2004年に再結成してからも良質な作品をコンスタントにリリースしているクラウドベリー・ジャムの最新作にしてデビュー20周年記念作。90年代のスウェディッシュ・ポップ・ブームの代表的なバンドとして日本でも知名度は高いが、自分達の音楽が大きなビジネスになってしまったことに違和感を覚え、人気絶頂の98年に一旦解散している。再結成後はインディーズを拠点にマイペースな活動を続けており、本作も20周年という大キャンペーンを張ることもなく、自身のFacebookでファンからリメイクして欲しい曲のリクエストを募ったり、新機軸のカバー曲に挑戦したりと、まず自分達が20周年を思い切り楽しもうという和やかな雰囲気で製作されたようだ。1つ1つが丁寧に作られた楽曲は捨て曲一切なしのキャリアに相応しい作品になっている。日本のiTunesでダウンロードすると日本語の楽曲解説ブックレットが付いてくるのも嬉しい。（加藤梅造）