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島口大樹「鳥がぼくらは祈り、」高校生の揺れ動く"今"を捉えた、文体で

2021.11.05   CULTURE | CD

講談社/ ¥1,400+tax

高校生の揺れ動く“今”を捉えた、文体で

ぼくと、山吉と池井と高島。熊谷で育ち、中一で出会い、お互いの過去を引き受け合ったぼくら四人の高校生活と、孤独と死を目の前にして揺れ動く“今”。
選評より松浦理恵子さんが《一人称内多元視点》という創作、技法を紹介しているんだけど、一人称が異なる場面もなぜか読めてしまう。冒頭部分での違和感が、心の未熟さ、としてわたしの中で感じられるようになってからは、なぜか不規則なリズムにも自然とついていける。紙の上で、危うい“今”が躍り出す。過去へと引きずり込まれる。ドラマや映画のように、劇的な何かが起こるわけでもない。ただ、それぞれの思いとこれからへの決意。
お笑い芸人、演出家、脚本家。モノを創る人達には是非、手に取って読んで頂きたい。新たな刺激をもらえると思う。
今からでも、何歳でも人は変われると他人は軽々しく言う。脳みそで理解しながらも、高校生の頃に本作品に出会えていたら、もう少しだけ心が救われたかもしれない。わたしはぬるい絶望から抜け出せないまま、大人になってしまった。手遅れになる前に、(LOFT9 Shibuya おくはらしおり)

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