ふたりの物語はココでひと段落
タイトルも凄いですが、物語も濃く、80年代のTVドラマのようなこの作品。これでもかと不幸の連続で、この連鎖を断ち切って早く救われてほしいと思いページをめくるとまた事件。良い人すぎるために自覚・無自覚の悪意を被せられてきた優里と東根の姿に辛いものもありましたが、最終巻であるこの13巻で、やっと幸せになっていく後姿を見られました。
もちろんフィクションなのでご都合主義もありますが、真っ直ぐなふたりがただただ坂を転げ落ちていくのを見るのは辛い、読み手として望んでいた明るい未来へゆっくりと歩き出す姿を見られてほっとしています。改めて読み返すと、不幸を押し付けてくる人に悪態をつかずにいるので、どこまでお人よしなんだと呆れてしまう気持ちも。そんなふたりだからこそ落ちることなく、障害を飛び越えていけたのかも。
ふたりの物語はココでひと段落。とはいえエトセトラへともう少しだけ作品は続くので、これから先の歩みも楽しみです。(LOFT/PLUS ONE:柏木 聡)