでも鳴らしてますし、インストアでもブヒーって。ノイズ載るじゃないですか。
──きちんと出してからライブに挑んでいただければと(笑)。打ち込みサウンドがどう変わるのか も楽しみにしつつ。
新井:一回スタジオでやったんですけど、いい感じ。
──いい感じ!じゃ期待してます。