もともとはサウンドやメロディーだけで音楽を楽しむという人間ではなく、言葉で伝えられるものが好きなので、歌の入っていない音楽を好んで聴くタイプではなかった。しかし、DE DE MOUSEの『sunset girls』を手にした時に自分の琴線を揺らされたところがあって、こういう音楽を聴くのも楽しいと思って以来、DE DEさんの作品は私の生活の一部になっていた。そのDE DEさんが、2年振りのオリジナル・アルバム『A journey to freedom』をリリースする。今作は、ジャケットとPVのイラストは、「ファイナルファンタジータクティクス」「伝説のオウガバトル」を手がけるスクエア・エニックスの吉田明彦氏が担当されている。少年少女の後ろに描かれた風景は、京王多摩センター辺りを元にされているそう。楽曲は、ところどころに入っているモンゴルのホーミィを思わせるヴォイスサンプリングを駆使した、男なのか女なのかわからない中世的な歌声、また、時にゲームの中に入ったようなサウンド、そして時にジブリの世界に迷い込んだかのような幻想的なサウンドは、楽曲が映し出すイマジネーションの幅を広げていく。DE DEさんの作品を聴いて、音楽の受け取り方が自由だと教わったようなものだ。この作品は、隣の家とか隣の部屋の人とかのことを気にすることなく、大音量で聴くことをお薦めする。それが無理なら、イヤフォンを使って大音量で聴こう。彼の作り出す世界に、よりどっぷり浸ることができるだろうから。(Rooftop:やまだともこ)