5B-16
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四十にして惑わずなんて言うけれど、どっこい惑わされっぱなしは相も変わらず甚だしく。それでも自分にできるやり方、生き方はやっぱりこれしかないんだ──。ベースのくしこが加入したディスチャーミング・マンの現編成初の音源(7インチ+MP3)は、とどのつまりそうした蝦名啓太の前向きな諦念がテーマのように思える。荒ぶる激流とたゆたう緩流を激しく行き来するような「ダメージド」は先祖返りした感もあるが、「あの時の僕はもういない/でも今の僕はあの時にはいない」という至言は40歳になった今の蝦名にしか唄えないものだ。不穏で野太いベースが全体を牽引する「マイウォー」は、まるで透明人間のように生きる実感を見失った自分を揶揄しながらも抗い足掻く様がスポークンワード・スタイルで唄われるのが新鮮(JAROの件りが笑える)。蝦名の野性と荒削りの美しさを引き出した中尾憲太郎(Crypt City)のプロデュース手腕が光る逸品だ。(Rooftop:椎名宗之)