結成からなんと約11年を経て遂にデビューする強者揃い、トーキョーキラーの音源が届いた。全編通してかき鳴らされるファズ・ギターに、ガレージ、サーフ、R&Rを飲み込んだ珠玉のインスト・ナンバーで構成されている。一聴するとストレートなロックンロール・ミュージックのフレーズが数多く散りばめられていて、最初にギターを持った時に何度もコピーしたあの感覚が蘇りました。リンク・レイやディック・デイルの名曲カバーでは、思わずニンマリします。そして再び聴き込んでいくと、そのフレーズたちの周りにあるベース、鍵盤、ドラムの攻めと遊びに気づき、ふとリピートしてしまいます。各メンバーの長い活動歴で鍛えられた技とセンスが飛び抜けていて、インストながらもその王道なメロディに強い個性があり、アルバム全体を鮮やかに際立たせています。ロックの初期衝動に爽快感を感じながらも、新鮮な面白味を感じるアルバムでした。（新宿LOFT：大塚智昭）