Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】くるり(2002年3月号)- 2002年型くるりの真髄は"豆腐エレクトロ"にあり!

2002年型くるりの真髄は“豆腐エレクトロ”にあり!

2002.03.27

博多の魚にはエッジがない!?

──去年から今年にかけて数々の強者バンドと共演されてますが、特に影響を受けたバンドっていますか?

岸田俺は今、モーサムがすべてですね。「あれが全部正しい!」って思い込んでるかも。…それは言い過ぎですけど(笑)。思ってることがまっすぐ音になってるし、なんかメジャーのバンドくさくないし。あとやっぱり凄いなっていうのは…ブッチャーズとか。ブッチャーズは足でギター弾いてても凄い(笑)。

──吉村(秀樹)さんは神様みたいな人ですからね。

岸田何言ってるのか判らへん(笑)。打ち上げの後に吉村さんとコンビニへ行ったんですよ。吉村さん、オモチャの入ってるお菓子を買うか買わないか1時間くらい迷ってたんですけど、結局買わなくて。ホテルに帰って冷静に考えたら、吉村さんと何喋ってたんかよう判らんのですよ(笑)。ハマると感動するんですけどね。

(ここで突然キュ~っと岸田氏のお腹が鳴る)

岸田…あ、すいません。

──メシの話題にしますか(笑)。ツアー中ってやっぱり食事は醍醐味ですよね。

岸田一番楽しみですよね。普通に行くだけやったら余り意味はないと思うけど、行ってみてそこがどういう所なんかなぁっていうのを体験してライヴをやるのは面白いですよ。

──今まで廻った所で「これは旨かった!」っていうのは?

岸田大きい所では名古屋のひつまぶし、仙台の牛タン、博多の水炊き。あとは……あ! 鹿児島の黒豚豚骨の味噌ラーメン! やたら旨かった。あと…広島のお好み焼きとかね。それと…

──出ますねぇ(笑)。

岸田長野の馬刺。蕎麦も旨かった。

佐藤:北海道の鮭。

岸田うん、あれ旨かった! あと、米子のワニ…あれは特に旨くはないです(笑)。日本の魚介類で一番味が美味しいのは東北~太平洋。一番身が締まってるのが日本海方面。一番とっぽい味がするのが和歌山とか南洋のもん。なんかね、大味なんですよ、ガッツ~ンとしてて。

森:味にガッツがある(笑)。

岸田魚で俺が一番美味しいと思ったんが、水戸とかね。そこしかいない魚とか結構いるから。博多とかの魚は余り…。

──エッジがなかったですか?(笑)

岸田ないっすねぇ(笑)。

佐藤:ツアーやると肥えるんですよね…あと、エンゲル係数も上がる。

森:ライヴと食うこと以外、その間がないですからねぇ。

岸田でも、その土地土地の食いもんと、そこから生まれる音楽って絶対関係してますよ。

──なるほどね。“めんたいロック”って言葉もダテに付いてるわけじゃない、と。

岸田あれは一番判りやすいですよね。

大村“牛タン・ファンク”とかあったらな。

森:新しいジャンル!(笑) 聴いてみたいな、それ(笑)。

──それでいくと、くるりの音楽は何て形容されますかね?

岸田俺らはもう…京都出身だけに“豆腐エレクトロ”!

一同:(爆笑)

──段々と話が本編から遠ざかってますが(笑)、初めて東京に出てきた時って、やっぱり関東の蕎麦には馴染めなかったですか?

岸田そうですね、あったかい蕎麦はね。でも俺、冷たい蕎麦は絶対こっちのほうが旨いと思う。あったかい蕎麦も慣れたら旨いんやろけど、俺は慣れへんくて。

佐藤:最近はもう東京の蕎麦しか食わへんから、この間関西へ帰って普通の関西のお出しの蕎麦を食ってみたんだけど、美味しくなかった。おうどんは美味しいんですけど。

岸田あ、ついに! 毒されやがった…(笑)。

佐藤:でも昨日、久しぶりに何が食いたいかって、マクド食いたくなった(笑)。モスバーガーやったらアカンのですよ。なんか、時々マクドが無性に食いたくなる。

岸田そういうのあるよな。俺も吉野屋の牛丼とかたまに食いたくなる。──ジャンクなものを身体に詰め込みたい時ってありますよね。

佐藤:ある。常にコーラ飲みたかったりする。「歯ぁ溶けろ!」って。

俺らは純粋なことしかやってないというか、不純な戦いはしていないつもり

──メシの話でシメるのも何なんで(笑)、一応インタビューらしく今後の抱負でシメましょう。

岸田(深く考え込んで)…例えば学校に行ってる時って、余り勉強しないじゃないですか。まぁ、してる人もいるだろうけど、俺は余りしなかったから。で、大人に「後々勉強しといたほうがええで」って言われる。その時は「知るかい!」とか思うけど、でも今になると公民の勉強しといたら税金のこととか役に立ったやろなとか(笑)、そういうのが結構細々あるじゃないですか。くるりの音楽ってそういうものじゃないかな? って。そんなことを言うと苦行みたいですけど、そうじゃなくて、俺らは純粋なことしかやってないというか、不純な戦いはしていないつもりなんで。基本ラインは“音楽にとっていいこと”っていうか。言い方は良くないですけど、「ゴミみたいな音楽もあるんやで!」っていうことを肝に銘じてレコードを探して下さい、と。

佐藤:今日、ここに来るまでモーサムの次のシングルをリピートでずっと聴いてたんですけど、ガッツ感を大事に! 音源は音源で丹念に作ったので、ライヴはライヴで一瞬一瞬を大事に…ガッツ感を持って。ライヴは毎回楽しみたいです。

森:今回のツアーも凄い多いんで、集中力を切らさないように、常に新鮮な気持ちでできるようにやっていきたいと思います。あと、ワールドカップには負けたくないですね。ツアー後半戦の野音と被ってるんですよ。サッカーは好きで観たいんですけど、負けてられない!大村 アルバムもライヴも、そんなに難しいことはしたくない。シンプルに強く行きたいです。

──加入後、初の長期ツアーですね。

大村俺、肩こりがひどいんですよ。それがちょっと心配で…。

岸田こないだ高知でな、こいつ(森氏)揉んだ後に同じマッサージのおばちゃんが俺の所に来て、「仕事は何してはるんですか~?」って訊かれて「バンドやってます~」って答えたら、「さっき揉んだ方も音楽やってはるそうですけど、エライ肉厚でしたな~」やて(笑)。

このアーティストの関連記事
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻