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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】ABNORMALS(2002年6月号)- 結成以来初のワンマンが2002年前半の活動総決算!

結成以来初のワンマンが2002年前半の活動総決算!

2002.06.01

エンターテインメントとしての責務を全うしつつ、面白いものを提供していく

──じゃあ、今年のABNORMALSはかなりアッパーな勢いで突き進む、と。
 
COMI:うん、できればアルバムも録りたいなぁなんて思ってるから。新曲も“こういう感じで行く!”みたいなのは頭の中にもうあるし。ただその出し方とか、どういう通 路を使っていくのかみたいな部分はちゃんと整理しないと、これからアルバムを出すに当たっては難しいような気はするな…。 
 
MUROCHIN:今年は、ライヴも地方を回るつもりだしね。今まではそんなに地方には行けなかったから。 
 
COMI:まぁ、何を尺度に「(地方へ)行っていない」のかっていうのがあるけどね。僕らがバンドをやり始めた頃のスタンスとしては、これが普通 かななんて思ってるんですよね。地方も含めてツアーを精力的にこなしてるバンドがある一方で、僕らみたいに全然回ってないバンドもあって。インディーズであるところを考えると、これくらいがやっぱり丁度いいかなとは思ってるんですよ。ただ、自分たちができることはもうちょっとやっていこうと思ってるんで…。
 
──比較の問題ですよね。ライヴの回数を減らす代わりに、一本一本のライヴの集中力を高めるっていう考え方も当然あるわけで。
 
COMI:地方のライヴハウスの通り一辺倒な経営のこととかを考えると、自分たちのライヴで赤字になった場合はハイ・リスクになるわけだから。僕はそういうところで自分を傷つけたくないんですよね。それを巧くやれないと…これからやっていく上で重要な課題であるから、それはきちんと考えたいんですよ。細かく地方を回ることは大切なことだけど、宣伝とかを考えるとどうしてもハイ・リスクかなと。もっとネットワークを広げて、地方にもちゃんと広告ラインを引いて、お膳立てが出来た状態で行くのがベストだと思ってますね。そのためにインターネットとかを活用したりね。ライヴが盛り上がると言っても一日限りのパーティーだから、小さなサークルだと思うんですよ。だからそれがちゃんと出来てる土地にしっかりと行って、しっかりとしたライヴを観せて、っていうほうが確実で、僕らのスタンスとしては一番肌に合ってますよね。
 
──極めて合理的ですね。
 
MUROCHIN:そうしていかないと潰れちゃうものもありますからね。
 
COMI:そうなんですよ。“無理を通せば道理が引く”ってわけじゃないですからね、こればかりは。
 
MUROCHIN:だからこそ、いい感じに回れる所は回って、今から回れるようにしていきたいし…そういう意味でもライヴ音源を聴いてもらって、ライヴに臨んでくれると嬉しいですね。
 
COMI:単純にツアーを回るとバンドの技術が上がるっていうのはありますけどね。量 をこなして、いろんなライヴを経験することは絶対に大切なことですから。…まぁ、これは一杯ツアーをやっているバンドに対しての庇護ですけど(笑)。 
 
──ライヴで培った技術なり経験を、レコーディングに持ち帰って反映させる部分もあるでしょうし。 MUROCHIN レコーディングはライヴと違って、身を削ってる思いが強いですね。ライヴで身を削るのとはまた違う、もっと辛い感じが…。精神的に参る時もありますしね。音楽をやってる人は皆そうだろうけど。
 
COMI:レコーディングっていうのは一箇所の場所にずっと居て、何かしらの目標を作るっていう作業ですから、目標に如何に到達できるかっていうか、自分自身に対してどのレヴェルでOKサインを出すかがどうしても厳しくなりますよね。ライヴの場合は良くも悪くもそれ一回限りだから、思いきりやることもできるし、考え抜いてやることもできる。その時々のテンションに合わせてやることが可能ですけどね。ただ今回の場合は、さっきも言ったように音源がライヴですから、“録るライヴ”をやるっていう感覚が少しあって、割と丁寧にライヴを進行したようなところはありましたね。それと各会場の設備も違うから、最終的にひとつの作品としてまとめる時に音のバラつきをなくそうという配慮もあったりして、かなり神経質になった部分もありました。
 
MUROCHIN:とにかく去年のミーティングから「やろう!」っていう勢いがずっと持続してあるんでね。今年は本当に楽しみにしてほしいですよ。若者みたく、そんなにガーッと行く感じではないですけど(笑)。2002年前半の総まとめみたいな意味合いが今度のワンマンであったり、ライヴ音源であったりするので。 
 
──お2人が信条とする、ライヴに対しての心得みたいなものはありますか?
 
COMI:そうですね…その時々の自分のテンションを如何に大切にステージで出すか、っていうことですかね。 
 
MUROCHIN:いい時は別に問題ないと思うんですよ。でもお互いの感情の行き違いがあったりとか、気分が今ひとつ乗らない日とかがやっぱりあるんですけど、そういうのを俺はステージで出したくないんですよ。それは心掛けてるな。ライヴはやっぱりお客さんありきのものだしね。そこら辺は気ィ付けて、いいライヴをやろうと。途中で諦めたりしないし、うん。
 
COMI:その日の自分の性格みたいなものが巧く曲に表れればいいと思うんですよ。要するに演劇で言うと“役の角を取る”っていうか。そのために必要なのって、その日の自分の雰囲気だと思うんですね。それは服装もそうだし、喋りもそうだし…。だからそれを巧くやれるのがプロだと思うんです。今MUROCHINが言った「お客さんに観せるもんだから、負けない!」っていうのは必須条件としてあるんですけど、もっとその進んだ形を出していきたいんです。
 
──たとえば今、対バンをしてみたいバンドっていますか?
 
MUROCHIN:今? う~ん……ダムドかな(笑)。でもどうなんだろうなぁ…今までも全然畑の違うジャンルの人たちと一緒にライヴを企画したりもしたんですけど、イマイチ不発に終わってるんですよね。
 
COMI:昔から、自分たちで対バンを選んだりするのが余りないんですよね。僕ら自身が企画するよりも、僕らを気に入ってくれるバンドが呼んでくれて出ることのほうが多かったですから。 
 
MUROCHIN:でもやっぱりダムド(笑)。来日するなら一緒にやりたいなぁ。
 
COMI:確かにそれはやりたいな。今のダムドと。
 
MUROCHIN:まぁ今度のシェルターは、俺らはベストのものを出していくんで、それを観に来てほしいです。 
 
COMI:今は正直言って、何かを言えるほど自分の中で固まってなくて…。いろんなバンドのワンマン・ライヴを観てたりはするんですけど。とにかくエンターテインメントとして預かる責任感を感じつつ、面白いものを提供したい…それだけですね。それで面白く演出できなければマズイと思うしね。
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