世田谷を拠点とした自身のクルー、KADYTOWNと共に現在最注目のアーティストの一人、IOの1stアルバム。25歳ながらも落ち着いた佇まいはラップにも反映されており、若手アーティスト特有の熱さはなく、ひたすらクールに街を描写していく。プロデューサー陣はクルーのメンバーからMUROやMUMMY-D等のベテランまで豪華なメンバーが名を連ねており、アルバム全体が統一感のあるソウルフルなトラックで、より彼のラップが最良に生かされた形となっている。結果、時代を感じさせない普遍的な空気を漂わした質感のアルバムに仕上がった。前途した通り、これだけのプロデューサー陣が揃うのも、やはりシーンの期待度が高い証拠であり、ラップ以外でもデビュー前からファッション誌の表紙を飾る等、ライフスタイルも含めてこれからも注目を集めるであろうニュースターの文句なしのデビュー作。
(Loft PlusOne West:松井良太)