テレビ東京系列
どれだけヤバい世界のヤバい奴らでも必ず腹は減る
たまに人間が怖くなる時がある。
さっきまで楽しく話していた人が、その数時間後にSNSで手あたり次第怒り散らかしたり、
逆にSNS上で親しく会話をしていた人と直接会うと冷たい態度を取られたり。
インターネットの発達により、人の「表裏」や「本性」というものが取り沙汰される機会が増えてきた。リアルで話す時が本当なのか、ネット上が本当なのか。
「本当のその人」はいったいどこにいるのだろうという気持ちと、本当や本物なんてどこにも無いのかも知れないという気持ちが混ざり合い、人間がわからなくなり、怖くなる。
そんなことをいくら考えても結局答えは出ない。ただ疲れるだけだ。
人間の本物の表情が見たい時「ハイパーハードボイルドグルメリポート」を観る。
”ヤバい奴らのヤバい飯を通してヤバい世界のリアルを見る”というテーマのこの番組ではヤバい事しか起きない。
リベリアの元人食い少年兵やアメリカの極悪ギャングの日常は少し垣間見るだけでも、ヤバいし怖い。
「知り合いがSNSでなんか怒ってた」みたいな現象が可愛く思えるほど、リアルで切実な光景が繰り広げられている。直視できないような瞬間がいくつもある。
しかし、どれだけヤバい世界のヤバい奴らでも必ず腹は減る。
生きるために飯を食う。
その瞬間だけは、環境も人種も性格も何もかも超越し「飯を食って生きる」という剥き出しの、本物の人間の顔を見せてくれる。
どれだけ自分と違う人間でも、その人の事が理解できなくても、全部信じられなくても、「飯を食う」という事実だけは絶対に本物なのだ。それは絶対に揺るがない。
嘘偽りのないその表情を見ているとそんなに難しく考える必要は無いのかも知れないと思えてくる。各々の生活があって、腹が減ったら飯を食う。ただそれだけでいいじゃないか。
観終わった後、少しだけ人間の事を好きになれる気がする。
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