神戸&横浜、両日すべての78曲収録(完全限定盤)
CD4枚組+Tシャツ+ステッカー:UPCY-9704 税抜価格¥8,000+税
『“GIGS”CASE OF BOØWY at Kobe』(UPCY-7336/7)、『“GIGS”CASE OF BOØWY at Yokohama』(UPCY-7338/9)も同時発売
2017年8月7日(月)発売
【収録曲目】
《DISC-1》
01. INTRODUCTION
02. IMAGE DOWN
03. BABY ACTION
04. RATS
05. MORAL
06. GIVE IT TO ME
07. "16"
08. THIS MOMENT
09. わがままジュリエット
10. BAD FEELING
11. LIKE A CHILD
12. OH! MY JULLY PartI
13. WORKING MAN
14. B・BLUE
15. TEENAGE EMOTION
16. LONDON GAME
17. NO.NEW YORK
18. DANCING IN THE PLEASURE LAND
19. ROUGE OF GRAY
20. RUNAWAY TRAIN
《DISC-2》
01. B・E・L・I・E・V・E
02. CLOUDY HEART
03. INSTANT LOVE
04. FUNNY-BOY
05. MY HONEY
06. LET'S THINK
07. 1994 -LABEL OF COMPLEX-
08. PLASTIC BOMB
09. MARIONETTE
10. RENDEZ-VOUS
11. SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS
12. ハイウェイに乗る前に
13. JUSTY
14. ホンキー・トンキー・クレイジー
15. DREAMIN'
16. BEAT SWEET
17. BLUE VACATION
18. ONLY YOU
19. ON MY BEAT
デビュー35周年アニバーサリー・リリース第2弾!
生粋にして最強のライブ・バンドだったことを証明した規格外の総括GIG、30年の歳月を経て遂にその全貌を現す!
今年の6月2日、JR高崎駅に突如掲出された5枚の広告ポスターに記された「BOØWY 20170807 #BOOWY0807」の文字。BOØWYのオフィシャルサイトでもトップ画面に同様の文字が踊り、SNSで一躍話題となった。ハッシュタグ「#BOOWY0807」はファンの間でさまざまな憶測を呼び起こし、「BOØWY」は6月3日のツイッターでトレンドワード1位を獲得。テレビや新聞、WEBメディアなどもこの意味深な数字の謎を報じ、大きな反響を呼んだのはご承知の通りだ。
瞬く間に日本中に拡散されたこの“20170807”の意味するものは、6月9日のロックの日に明らかとなった。それはいまから30年前、1987年8月7日の横浜文化体育館、同年7月31日の神戸ポートピア・ワールド記念ホールで行なわれたBOØWYによる2夜限りの伝説のライブ『“GIGS” CASE OF BOØWY』の全演奏曲目を収録したアルバム3アイテムが発売される日を表していたのだ。
『“GIGS” CASE OF BOØWY』とは、「BOØWYのレパートリーすべてを演奏する」というコンセプトのもとで行なわれたライブである。前年に発表した『BEAT EMOTION』で音楽的にも商業的にも一定の成果を得たことでバンドの解散が内々で決定したのを受け、主に『MORAL』と『INSTANT LOVE』に収録された初期の楽曲がもう二度とライブで再現されないことを惜しんだマネージャーの土屋浩が集大成となるライブをやろうとメンバーに提案したものだ。
1987年の夏と言えば、BOØWYは全国各地の野外フェスで軒並みトリを務めるなど人気絶頂の渦中にあった。ラスト・アルバム『PSYCHOPATH』のリリースを目前に控えて過密スケジュールに忙殺されていた頃で、ブッキング自体が非常に困難だった。それが神戸と横浜という異国のさまざまな文化を受け入れてきた東西の港町にある会場がたまたま空いていたのは奇跡であり、実に象徴的でもある。古今東西のあらゆる音楽的要素を貪欲に呑み込み昇華させ、バンド自体が国内外のロック・カルチャーの交差点だったとも言えるBOØWYの軌跡を辿るライブにはとても相応しい場所だったように思えるのだ。
デビュー・アルバム『MORAL』からその時点での最新シングル『MARIONETTE』に至るまで緩急に富んだ選りすぐりのセットリストは、神戸、横浜とも同じ内容の全39曲(演奏曲は38曲)。4時間ぶっ通しのライブながら弛緩したところが微塵も感じられないのは、彼らの一貫した楽曲至上主義に基づくレパートリーのクオリティの高さ、ホームグラウンドだった新宿ロフトで身につけた卓越したパフォーマンス能力に拠る部分が大きい。不遇の時代に培った圧倒的な基礎体力があったからこそ、ホールクラスの大舞台でも遺憾なくその実力を発揮することができたのだ。その意味でも彼らは生粋のライブ・バンドだったのである。『“GIGS” CASE OF BOØWY』とは、BOØWYが生粋にして最強のライブ・バンドであることを自ら実証した伝説のライブであり、新宿ロフトでのデビュー・ライブから東京ドームでの『LAST GIGS』までに至る全287本のライブの中でも屈指の内容と言えるのではないか。
この4時間にも及ぶ超絶パフォーマンスは1987年10月5日に全4巻のビデオ作品として精選された計27曲が発表され、2001年11月28日にはそのビデオ作品を基にした2枚組のCDとして音源化された。ただしそれらは神戸と横浜の素材を巧みに織り交ぜながら一つの作品として編集したものであり、その施策が作品としてのクオリティを満たすためであることは理解できたものの、完全版でのリリースを求めるファンの声は多かった。その後、2007年12月24日に3枚組CD『“GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETE』として両日に披露された全セットリスト39曲が初めて収録されたが、それも両日の音をミックスした上での“コンプリート”だった。“素材”をそのまま“作品”として世に出すべきではないというもの作りに対する深いこだわりは、メンバーの意思を受け継いだスタッフたちによってバンド解散後も頑なに守り抜かれてきたのだ。
今回発売される『“GIGS” CASE OF BOØWY』は、ライブ開催から実に30年を経て実現する真の“コンプリート”盤である。神戸と横浜、両日に演奏された2日分すべての39曲・78トラック(演奏曲は38曲・76トラック)が、最新リマスタリング音源として蘇った。神戸と横浜のライブがそれぞれ単体のCD2枚組として、両日をセットにしたCD4枚組が完全限定盤として発売されるのはまさに快挙と言えるだろう。
いまや入手困難な紙ジャケット・リイシューCDの限定復刻&オリジナル・アルバム3タイトルのアナログLP限定復刻(『JUST A HERO』、『BEAT EMOTION』、『PSYCHOPATH』)に続くBOØWYのデビュー35周年アニバーサリー・リリース第2弾にあたる本作は、30年前に解散を見据えたバンドが自身の足跡を総括すべく敢行した2日にわたるライブの真実の姿である。実質6年間の活動でカットアウトの美学を貫いたバンドが名実ともに頂点を極めた時期のライブ音源として資料的価値が高いことは言うまでもないが、高水準の楽曲を矢継ぎ早にプレイする4人のスキルの高さ、アンサンブルの見事さはやはり特筆すべきもので、30年という歳月を経てもなおその鮮烈さ、瑞々しさが失われていないのは驚嘆に値する。
BOØWYが最も光り輝くのはステージの上という一期一会の場であり、彼らが比類なきライブ・バンドだったことを改めて実感させてくれる今回の『“GIGS” CASE OF BOØWY』の完全版リイシュー。ここに封じ込められたライブ空間特有の血沸き肉躍る圧倒的な熱量、表現に向かう演者の強靭なメンタリティ、ステージとフロアのフィジカルな交歓こそ、ロックをロックたらしめる不可欠な要素ではないだろうか。(text:椎名宗之)