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トップレビューふちがみとふなとカルテット / 博学と無学

ふちがみとふなとカルテット / 博学と無学

2010.01.01   MUSIC | CD

YHL-003 2,940yen (tax in)/ IN STORES NOW

 

 年末年始に騒ぐ世間に飽きたので、あとはしっぽり春を待ちたい。そんな貴方にお薦めしたい1枚です。
 新年明けましておめでとうございます。僕がこのCDと出会ったのも昨年の今時分でした。ふちがみとふなとは、ボーカル渕上純子、コントラバス船戸博史の2人から成る正真正銘のアコースティックデュオ。独り言のように囁かれる歌からは、確かに人間の体温が宿っています。これはその「ふちふな」の2人が当時、ライブでの共演を経て大熊亘(クラリネット他)、千野秀一(ピアノ)の一流陣と共に仕上げたものです。発売から10年近くが経過しても色褪せず、確かな温度を維持し続けているのはなぜでしょう。面子から考えてさすがの一言で片付けるにはあまりに複雑、しかし分析を試みれば極めて純粋な「うた」のレパートリーに酔ってください。
 タイトルの『博学と無学』とは沖縄の詩人・山之口貘の詩からとったもの。何度読んでも彼の詩には味わい深いものがありますね。もちろん、タイトルナンバーも収録されています。そういえば山之口貘に興味をもったのも、渕上純子さんの歌でした。ムーディーだけどシカトできない。温かいけど胸がチクチクする。マフラーと静電気のような作品です。(Naked Loft:上里環)

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