来日記念に、今一度SLASHについて触れておきたい。先ずこのアルバム、何と言ってもタイトルが良い。ジャケットも、それっぽくて良い。「ギターヒーローの初ソロアルバムたるもの、こうあって欲しい」というロックキッズ(年齢問わず)のリクエストに、「これだろ?」と返してきた模範解答。一見スタンダードなのに、豪華、且つ確かな品質。若き読者のために説明するが、SLASHとはあのSLASH。元G'N'Rの、シルクハットの、あの彼である。今まで数多くの作品にゲスト参加してきた彼だからこそ可能だったのだろう。構想3年、制作1年というこのアルバム、参加アーティストも「本物」揃い。LEMMY、OZZYにIGGY POP…、所謂そっち方面のファンのハートをぶち抜くために企画された感も否めないが、全部本物だから何をしても許される。ターゲットも幅広く、FergieやDAVE GROHLも参加している。しかも曲がかなり渋い。もちろんギターソロもちょっと長めだ。「VELVET REVOLVERから知った」という後追い世代の貴方も「最近CDを買うことはおろか、音楽そのものから遠ざかっていて…」という貴兄にもぴったり。いろんな世代から支持され大ヒットした『By The Sword/Slash feat.Andrew Stockdale』を含む全15曲入り。シルクハットというアイコンが定着しているからか、本人の努力か、見た目は若いころと殆ど変わっていないように思われる。ライナーはもちろん伊藤政則氏。(下北沢SHELTER:石川 愛)