金 佑龍の魅力は何と言ってもライブだ。その立ち居振る舞いは、特別に華があるわけではない。しかしライブでは、ギターひとつで会場を自分の土俵にし、横綱相撲を展開する。その立ち姿は、スーパーヒーローのようにかっこいい。圧倒的なライブの力と、愛すべきキャラクター。金 佑龍が会場をひとつにする決まり手はそこにある。
そんなライブ・シンガー、金 佑龍が唄うフィッシュマンズの名曲「ナイトクルージング」。ライブでよく披露されるこの曲が、12インチカバーアナログ盤としてリリース。原曲よりもさらに張りつめた、深海のような音。それに乗せる金佑龍の歌は、ライブさながらである。発達したこの時代に、ライブへ行くこと、アナログ盤を聴くことは手間が必要だ。しかし、その手間をかけてこそ金 佑龍を体感できる。最高に面倒くさい一枚。CD-Rが付属しているので、アナログ再生機がない方もご心配なく。(LOFT PLUSONE WEST:松本尚紀)