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トップレビューLUNA SEA『35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-』- LUNA SEAの生きざまを刻んだ「覚悟の夜」

LUNA SEA『35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-』- LUNA SEAの生きざまを刻んだ「覚悟の夜」

2026.03.18   MUSIC | CD

発売日:2026年2月25日(水)
レーベル:avex trax
【DVD】
AVBD-36108 / ¥6,600(税込)
【Blu-ray】
AVXD-36109 / ¥7,700(税込)

【収録内容】
LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG- 2025.02.23 at TOKYO DOME

LOVELESS
G.
Déjàvu
DESIRE
JESUS
gravity
RA-SE-N
VIRGIN MARY
LINX (Drum Solo) & BACK LINE BEAST (Bass Solo)
IN FUTURE
I for You
FAKE
BELIEVE
ROSIER
HURT
NIGHTMARE
LOVE SONG
TONIGHT
WISH
FOREVER & EVER

 ずっと疑問だった。肺腺がんを克服した後、声帯静脈瘤、そして発声障害と、立て続けにRYUICHIを襲った病が歌声に影響を及ぼしていることは明らかなのに、なぜ今このタイミングで『MOTHER』、『STYLE』をリテイクするのか。結成35周年というアニバーサリーイヤーとはいえ、LUNA SEAの歴史を網羅する過去最長ツアーをなぜ今強行するのか。公表しているよりずっと状態が悪いのだろうか。もしかしてなにかのリミットがあるのだろうか。本来、絶大な歌唱力をもつ彼がつらそうに声を振り絞って歌う姿に、ネットでは厳しい意見があがることもあった。その度に浮かんだ「なぜ今?」は、ステージ4の大腸がんの治療を続けながらツアーを回り、今年2月に死去した真矢のためだったことが後に分かる。ボーカルの不調は隠しようがないとはいえ、自分が矢面に立つことを引き受けたRYUICHIと、病を公表せず最後までドラムを叩き続けることを選んだ真矢。メンバー全員がこの数年間背負ってきたものの重さは、私たちの想像を絶するものだったのだ。
 
 2025年2月23日東京ドーム。LUNA SEA結成35周年記念ツアーのグランドファイナル。ここに集まっているSLAVE(LUNA SEAファンの呼称)たちは真矢の病気のことも、事前に公表された「覚悟の夜になる」という言葉の真意も、まだ誰一人知らない。インディーズ時代から00年の終幕までの歴史を網羅したセットリスト。スクリーンに映し出される当時の映像がリンクして、曲ごとの記憶が蘇る。これまでライブで一度も演奏されなかった「FAKE」が披露され、96年『真冬の野外』で活動休止を発表した後の「FOREVER & EVER」、終幕前のラストシングル「LOVE SONG」の悲しい記憶は優しい思い出に塗り替えられた。
 真矢がドラムソロのあと涙をこらえたような瞬間や、「WISH」のなんとも言えないRYUICHIの表情を映した編集に込められた想いなど、その一つ一つが答え合わせのようになってしまい、涙なしでは観れない。しかし、『THE FINAL ACT』(終幕公演・00年東京ドーム2days)、『GOD BLESS YOU 〜One Night Dejavu〜』(一夜限りの復活公演・07年東京ドーム)とは違う。ライブ中にRYUICHIが言っているように、ここで終わりではない。未来に続く「一筋の光」が確かにある。この日、東京ドームのステージに5人で立てたことは奇跡だったのかもしれない。結果的に真矢がステージでドラムを叩いたのはこの日が最後となってしまったが、終演後の5人の表情はすでにその先を見ている。覚悟をもって音楽をやるとはこういうことなのだ。
 
 ヴィジュアル系黄金期のバンドが続々と復活を遂げる一方で、自身の残り時間について言及したり、終活を始めたバンドもいる。それが、バンドとファンの強固な結びつきによってシーンを築いてきたロックスターたちの責任の取り方なのだろう。「LUNA SEAを止めないでほしい」という真矢の強い願いからLUNA SEAは今後も続いていく。5人の生きざまが刻まれたこのステージを観れば、誰もが自分の生き方を見つめ直すはずだ。(Text:小野妙子 / Rooftop編集部) 
 

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