どこまでも蒼く澄み切った世界。深く深く広がる壮大なブルーの水平線上を渡り歩くようだ。「東京」。高々とそびえ立つ中心都市を創るのは雑踏を彷徨う寂しい黒いコートを身に包んだ私たち。だがその内にあるのは熱い信念と想いを持った個々の左胸の塊で、それがこの街を動かしている。新体制となったSuiseiNoboAz。このアルバムをぜひ隅々まで堪能してほしい。脳ミソを割いて撫でるファジーなサウンドと歌は健在で最高なまでに気持ちが良い。そしてラストの曲の意味、歌詞カード。あなたはこの無常な街で何を糧に生きている？ 私は堪えきれないこの気持ちの行き場を見つけている所だ。さて、liquid rainbowとは何者なのか、その架空の正体は。その話をツマミに何時でも語ろう。厳かな都会の冬景色にビールを飲みながらあの頃の想いを呼び起こして。いつかまたこの場所で、さよならBabylon Tokyo。（下北沢シェルター：古谷雅子）