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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】BONKIN' CLAPPER(2002年6月号)- かなりの成長ですよ。一歩一歩なんですけどね。

かなりの成長ですよ。一歩一歩なんですけどね。

2002.06.01

BONKIN' CLAPPER 2月に3rd.アルバムの発売、と同時に約5ヶ月間に及ぶ全国(津々浦々)TOUR、はたまた3月のU.S.TOUR!!! と大忙しのBONKIN' CLAPPERのメンバー全員を、つかぬ間の休息日であったであろう(すんません)4月のある日に捕まえて、近況を聞いたよ! (INTERVIEW : CHIE ARAKI)

自分だけの歌を歌いたいという部分で一致した

──BONKIN' CLAPPERは最初から女の子のヴォーカルでやろう! というのがあったのですか? 
 
青山(BASS)メンバーを集めたのは僕とギターの長岡なんだけど、そうですね。結成させるときから、女の子のボーカルを入れてジャンルはともかく激しいロックがやりたかったんですよ。
 
向井(DRUM):何をやろうという方向性はなかったけど、ナガ(GUITAR)しんちゃん(BASS)の聴いてきた音楽が一致する部分が合ったんですよ。
 
ナオ(VOCAL):ボンキンをやる前っていったら、私は前からあるような音楽をやっていたんですよ。極端に言ったら、私じゃなくてもいいじゃんみたいなね。だから私も新しい、自分だけの歌を歌いたいという部分で一致したんですよね。だから、人がやってないことをやろうって始めましたね。
 
──その<人がやっていないこと>ってすごく難しいですよね。口で言うのは簡単ですが。 
 
向井:僕らなりに考えて、女とにかく女の子のヴォーカルが全面に出てきているロック・バンドって、当時は目立っていなかったんですよ。最初はそういうことだけだったんですよ。もっともっと、すごいロックをだしたい、全てをさらけ出した音楽が最初にあったんです。ボンキンをやっていくうちに、そこからいろいろ派生してきて、例えばアルバムが発売出来たとか、欲とかも出て来たりして。で今があるわけです。最近は、なんか俺らが好きな音楽だとか、新鮮だと感じた音楽を、俺らなりのチョイスをして、それをブレンドして…という感じなんですよ。
 
──まぁ、BONKIN' CKAPPERも今年で4年目となって、次の段階、次の段階って、バンド的に成長しながら、今の音楽がある様な気がしますね。 
 
青山:そうですね。俺らの自然な流れかもしれないですね。 
 
──2月に3枚目のアルバムがリリースされましたね。曲の奥行きの部分とリズムパターンが圧倒的に、前作とは変わったなと思ったのですが。ロックのなかに違った音楽がミックスされているように感じましたが。 
 
向井:あ、それはあるかもしれないですね。民族的なものとか和の部分が特にチョイスされたかもしれないです。新しいことと言えば。 
 
──音が進化=深化したように聞こえたんですよ。音のミクスチャー具合といいますか、色んな所から音だったり、リズムパターンだったり、メロだったりが集まってきてBONKIN' CLAPPERになっているなぁ、と素直に感動してしまって。
 
青山:レコーディングを実験してみたかったという気持ちが働いたんですよ。 
 
ナオ:しかもそのレコーディングでマジックが沢山起こった。今までもやろうとしてきたことではあるんですよ。今回は全てにおいて気合の入れ方は違ったよね(笑)。前作に気合が入っていないっていう意味じゃないんですけど。
 
向井:バンド全体の音に対する姿勢が全然変わったんだと思いますよ。前作までは行け! ぶっ壊せ! 的なノリ重視という部分もあって。ダメだ~。でもまだまだいける! っていう感じ。 
 
青山:まとめますと、部活みたいなノリですね(笑)。
 
──なるほど! 
 
ナオ:それまではどこまでシャウト出来るかでしたから(笑)。いまでもシャウトしているんだけど、違うのよ。
 
──判る判る。客もそれに乗っかって、どこまで高みに到達できるか? って大騒ぎでしたよね。
 
向井:それはそれですごく楽しかったので、否定はしないですけどね。でもやっぱり、自分たちの志向に正直にいたいじゃないですか。変わっちゃったね、って言われるのかもしれないですけどね。
 
ナオ:幅は広がったよね。1枚目、2枚目は連作みたいなノリがあるんですよ。
 
向井:バンドって急激に成長するときがあるじゃないですか。端から見ると不思議なくらいな変化なんだけど、当事者的にはすごく当たり前でよく判らないんですよね。
 
──その感覚は判る気がします(笑)。リリースから3ヶ月がたちましたが。
 
長岡:まだまだいける、これで終わりじゃないと思いますよ。 
 
ナオ:とにかくやっと、バンドとして第二段階に入って、まだまだやれる事があるなって思いますよ。 
 
青山:初めて、きっとバンドが、これから勉強しようという方向に向かっているね。 
 
向井:そうですね。時間が経てば経つほど、このアルバムよりももっといいものが出来る気がしてきますね。 
 
──歌詞の大本は変わっていないけれど、よりソリッドな感覚が増しましたね。 
 
ナオ:そうですね。自分的にはよりストレート。直球勝負! みたいな所がありましたよ。
 
向井:壮大な感じがでているんですよ。そういう雰囲気を出したかったから、成功したんじゃないかな。
 
──自分自身の些細な事を歌っているだけじゃなくて、ナオさんの歌は、もっと固くてどこか普遍的な匂いすらするんですよ。ゆらゆらゆれているんじゃなくて、圧倒的なパワーに裏打ちされた感じですね。伝わりにくい感覚だと思うんですが(笑)。 
 
青山:なんとなく判る気がしますね(笑)。
 
ナオ:でも私の仲ではそれほど隔たりはないんですよ。自分のことばっかり歌っているとは決して思わないんだけど。でも嘘はつきたくないん
ですよ。だから、歌っていること全ては何らかにおいて自分に関わってきている事だったりしますよ。その歌に対する視野も広がったから、こういう形になってきたのかな。
 
──最近のライブではこのアルバムが中心になっていたりするのですか? 
 
向井:そうですね。ただ、ライブのことを考え尽くして作った曲じゃないものも多いので、アレンジがまた大変ですね。 
 
ナオ:このアルバムを聞きこんで、アルバム通りのライブを期待している人がいたら、その人はもしかしたら、違うって思われちゃうかもしれない。 
 
──でもそれがライブなんですよね。でも、ギターなんか上手くなりましたよね。 
 
青山:それは長がいちばん苦労したんじゃないですか(笑)。
 
長山:音決めから大変だったんですよ。それで今回は上に乗っかってくるものにも目がいってしまったので。
 
──音が少なくなっちゃったわけじゃないのに、ナオさんのヴォーカルがすっと入ってくる感じがして。メロディー志向になったのかな。 
 
ナオ:感情の込め方が変わってきたのかもしれないですね。
 
──なんにしても、ボンキンはこんなに分厚くなったんだなぁって思いましたよ。
 
青山:少しはそれが感じてもらえると嬉しいんですけどね。
 
──それで、2月からずっとツアーに入っていて、それにしても細かく回っていますね。 
 
ナオ:だって来て欲しい! っていってくれる所をまわってみたら、こういう事になっちゃった(笑)。もう、ツアーも後半戦に入っているんですが、結構いい感じで回ってこれていますよ。
 
青山:問題なのは、移動距離なだけで…。
 
向井:6月には、きっと別人になってきますよ。かなりの成長ですよ。一歩一歩なんですけどね。
 
──で6月21日がLOFTでFINAL!! やっとやっと~っていう感じが私にも伝わって来ますけど。 
 
ナオ:とにかくもうね、えらいイベントにしますよ。最後だし。 
 
向井:体調管理ですね…。大切なのは。
 
──現実的ですね…。 
 
青山:俺たちみんなヘルシー・マニアになっちゃったんですよ。
 
ナオ:ほんと、これだけ長いツアーだと、それは大事なことなんですよ。1に健康、2に健康、3にも健康、生きてりゃだいじょうぶ! って学びましたよ(笑)。 
 
──アルバム制作から6月のツアーまで、ボンキンはノンストップで半年以上走り続けてますね。
 
向井:あはは、そうなんですよ。でこのツアーが終わったら、次のをつくっちゃおうかなぁ…なんて(笑)。
 
青山:でも、それが楽しいんですよ。辛いこともあるんだけど、自分が一番やりたいことをやっているわけですからね、すごく幸せですよ。後は健康だよね。
 
ナオ:止まるわけいきませんからね~。ビタミン剤のんで頑張りますよ。
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