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楽しいよふかし / ソーメニー

2010.12.07   MUSIC | CD

525yen (tax in)
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1.天井の見つめ方
2.ソーメニー
3.P.S
4金曜日
5.それをそう呼ぶだろうか
6.マボロシ

 新高円寺クラブライナーのマスザワ氏(テルスター/ザ・ガールハント)より、「良いバンドがいる!」と教えてもらったのが、"楽しいよふかし"という名前を持つバンドだった。私のように30歳を過ぎると、よふかしは楽しいものではなく、ちょっとツライものに変わっていくのだが、彼ら(年齢は知らない)にとってはよふかしもまた楽しい青春の1ページなのだろう。ただ、"楽しい""よふかし"なのか、"楽しいよ""ふかし"のどちらで区切るのかがわからないので、もしかしたら今書いた私のテキストが、出来れば年齢は隠したいお年頃の女子が年を公表したあげく赤っ恥になることもありえる。
 そんな楽しいよふかしが、11月10日に『ソーメニー』をリリースした。CDを取り出したところに掲載されている写真のガビガビっぷりは意図的だと思いたいが、作品を聴く前からバンド名の意味を含め、いろいろ考えたくなるバンドも珍しい。聴く前からお腹がいっぱいである。...とも言ってられないので楽曲について触れたいと思う。『天井の見つめ方』から始まるこの作品は、6曲入りで500円(税込)と太っ腹価格。2008年にリリースし、現在は絶版になっている『ヤサグレーズ E.P』からも2曲。ひと言ひと言を丁寧に紡いでいくようにして放たれるボーカルは、飾り気がなく人間味が充分に感じられて温かい。この歌声と歌い方を聴くだけで、マスザワ氏が良いバンドだという感じはすごくわかる。サウンドは、まだまだ荒削りだと思ったが、vano(ギター&ボーカル)、キク地ユウタロウ(ベース)、カネコカズ央(ドラム)の3人が、必要以上の大人の力を借りず今出来る最大限の音作りをしたことは感じられた。2005年に結成し、2009年に現バンドとなった彼ら。作品としては、2009年5月以来のリリースとなるので気合いもスキルも当時以上のものはあるだろうが、良い意味の初々しさを感じる。テクニック、雰囲気、勢いなどを前面に押し出すバンドが多い中で、ストレートな歌とメロディーで勝負をするバンドはなかなか少なくなってきたように思うが、彼らの"近所に住んでそうな男子感"は魅力のひとつだろうし、今後もそこは変わらないままに進化を続けてもらいたい。
 12月18日には"楽しいよふかしpresents"のイベントがクラブライナーであるので、気になる方はぜひ!(Rooftop:やまだともこ)

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