雨音。石の上に落ちる水滴。静寂。オープニングにふさわしい『Drops』。そこから広がる『Image Game』。そのタイトルはまるで、「君にこの音風景が見えるかい?」と問いかけられているようだ。
元々、音の世界へ引き込む力が圧倒的なバンドだったが、今作ではそこから広がるサウンドスケープがものすごいことになっている。決して乱れることのない展開。だが、絶対に音がジャストで鳴ってこない。そのズレ感…ズレと表現していいものなのかどうかも定かではないが、非常に気持ちよい。
そもそも、自然界で奏でられる音に、完全に規則正しいものなんて存在しない。自然界や生物に息づく、そのリズムを音にしているようなものだ。3曲目には『On The Mountain Path』など、自然を意識したかのようなタイトルが連ねられている。このアルバムの最後を締めくくるのは、高揚感で心を揺さぶられる一番のハイライト『100 Million Rainbows』。この曲を聴いて、100万の虹が浮かんだあなたは、きっとLITEの音楽の虜になっていることだろう。(Naked LOFT:嶋田和代)