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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】In the Soup(2002年10月号)- 青春とは

青春とは

2002.10.01

青春とは

──まず『青春とは』はいつ頃から作り始めていたんですか? 

草場:アルバムを前提に作り始めてたんで。

八谷:8月終わりぐらいには出来上がってたかな。

──最近青春をテーマにした曲が多いですよね。だから『青春とは』って言葉的にもストレートにきたなとは思ったんですが。

中尾:そういえば最近青春ものの曲が続いてるね。

吉田:『檸檬』、『グリーングリーン』と・・・『光った汗を僕は信じてる』。

草場:青春バンドだね。

──それで今回も青春をテーマにした理由とかってあります? 

草場:青春とか人生とかが作ってるときのモードだったんですよ。2日ぐらい休みがあって、その後スタジオ入っていろいろ考えていたら青春とは・・・とか人生とは・・・とかそういうのが出てきた。

──今年の前半がフルで回転しているとか、何でも一生懸命やるっていうのはバンドの活動的なものなのかなって。

吉田:それも一理あるよね。バンドが忙しい中でちょっとそういうことを考える時間ができたというか。だから僕らは青春というのは終わって「こういうのだった」って言い切っているわけではない。渦中にいるんだけど、渦中にいたなりの一言で言い切るものではないし。

──今回プロデューサーを渡辺善太郎さんにお願いしようっていうのは、みなさんの中に意図があったんですか?

八谷:うちらの中には名前はなかったんですけどレコード会社のディレクターがいろんな人とやってみるのもいいんじゃないかってことで合計3人付くことになりました。

──3人? 

吉田:アルバムの中ではプロデューサーが3人(渡辺善太郎さん、上田ケンジさん、桜井秀俊さん)。

──渡辺さんとのコラボレーションはどんなかんじでした? 

草場:けっこう意志の疎通があるようでないようで・・・(笑)。

八谷:最初うちらも壁を作ってたじゃないけれど、Charaの『優しい気持ち』とかやってる人だから、もしかしたら固い人なんじゃないかと思ってたんですが、気心が知ってきたらあーだこーだ言えるようになってましたね。

──音の作りがあったかいシングルですね。

八谷:そうですね。善太郎さんもそういう人でしたね。

──そういえば、In the Soupがストリングスを使うことって珍しいですよね。

吉田:僕らが作る段階では全然考えてなくて、デモを作った時点でこういう感じでいこう! ってのがみえてたんだけど、善太郎さんに丸投げして「おもしろい形にしてくださいよ」って言ったら、そこにストリングスが入っていたんですよ。で、そのストリングスもとけ込ませてきらびやかに聞かせるストリグスじゃなくて、真っ向からIn the Soupの音にぶつけているのがすごいよくて、デモの段階ではあんまりよくわからなかったんだけど、こういうイメージで行きましょう! ってなったら相乗効果 で強いものができた。だから最初から決められていたものではないです。

──嫌みなかんじじゃないですよね。自然にとけ込みます。ところで、タイトルの『青春とは』っていう“とは”なんですけど、誰かに対する問いかけにも聞こえたりするんですが・・・。

八谷:問いかけではないよな。

吉田:オレが思う青春とはこういうもんだろうって。深く考えずに・・・。でも禅問答みたいだよね。「青春とは!! 」「言うならばですね~」って。

草場:自問自答してたらアホバンドだよな。自分で答えればいいじゃん! って(笑)。

吉田:何かわかんねえけどこういうことじゃねえ? って。オレが見てきた青春っていうのはこういうあやふやな感じだけど、言い切っているんじゃないな。詩は諭介が一人で書いたものではないんだよ。このタイトルとかメインの詩とか草場が最初に持ってきてね、すごくおもしろいデキ方をしてる。

──ではみなさんの青春時代とか青春ってどうでした?  いつぐらいが青春でした? 

中尾:青春って難しくねえ? 一般的な青春って言ったら制服時代とかあるけど、別 にそれだけが青春じゃないじゃん。

草場:「青春だったなぁ」って思ったことはないね。そんな森田健作のような感覚はない。

中尾:「今これ青春やなぁ」ってのもないね。

──思い出してみてもないですか? 

中尾:思い出せば「あの時は青春だったな」っていうのはあるけど。やっぱり制服着てるからとか・・・。

草場:うん、制服着てるか着てないかだけの話ぐらいじゃない? 

吉田:(諭介は)漫才やってるときとかあったんじゃないの? 

中尾:漫才やってるときは青春というか修行だったから(笑)。今も青春って言えるし、みんなが一般 的に言う青春時代だっていうのもわかるし・・・難しいよね。

吉田:曲とは関係ないところで、もっとわかりやすい青春っていうのはいくらでも言えるけど、曲をふまえた青春っていうとすごく難しくなるよね。一言では言えないからこの曲を出してるっていうのもあるけど・・・。単純に青春時代って言って思い浮かぶのは、中学校の時の部活かな。そのときは剣道をやってて、県大会に出てただ「勝ち進みたい! 」って思ってた時は青春感じたけど、でもその限定の青春とはちょっと一緒なんだけど違う。

中尾:振り向けば青春みたいなかんじなのかなぁ。今から青春をやるぞ! っていう感じでもないし、今青春だぞ! ってわけでもないし、でも今日の朝起きて歯を磨いているのを振り向いてみると青春だったかなとか。振り向けば青春、みたいな。

(一同爆笑)

草場:部活とかで言ったら青春かなって思うけど、釣りしてたとするじゃん。それも青春かなって言えば青春。一生懸命やってれば。だからいつぐらいが青春ってないよな。好きにやってれば青春かな。

中尾:まぁ釣りはロマンだけどな(笑)。 草場 ロマンも青春じゃねぇ? 

吉田:青春って現実の知らないことが多い分、そこに向かって一生懸命になるっていうか、そういうときのすっぱい思い出のイメージがあるな。自分の実力とかも知らないし、知らないからこそがんばれる、だから結果 がつく。そういう時期。バンド始めたときも青春かなって思うし。

中尾:ジジイくさくなっちゃうかもだけど、今も青春やろうね。

草場:ず~っと青春やろうね。ず~っと森田健作。

八谷:じゃあ、まとめるとアツイものが青春なんじゃないかと。

──じゃあ続いて青春時代にというと語弊があるんですが、若い頃好きだったアイドルとかいます? 

吉田:工藤静香。

草場:ウッソーーーーー!!!!!! 

吉田:中2から中3の時まで好きだった。ビデオとか写 真集とか買った。

──諭介さんは? 若い時ってアイドルに燃えなかったですか? 

中尾:一応友達同志で誰が好き? って言うときの答えは用意してたけど(笑)、冷めてるんだよね。そういうとこ。

八谷:オレは宮沢りえとか。その前は松田聖子とか。エライ前だけど。そんなはまったって人はないな。

──草場さんは? 

草場:オレは一番初めに好きなったのは早見優です!!!!!! (←断言)

(一同爆笑)

草場:大好きだった、早見優。小学校1、2年生の時にこの人がいい! と思った。なぜ君は小麦色なんだ? みたいな。

吉田:それは青春の前だな。

八谷:幼児期の話だ。

──『グリーングリーン』の時に諭介さんに聞いたんですが、学生時代モテました? 

吉田:全く・・・。もう人生14回ふられてますから。でもふられてたけど告白もされてたからすれちがいだった。

草場:それも青春じゃん? 俺は青春時代モテてないな。

八谷:オレはモテてた。

──勝ち組ですね。

草場:あっ! いつの間にか負け組になってる! 

(一同爆笑)

中尾:僕は告白されたことってあんまないんだけど、記憶の中にはモテてたっていう(笑)。どうしたらそう思ったのかなって。願望だったのかな。

八谷:過去を美化してるんだよ(笑)。

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