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STARBOAR / 夢で逢えたら

2010.09.14   MUSIC | CD

HAUS-4 1,000yen (tax in) / 9.12 IN STORES

 先日、STARBOARDの『Drive-in』を友人と聴いていたら「あぁイイね。ドライブでも行きたくなるねぇ」と、友人は言った。曲名を全く知らずにそう思ったらしい。そういう意図があって作られた曲なのかは定かではないが、何となく…音楽と人の思考がリンクしたような、そんな瞬間だった。今回のSTARBOARDの新作『夢で逢えたら』は、2007年にリリースされた『Drive-in』の再録(Rework)と新曲2曲を加えたシングル。オリジナルバージョンの良さを引き継ぎ、よりライブ感を増した音の上に乗る声は、独特の透明感を持って言葉をダイレクトに伝える。そして何より、珠玉のメロディーラインが聴き手の心を鮮やかに色付けてくれる、あらためてこれぞ! な名曲。新曲『Reprise』もいかにも「らしい」仕上がり。優しく聴こえる詞とメロディー、時折みせる憂いのある切なさを見事に同居させる。シンプルな日本語を丁寧に歌いこみ、柔らかさも強さもある絶妙なバンドサウンドで表情豊かな曲になっている。もう1つの新曲『夢で逢えたら』は、アコースティックギターと打ち込みのリズムが、何とも言えない浮遊感を出して夢心地な気分になれる。たった3曲のシングル盤ながら、STARBOARDの良さが余す事なく詰まっている。何より最初に書いた友人のように、「〜したくなる」みたいな、ささやかながら人の気持ちや心を動かせる不思議な魅力を持っている。当たり前の日常の風景を、チョットでも変えたい人は是非。(新宿LOFT:水野 慎也)

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