mini Album『霊感』で自己の感覚をはっきりさせ(はっきりしないということも含めて)、1stAlbum『Many Shapes』で様々なかたちの個が散らばる”世界”を表現したTaiko Super Kicks。自己を研ぎ澄ますことで現れる社会との摩擦の部分。それが私たちを社会のFragment—断片—にします。関連付けられる必要のない断片と断片、無縁と無縁の集合体が社会であるという現実。そこに向き合って強く生きている(いける)私たちの肩にそっと手を当ててくれる一枚です。これまでよりもリバーブを抑えた音色や空間を意識したリズムの挑戦は、現代を代表する”ロック”バンドとして自分の足で歩き始める彼らの決意を感じさせます。社会との摩擦の部分を見過ごせないひとに聴いて欲しいと思います。存在しているのに見えなかったものをかたちにしてくれるのが詩であり音楽であると思うのです。(ネイキッドロフト:石川美帆)