俺は今こんな本に挑戦しているんだ、と言いたくなる
『文學界』の10月号に「阿部和重『Orga(ni)sm』を体験せよ」という特集記事が乗っていて、阿部和重ってなんだ!? と。思い返せば、随分前に刊行した『ピストルズ』の評判を聞いて、ちょっと気になっていた作家だ。体験したことがなかった。調べたらなんと約1,000ページの長編である。「数々の謎が仕掛けられたエンターティメント巨編がついにベールを脱ぐ」とある。さらには「私小説/メタフィクション/現代文学がアップロードされる瞬間を目撃せよ!」とも書いてある。おっとと、メタフィクションってなんだ! なんともつかみどころがなく、どこがエンターテイメントなんだか見えない。
まだ半分も読めていないのにここに載せるにはどこか意味があって…「俺は今、こんな本に挑戦しているんだ!」というのを言いたかったのかな。(平野悠)