4年ぶりにリリースする待望のニュー・アルバムは、バンド結成10年目を迎えて、積んできたキャリアがあるからこそ鳴らせる音で溢れている。あちらこちらに本音が見え隠れしているかのような言葉の数々に心を掴まれ、彼らが放つリアルに共感し、感動。励まされたくてひたすら何度も聴いてしまう。また、つばきとして新境地となったリード曲「フクロウ」は、ライブ映えしうな1曲。そして2曲目「ないものねだり」は、「結局のところ、そうなんだよね」と共感を覚えた1曲。この2曲をきっかけにグイグイと作品に引き込まれ、アラフォーを迎えた自分にはちょうど良いみたいだ。
アルバム資料に「普段は楽観的な僕も夜になると時々心配性で、ネガティブなもう一人の自分が顔を出す」という書き出しがあるが、まさにそんな思いを抱きながら、今夜もこの『真夜中の僕、フクロウと嘘』を手にするだろう。それでも明日は来るのだから。(新宿LOFT:樋口寛子)