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ION DISSONANCE / CURSED

2010.09.14   MUSIC | CD

DOOM-0026 2,100yen (tax in) / IN STORES NOW

 メープルシロップとセリーヌ・ディオンで有名なカナダのケベック州で結成されたハードコアバンド、アイオン・ディソナンスの4thアルバム。細かく言うとジャンル的にはマスコアに属するらしいのだが、要するに突拍子もないリズムの展開と不協和音とデスヴォイス満載のアレのことである(よく分からない人は、ギャーギャーゴーゴーしてる音楽だと思えば良い)。とは言え、いわゆるThe Dillinger Escape Planフォロワーにありがちな高学歴な匂いが一切しないのが、逆に好印象。バンドメンバーの写真を見るといかにも田舎のアホ不良白人だし、曲名も『We Like To Call This One - Fuck Off』とかだし、混沌とした曲展開からも構築の美学などではなく、もっと刹那的な香りがぷんぷん漂ってくる。エクストリームミュージックが何らかの形で「暴力」を扱う音楽である以上、少なからずこういった暴力性は必要とされるし、このメンバーが実際どうだかは置いておくとしても、不良と音楽がイコールで結ばれる文化圏が醸成したジャンルであることを殊更に強調した彼らの戦略は的を得たものである。ジャケットのアートワーク含めひとつもヒネリは無いが、だからこそ一旦ハマると抜け出せない、ある意味核心を突いたバンドだ。ちなみに、いきなりメロウなボーナストラック(M-13)はどうかと思うが、いきなりテクノな日本盤ボーナストラック(M-14)は、セパルトゥラのリミックスを思い出させるアホな出来で最高。(前川誠)

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